SiCパワーデバイス
シリコンカーバイド(SiC)デバイスは、シリコン(Si)デバイスと比較してオン抵抗が低く、高温、高周波、高電圧環境での性能が優れていることから、次世代の低損失半導体として大いに期待されています。SiCデバイスの優れた性能によって設計が簡素化され、アプリケーションの小型・軽量化を実現することができます。
SiCデバイスの低オン抵抗特性は機器のエネルギー消費量の大幅な削減に貢献します。CO2排出量を抑え、環境にやさしい製品やシステムを設計することができます。

ロームの第4世代SiC MOSFET
ロームが量産を開始した最新の第4世代SiC MOSFET は、短絡耐量時間を改善し、業界トップクラスの低オン抵抗を実現したデバイスであり、ディスクリートパッケージでの製品を展開しています。車載トラクションインバータ搭載時には、高効率化によりIGBT比で6%の電費を改善(国際規格「WLTC 燃費試験」で算出時)できるため、電気自動車の航続距離延伸やバッテリーの小型化に大きく貢献することができます。
SiC技術の応用
第4世代SiC MOSFETディスクリートパッケージの諸特性について説明します。また、回路設計やレイアウト手法、評価における注意点等を詳しく解説します。
第4世代SiC MOSFET を使用した時のアプリケーションメリットをDC-DC コンバータの実機検証、EVのトラクション・インバータでの模擬走行試験とTotem-pole PFCの実機評価を通して解説します。
次世代がん治療法研究へのパワー半導体の貢献
ロームはこのたび、社会貢献事業の一環として自社の得意分野である「パワー半導体技術」を活かした研究機器を京都府に寄贈しました。
「省エネ・小型化」を推し進める「切り札」として期待が高まるSiCパワーデバイス。
その裾野を医療分野にも拡げていくための大きな一歩がここから生まれようとしています。
ラインアップ
SiC関連製品
ロームではSiCデバイスの駆動に最適なゲートドライバICを開発しています。SiCデバイスと組み合わせることで、その特性を最大限に引き出すことができます。また、SiC MOSFET を内蔵したAC/DCコンバータ制御ICなど、SiC製品を内蔵したICの開発も行っています。