MOSFETの特性
MOSFETの寄生容量と温度特性について
MOSFETの静電容量について
パワーMOSFETには構造上、図1のような寄生容量が存在します。
MOSFETのG(ゲート)端子と他の電極間は酸化膜で絶縁されており、DS(ドレイン・ソース)間にはPN接合が形成されており、ダイオードが内蔵された構造になっています。Cgs, Cgdは酸化膜の静電容量により、Cdsは内蔵ダイオードの接合容量により容量が決まります。
一般的にMOSFETの仕様書に記載されているのは表1にあるCiss/Coss/Crssの三種類です。
記号 | 数式 | 意味 |
Ciss | Cgs+Cgd | 入力容量 |
Coss | Cds+Cgd | 出力容量 |
Crss | Cgd | 帰環容量 |
容量特性は図2に示すようにDS (ドレイン・ソース) 間電圧VDSに対する依存性があります。VDSを大きくすると容量値は小さくなる傾向があります。
温度特性
実測例を図3(1)~(3)に示します。
容量特性の温度依存性についてはほとんど差はありません。
MOSFETのスイッチングとその温度特性について
MOSFETのスイッチングタイムについて
MOSFETはゲート電圧をON・OFFしてから遅れてMOSFETがON・OFFします。
この遅れ時間がスイッチングタイムです。
スイッチングタイムには表1に示すような種類があり、一般的にtd(on)/ tr/ td(off)/ tfが仕様書に記載されています。
ROHMでは図2の回路での測定値より仕様書のtyp.値を決定しています。
温度特性
実測例を図3(1)~(4)に示します。
温度上昇とともにスイッチングタイムはわずかに増加する傾向がありますが、
100°C上昇時で1割程度の増加であり、スイッチング特性の温度依存性はほとんどありません。
MOSFETのVGS(th)(しきい値)について
MOSFETのVGS(th)について
MOSFETをONさせる際、GS(ゲート・ソース)間に必要な電圧をVGS(th)(しきい値)といいいます。
つまり、しきい値以上の電圧を印加していればMOSFETはONした状態になります。
では、MOSFETがONした状態というのは、電流が何A流せるときなのか?というと、各素子ごとに仕様書の電気的特性欄に記載されています。
表1に仕様書の電気的特性欄の例を示します。この場合、VDS=10Vを印加している際に、IDを1mA流すために必要なゲートしきい値電圧VGS(th)は1.0V~2.5Vである。ということです。
表1:仕様書の電気特性欄
ID-VGS特性と温度特性
ID-VGS特性としきい値温度特性の実測例を図1,2に示します。
図1のように、多くの電流を流すためには大きいゲート電圧が必要となります。
表1に記載されている機種は、仕様書上のしきい値は2.5V以下ですが、4V駆動品となっております。
十分にONするゲート電圧を印加して使用してください。
図2のように、温度に比例してしきい値は低下します。
しきい値電圧の変化を見ることで、素子のチャネル温度を計算することもできます。