モジュール・
その他事業
独自技術を生かした新商品開発でシェア拡大
モジュール・その他(抵抗器)セグメントでは、収益性改善のため、組織再編や製品ポートフォリオの適正化など、さまざまな改革に取り組んでいます。
今後は、ロームの強みであるセンサ関連技術に引き続き注力するとともにAIサーバー市場の拡大を見据えた光モジュールの開発を加速させます。また、スマートファクトリーやスマート物流分野に向けたバーコードラベルプリンタ用サーマルプリントヘッドの開発にも注力しており、独自技術による高速・高画質を両立した新商品として、世界市場でのシェア拡大を目指しています。
抵抗器事業は市況の低迷により厳しい状況が続きましたが、2000年頃から開発を続けてきた高付加価値商品は特に自動車のお客様から高く評価されており、独自の素子設計による耐サージ抵抗器、長辺抵抗器など高い性能を有する商品の売り上げが近年拡大しております。汎用的なチップ抵抗器の安定供給と品質の確保はもちろんのこと、高い性能や信頼性を有する特殊抵抗器の開発にもより一層注力し、お客様の商品性能向上に貢献してまいります。
セグメント別売上高
2025年 3月期
-
■モジュール
- 325億円
- 7%
-
■その他
- 250億円
- 6%
- ■LSI 2,038億円 45%
- ■半導体素子 1,870億円 42%
売上
4,484億円
用途別売上構成比
2025年 3月期
-
自動車
10%
-
産業機器
11%
-
民生機器
8%
-
通信
25%
-
コンピュータ&
ストレージ46%
モジュール売上高
325億円
-
自動車
56%
-
産業機器
9%
-
民生機器
31%
-
通信
1%
-
コンピュータ&ストレージ
4%
その他売上高
250億円
ロームのポジショニング(2024年)
世界サーマルプリントヘッド売上高シェアランキング
世界抵抗器売上シェアランキング
注力製品
Column|
価値創造事例
小型でも高電力・高信頼性を両立した「MCRxシリーズ」で電子部品の進化に貢献
電子機器の多機能化と電動化の進展により、電子部品の小型化と高性能化は重要な課題となっています。特に自動車市場では、電動車(xEV)の普及に伴い、電子部品の使用量が急増しています。また、産業機器市場でも、機器の高機能化や効率化により、小型かつ高性能な電子部品への需要が拡大しています。ロームはこうした要求にこたえるべく、2024年11月に汎用チップ抵抗器「MCRシリーズ」の新ラインアップ「MCRxシリーズ」として、「MCRSシリーズ」と「MCRLシリーズ」を発表しました。
「MCRSシリーズ」は、内部構造の最適化や新材料の採用により、定格電力と温度特性(抵抗温度係数 TCR※1)を向上させ、従来品に比べワンサイズ小型での使用を可能にしました。「MCRLシリーズ」は、「MCRSシリーズ」の低抵抗タイプで、電流検出用途に最適です。
また、「MCRxシリーズ」は、全サイズで車載信頼性規格「AEC-Q200」※2に準拠しており、xEV、基地局やサーバーなどの通信インフラ、FA機器などの市場拡大にも貢献します。さらに、産業分野やインフラ機器など長寿命使用が前提の用途への継続的な供給も支えます。
今後、「MCRSシリーズ」では、+155℃に対応した小型サイズ品の開発を予定しています。また、「MCREシリーズ」として、完全鉛フリータイプでよりコンパクトな製品の供給も開始します。このように、ロームは、更なる小型化へのニーズや環境志向による自主規制や輸出制限などへの対応も強化することで、グローバル市場における顧客の多様なニーズにこたえ、電子部品の進化に貢献していきます。
- ※1. 抵抗温度係数(TCR:Temperature Coefficient of Resistance):抵抗器の抵抗値が温度変化に対してどの程度変化するかを示す指標。TCRが低いほど、温度変動による抵抗値の変動が少なく、安定した性能を提供できる。
- ※2. AECはAutomotive Electronics Councilの略で、大手自動車メーカーと米国の大手電子部品メーカーが集い、策定した車載電子部品の信頼性規格。車載部品がこの規格に準拠していることで、過酷な環境条件下での信頼性を保証している。Q200は、抵抗器、コンデンサ・インダクタなど、受動部品に特化した規格である。

