LSI事業
技術強化と収益性の改善で再成長を実現
現在注力しているのは、AIサーバー向けのソリューション分野です。協業を含めた迅速な製品展開に取り組んでおり、LSIとパワーデバイスを組み合わせることで、高電圧から低電圧まで幅広い領域に対応したソリューションを提供しています。パワーマネジメントやモータドライバなどの用途において、確かな技術力を発揮するためには、商品開発だけでなく、システム・アプリケーション技術の強化が不可欠です。外部との連携も積極的に活用し、スピード感を持って実行していきます。
ロームの強みは、電源やモータ向けのICに加え、SiC、Si-MOSFET、Si-IGBT、GaN-HEMTなど多彩なパワーデバイスを保有している点です。もちろんLSI単体でも高い付加価値を持つ製品群を揃えることは重要ですが、自社のパワーデバイスと組み合わせてソリューションとして最適化したLSIを開発することにより、お客様への提供価値をより一層高めることが可能です。ソリューションとして相互に協調して開発されたLSIやパワーデバイスは、お客様にとっての使いやすさや、システム性能の向上を追求しているため、競合他社には容易に真似できないトータルとしての付加価値を提供できます。
セグメント別売上高
2025年 3月期
-
■LSI
- 2,038億円
- 45%
- ■半導体素子 1,870億円 42%
- ■モジュール 325億円 7%
- ■その他 250億円 6%
売上
4,484億円
用途別売上構成比
2025年 3月期
-
自動車
49%
-
産業機器
10%
-
民生機器
28%
-
通信
4%
-
コンピュータ&ストレージ
11%
LSI売上高
2,038億円
ロームのポジショニング(2024年)
世界アナログ IC 市場
- 市場規模
- 79,703百万ドル
自動車向けアナログ ASSP/
アナログ ASIC
- 市場規模
- 13,429百万ドル
産業機器向け他 ASSP/
アナログ ASIC
- 市場規模
- 4,276百万ドル
Source:Competitive Landscaping Tool CLT, Annual 2Q24
注力製品
パワーマネジメント/電源IC(PMIC)
さまざまな用途、仕様に合わせ、各種アプリケーションに特化した多様なシステム電源をラインアップ。民生機器をはじめ自動車のECUごとに各種PMICの商品を展開
Column|
価値創造事例
AI機能搭載マイコンで予兆検知を容易に、設備の安定稼働に貢献
近年、設備や機器の効率的な運用が求められるなか、AIによる故障予兆検知やメンテナンス効率の向上が重要なテーマとなっています。一方で、一般的なAI処理モデルではネットワーク接続や高性能CPUなどが必要なため、コストや設置環境が課題でした。こうした課題に対し、2025年3月より、ネットワーク不要で学習と推論をマイコン単体で実現する業界初※1のAI機能搭載マイコンを開発しました。この製品は独自技術のAIアクセラレータ※2により、従来のソフトウェア方式(条件:12 MHz駆動時での理論値)を採用したローム製マイコンと比較して、1,000倍の高速AI処理を実現し、設置環境や機器ごとのばらつきにも柔軟に対応可能です。また、導入前に効果を確認できるシミュレーションツール「Solist-AITMSim」をWeb上で提供し、パートナー企業と連携したエコシステムによるモデル開発・導入支援体制も整備しています。このように、ロームは、AI機能搭載マイコンにより、機器が故障する前に予兆を検知し、メンテナンスコストやラインストップリスクを低減することで、設備や機器の安定稼働と更なる効率化に貢献します。
- ※1. 2025年3月18日現在 マイコン製品でローム調べ
- ※2. AIの機能を実現する際、ソフトウェアによってプロセッサ(CPU)に処理させるところを、ハードウェアの処理にすることで処理速度を向上させる専用ハードウェア。
