ロームの強み
ロームの強み
ロームは、創業以来60年以上にわたり、商品を通じて文化の進歩向上に貢献することを使命としてきました。そこで培われたのは、「顧客志向」と「尖った技術」です。
顧客の要望を吸収し、真に必要とされるソリューション提案を迅速に行うとともに、常識にとらわれない”開発力”と”ものづくり力”を掛け合わせることで市場や顧客のニーズに応えています。
これらを支えるのが、「IDM」、「すり合わせ技術」、「パワーアナログ技術」です。
創業以来培ってきたロームの強みを進化/深化させ、これからも成長を続けてまいります。
Voice 社員の声
「顧客志向」がビジネスの成長のカギ。お客様との密な信頼関係が革新的な製品につながる
私はROHM Semiconductor Taiwan Co., Ltd.の自動車部門のセールス・マネージャーとして、台湾のお客様向けにローム製品の提案・販売を行っています。営業の最前線に立つ私にとって、日々お客様の声に耳を傾けることは何よりも重要です。先日、ロームの製造する部品が、量産されていて多くの実績があるにもかかわらず、特定のモデルには適合しないというケースがありました。そこで、お客様固有の設計を考慮し、回路やレイアウト面のアドバイスなど柔軟で的確なソリューションを提供し、無事に製品発売へと導きました。
お客様は私たちの成長の原動力でもあります。お客様の既存のニーズを理解し、新たなニーズを予測することがビジネスの成長のカギとなります。こうした「顧客志向」の姿勢は、お客様との信頼関係の構築や、ブランドロイヤリティの確立にもつながります。
自動車業界において、安全性は最も重要な使命です。台湾の自動車業界のお客様に対し、私はいつも「ロームは常に品質を第一としている」と自信を持って言えます。ロームの最先端半導体技術を通じて、お客様に最も革新的な製品を提供することで、環境への配慮と自動車の利便性・安全性の向上に貢献できると信じています。そして、世界中でロームの製品を装備した自動車がますます多く道路を走ることを願っています。
量子技術によるDX推進で、製造工程のさまざまな課題を解決し効率的な生産体制へ
私は、デジタル技術の活用によるグループ全体の生産性向上に取り組んでいます。半導体ウエハ製造工程では、複雑な制約と長いリードタイムが課題です。そこで現在、Quanmatic社と連携し、量子技術による生産スケジューリング最適化に挑戦しています。これは現場のノウハウを数理モデル化し、属人的だった生産計画立案の自動化を進めることで、仕掛品の削減やリードタイム短縮を図る取り組みです。また、飽和仕掛ロット数※の算出と組み合わせることで、仕掛ロット数を最小限に抑えた、IDMの強みを最大限発揮した生産体制の構築を目指しています。実証実験では、ロット位置の把握や情報伝達の課題もありましたが、棚に敷設したモニタの活用などにより、装置稼働率を維持した運用が可能であることが確認できました。
今後は、この量子技術を前工程だけでなく後工程も含めたトータルソリューションへと発展させ、世界各国の工場をデジタル上で再現することで、設備投資の最適化やボトルネックの可視化などへの応用を目指します。さらに、デジタル技術と業務部門の知識を兼ね備えたDX人財の育成にも力を入れ、企業価値の向上に貢献していきたいと考えています。
※これ以上仕掛ロット数を増やしても生産数量の向上につながらないロット数
お客様の喜びとグローバルな社会課題解決をかなえる、ロームの「すり合わせ技術」
私は、センサ素子などの微小な信号処理を担うAFE(Analog Front End)製品のプロダクトマーケティングを担当しています。
お客様との密なコミュニケーションを通じて潜在的な課題を掘り起こし、その課題を解決できる製品仕様やソリューションを提案しながら製品企画の立案を行っています。あるお客様のもとでは、製品の出力仕様ごとに基板を変更しなければならず、評価や認証作業に2倍の手間がかかって困っていると相談がありました。そこでロームのアナログ技術とプロセス技術をすり合わせ、異なる製品仕様でも共通の回路で対応可能な基板設計を提案。お客様との打ち合わせを繰り返しながら製品化に成功しました。結果、お客様の業務負担の軽減だけでなく、製品在庫の半減という効果にもつながり、大変喜んでいただけたことが印象的でした。このように、お客様の抱える問題と当社の持つ技術をすり合わせ、新しい価値を創出できる開発力がロームの大きな強みと考えています。
今後は、小型化と高機能化、省エネと大電力の両立など、相反するニーズへの対応が求められます。こうした社会の要請にこたえるべく、SiCをはじめとする次世代パワーデバイスなども含めたソリューションで提案していきたいと考えています。そして、ロームの「すり合わせ技術」を活用した付加価値の高い製品開発を行い、グローバルな社会課題の解決に貢献していきます。
パワーとアナログの技術を駆使し、顧客ニーズをかなえるソリューション提案に挑戦
私は、車載や産業機器など幅広い分野で主に電流検出に使用されるシャント抵抗器の開発を担当しています。私が手がける製品は業界最高スペックを誇っており、更なる性能向上とラインアップの拡充に向けた技術開発に取り組んでいます。
ロームの抵抗器は、汎用・高信頼性など多様なラインアップを持つ厚膜抵抗による「アナログ技術」と、高電力対応のシャント抵抗による「パワー技術」の両方を備えており、幅広い顧客ニーズにこたえられる点が強みです。中国・台湾・韓国などアジアメーカーの台頭により価格競争が激化するなかでも、ロームは業界最高スペック製品に注力し、パワーとアナログの技術を駆使したソリューション提案で業界をリードしていこうとしています。
ロームは抵抗器メーカーとして創業し、その技術基盤をもとにLSIやパワーデバイスなどへ事業を拡大してきました。
今後は、これらの技術を組み合わせた高付加価値製品の提案を通じて、更なる成長に貢献したいと考えています。また、お客様の回路設計まで考慮した踏み込んだ提案が求められるなか、製品単体ではなくモジュールなどアプリケーションレベルでの提案が重要です。その実現に向け、シャント抵抗と他デバイスを組み合わせた新たなモジュール開発にも挑戦していきたいと考えています。
※本インタビューは、ROHM Group Integrated Report 2025に掲載されたものです。
ロームがフォーカスする「パワー」「アナログ」技術
- パワー
- 従来のSi(シリコン)半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイス。省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、ロームは世界に先駆けSiC製品の開発とラインナップの強化を進めていきます。
- アナログ
- IoTやAI(人工知能)を駆使したデータ活用、自動運転の拡大など、電子機器は今後も飛躍的に増大し、それらに使用されるアナログ半導体のさらなる高性能化、省エネ・小型化が期待されています。ロームは長年培ってきた高い要素技術・すり合わせ技術により、顧客のニーズに応えていきます。

