
ブランコ・デ・R
「企業の名を冠し、ブランコらしい動きの走りをネーミングで表現できるもの」という
想いを込めて命名。
実は50近くの案から選ばれました。
「生贄の木のぬくもりを残し、まるでハイジが漕ぐブランコのように、大きく座面を揺らすことを徹底的に再現して勝つ」
このモンスターはそんなコンセプトでつくりました。
座面を支える素材を敢えて不安定な紐にしたのも、それが理由。私たちのこだわりの詰まったモンスターを紹介します。
1 スライダー機構
梁の部分を前後に動かすことで座面を揺らす機構。「そこを動かすのか」と、見る人をワクワクさせます。
揺れから連想して耐震構造が頭をよぎり、揺れを増幅させるには固定側を揺らせば良いのでは?という発想に至りました。座面を反対側に移動させるタイミングとモータの速度がカギとなります。
2 ステアリングホイール
車体重量を支えるため金属化したかったが、R-ム社内での複雑な金属加工は不可能と判断し、樹脂での製作を決断。軸受けと車輪以外の部品はすべて3Dプリンターで製作。充填率や壁面の厚みなどの成形条件は、自宅メイカーたちの経験でカバーしました。
3 リモコン
かわいいデザインの中には細かい工夫がいっぱい。30m先でも素早く応答し、少ない部品でシンプルな通信を実現するべく、P2P通信方式を採用しています。
更に、ブランコの向きを変える左右ボタンは、押し加減で角度調整が出来るオリジナル仕様です。
4 アンチバックホイール
ブランコ振り子の復路は、逆走方向の加速を生みます。車体が踏ん張るために、自転車の車輪のクラッチから着想を得ました。
生活に溶け込んだその機構は、信頼性が高く、入手性も良いことが特徴。実験用車体をそのまま本番機に採用しました。
5 ブランコ座面
ブランコをブランコたらしめる部分。重いほど走行性能が上がります。
その重さは20kgで、車体総重量の28%を占めています。
中に詰まっているのは、試作マシンたちの廃パーツ。魔改造に掛ける思いを、重りに変えて走ります。
6 外装
木の”ぬくもり”へのこだわりは、生贄をリスペクトする気持ちの現れ。
木材加工、紙への印刷、3Dプリント、筆塗りまで…。(普段の業務では使わないような) 個人技を遺憾なく発揮し、生贄の姿を再現しています。