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A/Dコンバータ

A/Dコンバータとは

A/Dコンバータ(Analog-Digital Converter)とは、アナログ電圧をデジタル信号に変換する回路です。たとえば温度上昇を検出してファンを回すような処理をマイコンにさせたい場合、温度を一旦マイコンに取り込む必要があります。しかし、私たちの身の回りの信号はほとんどがアナログ信号です。一方マイコンが扱える信号はデジタル信号です。そこで、それらアナログ信号をマイコンに取り込みデジタル信号に変換する時にA/Dコンバータが用いられます。

A/Dコンバータとはアナログ信号をデジタル信号に変換する回路

アナログ信号がとりうる範囲は無限にあります。そのアナログ信号をデジタル信号に変換する際、重要になる要素があります。それはどこからどこまでアナログ信号をデジタル信号に変換するかを決める基準と、何分割にして変換するかを決める分解能です。
基準とは、正のリファレンス電圧(+VREF電圧)と負のリファレンス電圧(-VREF電圧)があり、A/Dコンバータはその範囲内でのアナログ入力が可能です。一般的なマイコンに搭載されたA/Dコンバータは、ーVREF電圧=0Vが多いと思います。ですので、以下0~VREF電圧の範囲で記します。
分解能とはA/D変換時にどこまでアナログ信号を滑らかに識別できるか?を表す能力です。分解能が10ビットでは2^10=1024、すなわちVREF電圧を1024つに分解したアナログ信号を識別することができます。ここで最小分解能幅VREF電圧/1024を1LSBといいます。
この分解能は8bitや10bit、12bit、16bitなどがあり、この数字が大きいほどアナログ信号を滑らかに識別することができます。この分解能は、出力するデジタル信号の本数で決まります。たとえば8bitA/Dコンバータの場合、出力するデジタル信号が8本です。そしてVREF電圧が2の8乗の256分割されます。

A/Dの分解能が多いほどアナログ信号を滑らかにデジタル信号に変換できる

逐次比較型A/Dコンバータの原理

マイコンに最も使用されるA/Dコンバータである逐次比較型A/Dコンバータの原理について説明します。
アナログ信号をデジタル信号に変換する際、入力されたアナログ信号が、ある基準より大きいか小さいかの比較を繰り返します。ある基準を生成する回路に抵抗ラダーを用いた場合を考えてみます。
図の回路で、仮にVin電圧に1/4VREF電圧が入力された場合を考えてみてください。基準として抵抗ラダーの1/2VREF電圧を使用すると、比較回路には1/4VREF電圧と1/2VREF電圧が入力されることになります。これは1/4VREF電圧と1/2VREF電圧のどちらが大きいかを比較することを意味しており、当然のように1/2VREF電圧の方が大きいという結果になります。Vin電圧が基準に比べ小さい場合の比較回路は0を出力するとしますと、ここでの比較回路は0を出力します。これでアナログ信号1/4VREF電圧をデジタル信号0に変換したことになるので、1bitのA/D変換されたことを意味します。
これは本質的に、Vin電圧が1/2VREF電圧より上にあるか、1/2VREF電圧より下にあるかを確認したことになります。

逐次比較型A/Dコンバータの原理

ではさらに細かく、3bitA/D変換を考えてみます。下図においてVin電圧に9/16VREF電圧が入力された場合を考えてみます。
まず、中間値の値4/8VREF電圧と9/16VREF電圧を比較します。その結果、9/16VREF電圧の方が大きいという結果となります。したがって比較回路の出力は1が出力されます。

逐次比較型A/Dコンバータの原理

この結果は本質的に9/16VREF電圧は4/8VREF電圧よりも上にあることを示します。したがって、Vin電圧がある範囲を絞ることができました。

逐次比較型A/Dコンバータの原理

次は6/8VREF電圧と9/16VREF電圧を比較します。その結果、6/8VREF電圧の方が大きいという結果となり、比較回路の出力は0が出力されます。
9/16VREF電圧は6/8VREF電圧よりも小さいことがわかり、さらにVin電圧がある範囲を絞ることができました。

逐次比較型A/Dコンバータの原理

最後に5/8VREF電圧と9/16VREF電圧を比較します。その結果、5/8VREF電圧の方が大きいという結果となり、比較回路の出力は0が出力されます。
これは、アナログ信号9/16VREF電圧をデジタル信号に変換すると100となることを意味しており、3bitA/D変換されたことを意味しています。

逐次比較型A/Dコンバータの原理

この動作を模式的に記載すると下図のようになり、徐々に一回一回逐次的にコンパレータで比較しVin電圧が存在すると思われる範囲を絞っていきます。
このように逐次的に比較するタイプのA/Dを逐次比較型A/Dコンバータといいます。

逐次比較型A/Dコンバータの原理

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