半導体素子
事業
パワーデバイス
第5世代SiC MOSFET開発とモールドモジュールのデファクト化により、「パワーデバイスといえば、ローム」を目指す
半導体として想起されるCPUやメモリが「頭脳」に例えられるのに対し、パワーデバイスは「筋肉」に例えられ、日常生活のあらゆる局面で行われる電力変換の効率向上に貢献しています。
ロームには多様な商品ラインアップがあります。Siを材料とするIGBT、SJMOS、パワートランジスタ、パワーダイオードなどに加え、SiCを材料とするSBDやMOSFETにも注力しています。GaNを材料とするHEMTも量産開始しました。それらを含む複数のデバイスを搭載したIPMやパワーモジュールもあります。
お客様が扱う電力、周波数、システムコストなどにより最適なパワーデバイスは異なります。ロームが後発でありながらシェアを拡大できているのは、アプリケーション視点を持ち、お客様のトポロジー(回路構成)に応じて、最適なデバイスの組み合わせと動作条件を提案できるためです。システムソリューションエンジニアリング本部と世界中のテクニカルセンターに在籍するFAEと連携し、お客様の課題を解決しています。
SiCパワーデバイス市場は、約70%を占めるようになるといわれるxEVの主機インバータ市況に左右されつつも、成長し続けています。この市場で勝つには顧客サポートやコスト競争力だけでなく、技術でリードし続けることが肝要です。第5世代のMOSFETは2025年度に量産を開始します。モールドモジュールTRCDRIVEpackTMは電力密度向上と組み付けの容易さが、お客様にとっての価値です。半導体素子と同じように生産できるという量産性の高さも強みであり、デファクトスタンダードを狙っています。
セグメント別売上高
2024年 3月期
-
■半導体素子
- 2,019億円
- 43.2%
- ■LSI 2,072億円 44.3%
- ■モジュール 329億円 7.0%
- ■その他 257億円 5.5%
売上
4,677億円
用途別売上構成比
2024年 3月期
-
自動車
54.3%
-
産業機器
21.9%
-
民生機器
13.3%
-
通信
2.4%
-
コンピュータ&ストレージ
8.1%
半導体素子売上高
2,019億円
ロームのポジショニング(2023年)
世界パワーデバイス市場
- 市場規模
- 30,026百万ドル
パワートランジスタ
- 市場規模
- 25,713百万ドル
パワーダイオード
- 市場規模
- 4,313百万ドル
Source:Competitive Landscaping Tool CLT, Annual 2Q24
注力製品
TOPICS|
持続可能な社会の実現に向けて
2in1 SiCモールドタイプ新型モジュールを開発
TRCDRIVE pack™は、高い電力密度、独自の端子配置といった特長を備えており、トラクションインバータに要求される小型化、高効率化、工数削減など、主要な課題の解決に貢献します。本モジュールは、放熱面積を最大化するローム独自の構造を採用し、最新のSiC MOSFETを搭載したことにより、一般品と比べて1.5倍となる業界トップクラスの電力密度を実現しました。また、プレスフィットピンを用いた制御用信号端子をモジュール上面に備えていることから(ゲートドライバ基板を上面からプレスするだけで接続可能であり)、実装工数の削減に貢献します。主電流配線における電流経路の最大化と配線の2層構造による低インダクタンス(5.7nH)化も実現しており、スイッチング時の低損失化に寄与します。なお、モジュールでありながらディスクリート製品のような大量生産体制を確立しているため、一般的なSiCケースタイプモジュールの従来品と比べて生産能力は約30倍向上しています。