チップ抵抗器使用上の注意抵抗温度係数に影響を及ぼす要因①
要因① センシングラインの引き出し位置
シャント抵抗器の抵抗値は数十μΩ~数百mΩ台と低いのが一般的です。
このような低抵抗での電圧測定の場合、4端子法によるケルビン接続にする必要があります。
但し、(図1)のようにセンシングラインをシャント抵抗器のパッドの外側にレイアウトしてしまうと、配線の銅箔やはんだの抵抗成分を含んでしまうため正確な測定ができません。
また、配線の銅箔の抵抗温度係数は 3900ppm/K 程度あり、シャント抵抗固有の値より大幅に大きくなります。
抵抗温度係数の観点からも銅箔の影響を小さくするために、センシングラインは(図2~4)のようにシャント抵抗器のパッド内にレイアウトしなければなりません。
例として GMR50シリーズ の抵抗値毎の各センシングラインでの抵抗温度係数(20℃→125℃)の比較を下記に示します。
(図2~4)では大きな差は見られませんが、(図1)では大幅に抵抗温度係数が高くなる事がわかります。
ROHMのデータシートに記載している抵抗温度係数は、一般的にセンシングラインをパッドの中央部にレイアウトした基板(図4)での測定結果によるものとなります。
![図1](/documents/11401/11420443/img_03.png/9c94f682-b3ca-023e-5b64-cc54bacc60d7?t=1679559172167)
・パッドの外側にセンシングラインをレイアウト
![図2](/documents/11401/11469310/img04_02.png/f181982f-2188-4537-30f7-e77d97a9aaef?t=1681187797423)
・パッド下部の中央部にセンシングラインをレイアウト
![図3](/documents/11401/11469310/img05_01.png/3b0bbda3-307e-3629-231c-4ec53cc57db6?t=1681187798100)
・パッド下部の端部にセンシングラインをレイアウト
![図4](/documents/11401/11420443/img_06.png/7186b91a-2c36-a6af-ace5-b9386f47c282?t=1677032179213)
・パッド間の製品中央部にセンシングラインをレイアウト
4端子の場合の一般的な測定方法