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マイコンとは?

マイコンとは?

マイコンとは、最近のほとんどの冷蔵庫や洗濯機など電気機器に組み込まれた、その電気機器を制御するための電子部品です。簡単に言えば電気機器を制御するための小さなコンピュータです。マイクロコントローラやMCU(Micro Controller Unit)、マイクロコンピュータとも呼ばれています。

マイコンが入った炊飯器(マイコン炊飯器)は、ボタンを押すとご飯を炊き始めます。実は、「ボタンを押すという入力を受けて、ご飯を炊き始めるという出力をする」という動作をしているのがマイコンです。

マイコンは、電気機器を制御するための小さなコンピュータ

マイコンの用途

マイコンは、最近のほとんどの電子機器に組み込まれています。一例をあげると冷蔵庫や洗濯機、炊飯器、電子レンジ、掃除機などの家庭用電気機械器具、いわゆる家電を制御するために使われています。他にも、ロボットやロガーなどの産業機器、体温計や時計、温水便座にも使われています。このように私たちの身の回りのほとんどの電子機器を制御するために使われており、今や必要不可欠といっても過言ではありません。

マイコンは、最近のほとんどの電気機器に組み込まれている

マイコンが作られた歴史

マイコンは電気機器の小型化と設計時間の短縮化を求める末に誕生しました。1960年代まで、電気機器の制御回路は一個一個のトランジスタ素子で作られていました。トランジスタについて簡単に説明すると、トランジスタは半導体の一種で、主にスイッチとして用いられます。また、トランジスタを使うことで、増幅回路や論理回路、演算回路などができるので制御回路を作り出すことができました。制御回路を使うことにより、ボタンを押せば電気機器を制御できるような仕組みも作れました。しかし、回路が大きいといった問題も抱えていました。

マイコンは、電気機器の小型化と設計期間の短縮化を突き詰めた末、開発された

1960年代後半、そのトランジスタを集積化したICが登場しました。このICを用いることで、制御回路の小型化も期待されつつありました。一方、このころには、すでに多くの電気機器が普及し始めていました。それら電気機器に用いられる制御回路やICはそれぞれの電気機器に合わせて設計されていました。しかし、制御回路やICの開発・設計にはすごく時間と費用がかかるという問題がありました。

マイコンは、電気機器の小型化と設計期間の短縮化を突き詰めた末、開発された

そこで、1970年代にソフトウェアによって動作変更できるマイコンが誕生しました。普及するのにはそれなりに時間がかかりましたが、マイコンはソフトウェアで動作変更できるというすばらしい特長を持っていました。そのためICを作り直す部分は最小限になり、制御回路やICの開発・設計にかかる時間は短縮化されました。このようにして誕生したマイコンにより、私たちの身の回りにある様々な電気機器が制御され、今の私たちの生活を豊かにしています。

マイコンは、電気機器の小型化と設計期間の短縮化を突き詰めた末、開発された

マイコンを使うメリット

マイコンを使うメリットは、小型化と多機能化が両立でき、さらにさまざまな用途に対応できるからです。

電子部品を超小型にして集積化⇒機器の小型化が可能

小型化でより多くの機能を搭載⇒多機能化が可能

ソフトウェアで動作が変更⇒さまざまなアプリに対応可能

小型化
マイコンは、多数の抵抗やコンデンサ、トランジスタなどの電子部品を超小型にして集積化したLSI(Large-Scale Integrated circuit)です。以前は多数の電子部品を用いて機器が作られていたため、電子回路部分が巨大化していました。マイコンを用いることで、それら電子回路部分を集積化できるため、機器の小型化につながりました。
多機能化
部品の集積化により、さらに多くの部品を詰め込むことができます。以前は、機能の追加は機器を巨大化させていました。マイコンを用いることで、機器に多くの機能を詰め込むことができるようになり、多機能化や高性能化にもつながりました。
さまざまな用途に柔軟に対応
またマイコンはソフトウェアによって動作を変更できる特長があります。以前は、動作変更のためにはLSIを作り直す必要があり、多く時間が必要でした。マイコンを用いることで柔軟に処理を変更できるため、制御回路やICの設計・開発にかかる時間を短期化することができ、色々な用途に対応できるようになりました。
マイコンが作られた歴史でも触れましたが、小型化と様々な用途に対応できるため、現在のいろいろな電気機器に使われています。

冷蔵庫を例にしたマイコンの働き

マイコンの動きを冷蔵庫を例にして見てみましょう。
冷蔵庫の特徴を3つあげるとすると、下記になります。
①冷蔵庫内の温度を一定に保つ
②冷蔵庫を開くと冷蔵庫内ライトを点灯
③冷蔵庫を60秒間開けっ放しにするとブザーが鳴る
マイコンは、この3つを実現するための司令塔として働きます。
①のためには、冷蔵庫内の温度を測定し温度が高ければコンプレッサーを動作させ、冷蔵庫内の温度を冷やす必要があります。冷蔵庫内の温度がある温度まで下がったらコンプレッサーを停止させる必要があります。
②は、扉の開閉でON-OFFするスイッチから扉を開いたことを検出してライトをつける必要があります。
③は、冷蔵庫が開かれた時間を測定し、60秒後にブザーを鳴らす必要があります。
これら冷蔵庫の温度管理やライトの点灯、ブザーを鳴らすために常に人が張りつくわけにはいけません。そこでこれら冷蔵庫の温度管理などをしているのがマイコンです。

冷蔵庫でのマイコンの働きは、温度管理やライトの点灯をしている

マイコンの中身

マイコンはどんな構成をしているでしょうか。
マイコンは、電気機器の押しボタンなど外部からの信号を受け取る入力部・情報を処理する処理部・ヒーターやモーターなど外部に信号を出力する出力部から構成されます。マイコンの動作は、たとえば図のように、押しボタンやセンサ入力を受けて、内部で処理をし、ヒーターの制御信号やモーターの制御信号を出力します。
そして、処理自体をソフトウェアによって柔軟に変更できるという特徴も持っています。

マイコンは、電気機器を制御するための電子部品

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