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シリコンキャパシタと積層セラミックコンデンサ(MLCC)の比較

DCバイアス特性

シリコンキャパシタの静電容量は電圧を印加してもほぼ変化がなく、静電容量の安定性が非常に高いコンデンサです。
一方、積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、温度補償用についてはシリコンキャパシタと同様の特性ですが、高誘電率系については電圧印加によって静電容量が大きく減少します。
このため、高誘電率系のMLCCを使用する場合は、電圧印加による静電容量の減少を考慮して設計する必要があります。

DCバイアス特性 グラフ

温度特性

シリコンキャパシタの静電容量は温度が変化してもほぼ変化がなく、静電容量の安定性が非常に高いコンデンサです。
一方、積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、温度補償用についてはシリコンキャパシタと同様の特性ですが、高誘電率系は温度変化によって静電容量が大きく変化します。
このため、高誘電率系のMLCCを使用する場合は、温度による静電容量の変化を考慮して設計する必要があります。
また、シリコンキャパシタは一般的なMLCCと比較して、使用温度範囲が広く、より高温側でも静電容量が安定しています。

温度特性 グラフ

音鳴り

音鳴りは最終的な製品評価時に発見されることが多く、セットの販売前に早急な対策が必要となるケースが目立ち、
多大な被害を発生する可能性があります。シリコンキャパシタは製品自体が共振しないので、音鳴りの心配がありません。

セラミックコンデンサ

セラミックコンデンサは圧電素子のため、電圧変動によりセラミックコンデンサが前後左右に振動してしまい、セラミックコンデンサ自体や、またベース基板が共振し音鳴りが発生する。

音鳴り グラフ

有効な対策として
シリコンキャパシタ
に変更する手段がある

シリコンキャパシタ

シリコンキャパシタは圧電特性なし
よって、電圧変動で製品自体が共振せず、音鳴りの問題なし

製品高さ

シリコンキャパシタは、薄膜半導体技術を活用してプレーナ構造やトレンチ構造を形成し、製品高さを低くすることが可能です。
例えば、0402サイズ(L:0.4mm×W:0.2mm)で製品高さH:0.1mm以下を実現することも可能です。
一方、積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、内部電極が印刷されたシートを積層して静電容量を大きくしていくため、製品高さを低くすることが困難です。

製品高さ

実装時のチップ立ち(マンハッタン現象、ツームストン現象)

実装時のチップ立ちは、一般的にマンハッタン現象やツームストン現象と呼ばれています。
この現象が発生する原因は、はんだ量のバラツキ、はんだの溶融タイミングのズレ、実装時の製品の位置ズレ等があります。
シリコンキャパシタは、下面電極構造のため側面電極がなく、製品が水平方向に引っ張られないため、リフローによるチップ立ちが発生しにくい構造です。
一方、積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、多面電極構造のため側面に電極があり、製品が水平方向に引っ張られます。
この時上述の原因により、リフローによるチップ立ちが発生する場合があります。

MLCC:多面電極構造

MLCC:多面電極構造 リフロー前

側面と底面がはんだから引っ張られるため、赤線方向に力が発生する。多面電極の場合、電極とはんだの接触面積差が大きくなる。

MLCC:多面電極構造 リフロー後

電極間のばらつきが大きいと、電極は赤線方向に引っ張られます、電極は接触面積の大きい方に引っ張られ チップ立がが発生する場合があります。

矢印

シリコンキャパシタ:下面電極構造

シリコンキャパシタ:下面電極構造 リフロー前

側面に電極がないので、 基板直下方向にのみ力が働きます。

シリコンキャパシタ:下面電極構造 リフロー後

下面電極構造のため、 チップ立ちが発生しにくいです。

キャパシタ(コンデンサ)データシートダウンロード

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