音声合成LSIとは?
音声合成LSIとは?
音声合成LSIとは、あらかじめ録音あるいは作成された音データを基に音に変換してその音を再生するLSIです。簡単に言えば音を鳴らすためのLSIです。音声合成とは、人の声や音を人工的に合成して作り出すことを意味しています。
最近の家電や自動車、住宅設備など、様々な音が鳴ったりメロディが流れたり、話したりします。これらに音声合成LSIが入っている場合があります。
音は、人とモノをつなげるインタフェースの一つとして考えれば、音声合成LSIは人とモノを音でつなげることを実現するためのLSIといえます。
音声合成LSIが使用されるアプリケーション
音声合成LSIが使われているところは、一例をあげると、電子レンジです。調理が終了したことを知らせるために音声で知らせたり、メロディが流れたりします。
その他、音声で使い方を教えてくれる音声案内などのインフラ、火災報知器などの警報機、給湯器などの住宅設備、リフトカーやエレベータなど産業機器、自動車などに入っています。
音声合成LSIはあらゆるところで使われています。
音声合成LSIを使うメリット(部品の削減)
音を鳴らすためには、音データを生成する部品と、音を再生する部品であるスピーカアンプ、そしてスピーカが必要になります。
音声合成LSIは、この音データを生成する部品とスピーカアンプが一つのLSIに入っているものがほとんどです。そのため、部品点数を削減することができます。
音声合成LSIを使うメリット(メインマイコンのCPUにかかる負担の軽減)
家電や住宅設備など、様々なアプリケーションに内蔵されるメインマイコンを使って音を鳴らすことも可能です。しかしながら、音を鳴らすためにはそれなりにCPUのリソースが必要になります。そのため、メインマイコンに音を鳴らす処理をさせる場合、音を鳴らしている間はマイコンが動けないことや、あるいはタイミングよく音が鳴らせないことが生じる懸念があります。そこで、音声合成LSIを使用すれば、音を鳴らすための回路が音声合成LSIには入っているので、メインマイコンからの命令は最小限になります。そのため、メインマイコンのCPUにかかる負担を軽減できます。
音声合成LSIを使うメリット(開発工数の削減)
メインマイコンから指示を出して、サブマイコンで音を鳴らすという方法もあります。この場合でも確かにメインマイコンのCPUにかかる負担を軽減できます。しかしながら、サブマイコンのソフトウェア開発に工数が必要です。その点、そのまま使える音声合成LSIを使用すれば工数の削減が可能になります。