半導体素子事業 汎用デバイス
半導体素子
事業
汎用デバイス
キャッシュカウ事業としてトップクラスのシェアを維持
パワーデバイスに注目が集まる半導体素子事業ですが、各種機器の高機能化や電装化に伴い、小信号の汎用デバイスの需要も中長期では着実に伸びると期待されています。例えば、制御回路などに使用される1ワット以下の電力を扱う小信号の汎用デバイス(トランジスタ・ダイオード)は、自動車や産業機器の電装化において必須の部品であり、ロームは長年積み重ねてきた開発・製造・販売のノウハウを生かして高いシェアを誇っています。キャッシュカウ事業として高いシェアを維持しながら、ロームの成長に寄与することが、汎用デバイス事業の中期経営計画でのテーマです。
汎用デバイスは、あらゆるアプリケーションに大量に使用される汎用性の高い商品であるため、顧客に安定的かつ低コストで供給することが求められています。ロームでは、高効率生産ラインと省人化ラインなどを導入することで生産効率とキャパシティを増強し、安定供給、低コスト化とサービスの向上を実現しています。また、自動車向けの半導体は、特に高い品質が求められるため、IDMとしての強みを生かし品質管理を徹底します。このような取り組みにより、お客様の要望に着実にこたえ、中長期的な収益の拡大に貢献します。
セグメント別売上高
2025年 3月期
-
■半導体素子
- 1,870億円
- 42%
- ■LSI 2,038億円 45%
- ■モジュール 325億円 7%
- ■その他 250億円 6%
売上
4,484億円
用途別売上構成比
2025年 3月期
-
自動車
57%
-
産業機器
17%
-
民生機器
14%
-
通信
2%
-
コンピュータ&ストレージ
9%
半導体素子売上高
1,870億円
ロームのポジショニング(2024年)
世界小信号デバイス(SSD)市場
- 市場規模
- 3,617百万ドル
小信号トランジスタ
- 市場規模
- 1,576百万ドル
小信号ダイオード
- 市場規模
- 2,041百万ドル
Source:Competitive Landscaping Tool CLT, Annual 2Q24
注力製品
TOPICS|
持続可能な社会の実現に向けて
LiDAR用120W高出力レーザーダイオードを開発
近年、AGVやロボット掃除機、自動運転車など、動作の自動化を必要とする幅広いアプリケーションで、正確に距離測定・空間認識を行うことができるLiDARの採用が進んでいます。そうしたなか、ロームはLiDARの長距離対応・高精度化に貢献できる、レーザーの狭発光幅化を実現する独自の特許技術を確立しました。
ロームでは2019年に25W、2021年に75Wレーザーダイオードを開発していますが、市場からの更なる高出力化ニーズの高まりを受け、2023年9月、120W出力が可能な新製品を開発しました。3D ToFシステムを用いて距離測定や空間認識を行うLiDAR向けに開発された、赤外120W高出力レーザーダイオードです。
独自の素子開発技術により、レーザー波長の温度依存性を一般品比66%減にまで低減し、バンドパスフィルタの狭小化に寄与することで、LiDARの遠方検知を実現します。また、業界最小クラスの発光幅でありながら、発光幅の97%にあたる領域で均一な発光強度を実現しており、より高精度な検出が可能となります。さらに高い電力光変換効率(PCE)の実現により、高効率な光出力が可能となることから、LiDARの低消費電力化にも貢献します。

