半導体素子
事業
汎用デバイス
小型化と高生産性技術を駆使し、日系自動車市場でのシェア確保と海外市場への拡大を目指す
ロームの汎用デバイス事業は、創業初期から50年以上続いており、長年にわたりトップレベルのシェアを維持し、競争力のある堅実なビジネスとなっています。その理由として、SBD、TVS、バイポーラトランジスタ、MOSFET、FRD、RECといった包括的な商品ポートフォリオ、小型化と高生産性技術で市場をリードしていること、高い品質とサービスを要求される日系自動車市場において圧倒的なシェアを確保していること、IDMによる柔軟な生産能力増強などが強みになっているからと考えています。
中期経営計画に基づいた取り組みでは、高効率生産ラインの増強により、旧ラインからの切り替えを実現し、目標達成に向けた生産能力を確保しました。さらに、フレキシブルラインで培った技術を生かし、大量生産型の次世代自動化ラインを開発中です。また、金(Au)などの高価な貴金属を一切使用しない製造技術開発が終了し、コスト競争力を一層強化しています。
セグメント別売上高
2025年 3月期
-
■半導体素子
- 1,870億円
- 42%
- ■LSI 2,038億円 45%
- ■モジュール 325億円 7%
- ■その他 250億円 6%
売上
4,484億円
用途別売上構成比
2025年 3月期
-
自動車
57%
-
産業機器
17%
-
民生機器
14%
-
通信
2%
-
コンピュータ&ストレージ
9%
半導体素子売上高
1,870億円
ロームのポジショニング(2023年)
世界小信号デバイス(SSD)市場
- 市場規模
- 3,948百万ドル
小信号トランジスタ
- 市場規模
- 1,673百万ドル
小信号ダイオード
- 市場規模
- 2,275百万ドル
Source:Competitive Landscaping Tool CLT, Annual 2Q24
注力製品
TOPICS|
持続可能な社会の実現に向けて
LiDAR用120W高出力レーザーダイオードを開発
近年、AGVやロボット掃除機、自動運転車など、動作の自動化を必要とする幅広いアプリケーションで、正確に距離測定・空間認識を行うことができるLiDARの採用が進んでいます。そうしたなか、ロームはLiDARの長距離対応・高精度化に貢献できる、レーザーの狭発光幅化を実現する独自の特許技術を確立しました。
ロームでは2019年に25W、2021年に75Wレーザーダイオードを開発していますが、市場からの更なる高出力化ニーズの高まりを受け、2023年9月、120W出力が可能な新製品を開発しました。3D ToFシステムを用いて距離測定や空間認識を行うLiDAR向けに開発された、赤外120W高出力レーザーダイオードです。
独自の素子開発技術により、レーザー波長の温度依存性を一般品比66%減にまで低減し、バンドパスフィルタの狭小化に寄与することで、LiDARの遠方検知を実現します。また、業界最小クラスの発光幅でありながら、発光幅の97%にあたる領域で均一な発光強度を実現しており、より高精度な検出が可能となります。さらに高い電力光変換効率(PCE)の実現により、高効率な光出力が可能となることから、LiDARの低消費電力化にも貢献します。