ピエゾ(圧電素子)とは?
ピエゾとは?
ピエゾとは圧電素子( Piezoelectric Element , Piezoelectric Device )のことで、圧電素子は、力(圧力)を加えることで電圧を発生(圧電効果)したり、逆に電圧を加えることで変形(逆圧電効果)したりするデバイスのことをいいます。
圧電素子には、圧電効果をもった圧電材料が使われています。力が加わると(+)プラスイオン、(ー)マイナスイオンの位置が動き、(+)と(ー)電荷の偏り(電気分極)が生じることで、電圧が発生します。
この圧電効果を利用した主な用途はセンサで、逆圧電効果を利用したものはアクチュエータです。
ピエゾ材料の種類
ピエゾ(圧電)材料を大きく分類すると、単結晶,セラミックス,薄膜などに分類されます。
ロームではチタン酸ジルコン酸亜鉛(PZT)を使用した薄膜ピエゾを取り扱っています。
PZTは元素記号(PbZrxTi1-xO3)(0<x<1)の頭文字からきており、圧電性能が非常に高く、圧電デバイスの主役とも言える材料です。
薄膜ピエゾとバルクピエゾ
大まかに、厚さが数μm程度のものを薄膜ピエゾ(圧電薄膜)、数十μm以上のものをバルクピエゾ(厚膜ピエゾ)といいます。
薄膜ピエゾを利用することで、デバイスの小型化、集積化、高精度化、低消費電力化が可能になります。
薄膜PZTの成膜方法
薄膜PZTを成膜するにはゾルゲル法、スパッタ法、MOCVD法などがあります。それぞれの特長を以下の表にまとめます。
ゾルゲル法 | スパッタ法 | MOCVD法 | |
---|---|---|---|
ゾル状態の液体を、基板に塗布、加熱、焼成することで成膜させる。目的の膜厚を得るためには、基本的に上記のサイクルを複数回行うことが必要。 | 高エネルギーのArイオンをターゲットに衝突させ、衝撃で出てきたターゲットの物質を基板に付着させ、成膜させる。 | 有機金属原料をチャンバー内に入れて、化学反応により成膜を行う。原子層オーダーでの膜厚制御が可能。 | |
圧電性能 | ◎ | ◎ | ? |
スループット | △ | 〇 | × |
信頼性 | ◎ | △ | 〇 |
均一性 | ◎ | 〇 | 〇 |
分極安定性 | △ | 〇 | △ |
費用 | △ | △ | △ |
用途 | Actuator (1~3μm) |
Actuator or Sensor (1~5μm) |
FeRAM (<100nm) |
ロームの薄膜ピエゾMEMSファウンドリは、所有する最先端の薄膜ピエゾおよびLSI微細加工技術と豊富な量産実績を融合させることで、小型,省エネ,高性能な製品の実現を試作,開発から量産までをトータルサポートします。
次ページは、 ピエゾに関連する用語について 簡単にまとめています。