幅広い商品群
受動部品からIC、パワーデバイスに至る幅広い総合提案力
本記事は、ROHM Group Integrated Report 2024に掲載されたものです。
小型抵抗器の専業メーカーとして創業以来、ロームは常にユニークな商品の開発に努めてきました。抵抗器の高品質・高信頼性が認められ、着実に売り上げを伸ばしていた1960年代、ロームはICへの挑戦を決断します。しかし、日本にはエンジニアはおろか、文献すら少ない状況。当時、まだ小規模な企業にすぎなかったロームにとって無謀な挑戦でした。それを可能にし、画期的なICを開発できるまでに至ったのは、「いかなる逆境においても積極的に活路を見出す」という、創業者から受け継いだチャレンジ精神です。
大きな目標に挑戦する過程で、ダイオード、トランジスタ、LEDといった商品が次々に生まれていきます。その後も光デバイスやモジュールに事業領域を拡大し、近年ではSiCをはじめとするパワーデバイス分野にも注力しています。市場や顧客のニーズにこたえるために挑戦を続けた結果、商品の領域も広がり、顧客の課題解決につながる総合提案が可能となっています。
ロームの事業
Voice 社員の声
さまざまな商品を組み合わせた回路を新技術として設計できる強みを生かし提案力を強化
私の業務はField Application Engineer(FAE*)として、お客様向けに技術サポートやアプリケーションの提案を行うことです。具体的には、ロームの商品を使った回路提案を実施し、アプリケーション軸でサポートするほか、デバイスのアプリケーション評価、お客様対応、評価基板設計、セット設計などを行います。営業や事業部のエンジニアと共にお客様への訪問を行い、お客様の評価で起きる問題を解決しています。例えば、SiからSiCへ置き換えたとき、高速なスイッチングが可能となる半面、サージなどによってSiCが使えなくなる場合があります。ロームなら、SiもSiCも扱っているからこそ、それぞれの特長を捉えてお客様に合った商品を提案できます。ロームのLSI、汎用デバイスと組み合わせた回路をお客様に提案し、SiCのサージを抑え、採用につなげることができました。新しい技術に挑戦できる企業風土は、ローム特有のものと考えています。さまざまな商品を組み合わせた回路を新技術として設計することができ、それをお客様への提案などに取り入れることができます。その強みを社会課題の解決に生かすには、お客様が本当に必要としている商品を開発することです。ロームに不足している機能、特性をお客様から聞き、事業部にフィードバックして次世代の開発につなげていきたいと考えています。
*FAE:Field Application Engineerの略。開発部門には紐づかず、顧客あるいは地域に紐付いて商品の売り込みに責任を持つ職種。顧客への商品、各種アプリケーションへ技術サポートを行うエンジニア。