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電気信号で音が鳴るメカニズム

音とは?

音をLSIで鳴らすためにはどのようなシステムが必要か理解するために、電気信号によって音が鳴るメカニズムを説明します。

まず、音は振動によって伝わり、振動はサイン波で表現されます。
サイン波には周波数があります。その周波数が可聴周波数といわれる20Hz~20kHzの間の周波数の振動が人には音として聞こえます。

電気信号で音が鳴るメカニズム

ダイナミックスピーカで音がなるメカニズムを説明します。スピーカに内蔵されたコイルに電流が流れると、コイルと永久磁石との間にローレンツ力(フレミングの左手の法則により生じる力)が生じます。そして、コイルに流す電流値を電気信号として変化させると、コイルは振動します。この振動周波数が可聴周波数に入る場合、音として聞こえます。具体的には、コイルが振動すると、コイルに接続されたコーンに振動が伝わり、そしてその振動が空気を振動させて音として出ていきます。
つまり、スピーカに音と同じ電気信号を流すと、その電気信号と同じ信号の音が鳴ることになります。これが電気信号によって音を鳴らすことができるメカニズムです。

ここまででわかるように、音はサイン波で表現できます。従って音は電気信号で再現できます。この信号を作るためには、単純に電気信号として電圧値を時間的に変化させるアナログ信号と、PWM信号を用いる方法があります。アナログ信号は、振幅と周波数によってスピーカを制御します。PWM信号はパルス幅を制御してアナログ信号を再現させてスピーカを制御します。

電気信号で音が鳴るメカニズム

アナログ信号

アナログ信号の大きな特徴に『連続性を持つ』ことがあげられます。わかりやすく言い換えると、中間の値が無限に存在し、グラフにすると一本の滑らかな線でつながる信号です。実は私たちの身の回りはアナログ信号であふれています。音もそのうちの一つです。この音信号と同じ波形のアナログの電気信号をスピーカに流すことで、スピーカで音を鳴らすことができます。

アナログ信号

PWM信号

PWM(Pulse Width Modulation)とは、パルス幅を変えることで、スピーカにかけるエネルギーを変化させて音を鳴らす信号です。

パルスとは短時間に急峻な変化をする信号の総称で、デジタル信号も含まれます。パルス幅は“H”パルス幅と“L”パルス幅があり、それらの合計をパルス周期といいます。
PWMの最も重要なパラメータとしてデューティ比というものがあり、“H”パルス幅/パルス周期で得られます。
このデューティ比を細かく調整することにより、スピーカなどを細かく制御することができます。

PWMとは、パルス幅を変化させた信号

PWM信号で音が鳴る理由

デジタル信号のPWM信号をスピーカに入力して、音が鳴る理由は、PWM信号のパルスのデューティ比によってアナログ信号を再現しているからです。デジタル信号はアナログ信号ではないですが、デューティ比によってアナログ要素を作り出しています。PWM信号の生成は、元のアナログ信号をサンプリングし、サンプリングした波形の振幅に比例したデューティ比を持つパルスを作ることです。そのため、PWMをローパスフィルタに通すと、アナログ信号になります。

PWM信号で音が鳴る理由

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