RISC 方式のオリジナル16bit CPU “U16 Core” を搭載したML62Q1000シリーズは、共通設計及びスケーラビリティを考慮したプログラムメモリサイズとパッケージサイズを豊富にラインアップしているため、プログラムメモリサイズ、端子数を変更してもソフトウェア資産が流用可能であり、機種展開の際の“プラットフォーム“に最適なマイコンです。
さらに、安全機能の搭載しているため、お客様のアプリケーションの安全・安心に貢献いたします。
ML62Q1000シリーズはプログラムメモリサイズ、LCDドライバ搭載の有無により、4つのグループがあります。
ML62Q1300グループ ROM容量:16KB to 64KB ピン数:16pin to 32pin
ML62Q1500グループ ROM容量:32KB to 256KB ピン数:48pin to 100pin
ML62Q1800グループ ROM容量:384KB to 512KB ピン数:64pin to 100pin
LCDドライバ搭載 ML62Q1700グループ ROM容量:32KB to 512KB ピン数:48pin to 100pin
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製品概要
多用途向け ML62Q1000シリーズ (U16)
概 要
- 特長1 : 豊富なペリフェラル。複数のシリアル通信回路、豊富で多機能なタイマ、高精度で豊富なアナログ機能、そしてデータフラッシュに書込みながらプログラム実行が可能なバックグラウンド処理対応のフラッシュメモリなど、豊富なペリフェラル回路を搭載しております。
- 特長2 : 豊富なバリエーション。パッケージは16ピンから64ピンまで、プログラムメモリは16KBから64KBまでそろえました。いずれもソフトウェア互換性のあるペリフェラル機能を搭載しております。端子配置も相対的に類似した並びにしましたので、パッケージ変更やプログラムサイズ変更にも柔軟に対応いただけます。
- 特長3 : 安心機能。自己テストの範囲を拡大して対象となる回路を追加、さらに電源投入時や低電圧時での誤動作防止、端子間リークなどによる水晶発振停止の防止機能を備えております。
完全デュアルクロックで低消費電力を実現
完全デュアルクロックシステム
CPUやペリフェラル回路毎に高速クロックと低速クロックが選択可能。例えば、CPUとタイマの動作クロックは高速を選択、必要に応じで高速を停止しても、UARTは常に低速クロックで受信待ちするといった使い方が可能で、フレキシブルなクロックマネージメントによる低消費電力が実現できます。
電源起動時の電流を抑制
電源起動時の初期化電流を抑制、また消費電力の低い低速クロックでマイコンを起動することで、起動時の電流を最小限に抑え、電流能力の小さな電源システムでも安心してお使いいただけます。
製品特長
特長1ノイズに強く、高温に対応
IEC61000-4-2静電ノイズ試験にて最高クラス(±8kV)をクリア。
更に±30kVをクリア。
動作温度は-40℃ to +105℃と高温に対応。
IEC61000-4-2の規定に基づいた静電気放電に対する耐性評価試験結果
試験レベル | 試験電圧 [kV] | ML62Q1000シリーズ | |
---|---|---|---|
垂直結合板試験 | 水平結合板試験 | ||
1 | ±2 | Pass | Pass |
2 | ±4 | Pass | Pass |
3 | ±6 | Pass | Pass |
4 | ±8 | Pass | Pass |
参考 |
±30 |
Pass |
Pass |
特長2安全機能を更に強化
現行タフマイコン(13Xシリーズ)の安全機能に加え、更に8種類の安全機能を追加し強化。
- 現行 安全機能
-
- RAMパリティエラー
- RAMガード
- SFRガード
- 不正メモリアクセス
- 発振周波数テスト
- A/Dコンバータ自己テスト
- さらに追加! 安全機能
-
- フラッシュメモリCRC演算
- GPIO自己テスト
- UART自己テスト
- SSIO自己テスト
- I2C自己テスト
- WDTテスト
- クロックバックアップ
特長3リークに強い水晶発振 (止まりにくい!止まっても安心!)
水晶接続端子のリークに負けない水晶発振回路を採用、水分付着などによる水晶発振停止を防止、また万一止まっても、RC発振でバックアップし、システムフリーズを防止。 (48ピン ~ 100ピン製品に搭載)
特長4電源投入時の誤作動防止 (過電流、FET破壊、DAC雑音を防止)
電源投入時や低電圧時の電圧検出リセットによって出力ポートをオープン出力に固定、出力ポートの不定出力に起因して発生する様々なトラブルを防止。
適用アプリケーション
" U16 Core "を搭載した高機能・ハイパフォーマンス &
ローパワータフマイコン「ML62Q1000シリーズ」は、新たに強化した安全機能により、家電、産業機器など幅広い用途にご使用頂けます。
特に安全機能につきましては周辺部品の故障診断だけでなくマイコン自身の自己診断機能も充実しておりますので、高機能化が進む白物家電やキッチン周りの小型家電に最適です。
ML62Q1000's 安全機能 ( IEC / UL 60730 class B対応 )
家電など電化製品を設計する上で特に注意するべきことの一つに、事故を未然に防ぐことがあげられるでしょう。昨今の電化製品はマイコンが使われていることもあり、マイコンの機能により安全を確保するという手法がとられています。それに伴い、危険回避のためマイコン自身の故障をマイコン自らが故障診断する安全機能が求められています。
ML62Q1000シリーズでは、ハードウェアとして数多くの安全機能を搭載しています。
ML62Q1000シリーズに搭載された安全機能
機能名 | 内 容 |
---|---|
RAMガード | 指定したRAM領域への書き込みを禁止する機能 |
SFRガード | SFRへの書き込みを禁止する機能 |
逐次比較型 A/Dコンバータのテスト | 逐次比較型 A/Dコンバータの自己テスト機能 |
RAM パリティ・エラー検出 | RAMのパリティ・エラー発生の確認とパリティ・エラー発生時にLSIのリセットを発生する機能 (SFRでリセット発生許可 / 禁止可能、リセットステータスフラグあり、パリティ・エラーフラグあり) |
ROM未使用領域 アクセスリセット | CPUのプログラムカウンタ (PC) を監視し、不正な領域のプログラムを実行した場合にリセットを発生させる機能 (コードオプションでリセット発生許可 / 禁止可能、リセットステータスフラグあり) |
クロック相互監視 | 高速クロック、低速クロックが正常に発振しているか監視する機能 |
CRC演算 | フラッシュ・メモリのデータ誤りや任意データの誤りを検出する機能 |
通信機能の自己テスト (UART) | UART自己テスト機能 |
通信機能の自己テスト (SSIO) | SSIO (同期式シリアルポート) 自己テスト機能 |
通信機能の自己テスト (I2C) | I2C自己テスト機能 |
WDT カウンタ読み出し | WDT カウンタ読み出し機能 |
ポート出力 レベルテスト機能 | 汎用ポート 自己テスト機能 |
マイコンステータス 割込み | RAMのパリティ・エラー発生による割込み、自動CRC演算完了による割込み、データ・フラッシュの消去・書き込み完了による割込みを制御する機能 |
クロックバックアップ機能とそのテスト機能
※ ML62Q1400 / ML62Q1500 / ML62Q1600 / ML62Q1700に搭載。 |
低速水晶発振が停止した場合、低速RC発振に自動で切り替える機能とそのテスト機能 |
ML62Q1000シリーズでは、マイコンの自己診断機能ソフトウェアとして、自動電気制御装置の国際規格 IEC/UL 60730に対応可能です。
また、IEC60730-1 Annex H Software class Bに対応した自己診断ソフトウェアをサンプルソフトウェアとして提供可能です。
ML62Q1000シリーズの自己診断ソフトウェアがサポートする機能
対 象 | 自己診断機能 | 内 容 |
---|---|---|
CPU | レジスタテスト | CPUの内部レジスタのスタック故障を検出 |
プログラム カウンタテスト |
プログラムカウンタのスタック故障を検出 | |
割込み | 割込みテスト | 割込みの故障を検出 |
クロック | 発振周波数テスト | それぞれ単独で動作している低速クロックと高速クロックの周波数を測定し異常を検出 |
メモリ | フラッシュ メモリテスト |
プログラム・コード領域のビット故障をCRCチェックにより検出 |
RAMテスト | RAMの読み書きテストによりDC故障を検出 | |
入出力 | GPIOテスト | 出力データを自己読み出しし、出力データの異常を検出 |
A/Dコンバータテスト | フルスケール / ゼロスケール / 内部基準電圧をA/D変換し、A/Dコンバータおよびアナログスイッチの異常を検出 | |
UART / SSIO / I2C テスト | 送信データと受信データを内部で接続し、通信用回路の異常を検出 | |
その他 | WDTテスト | WDTカウンタを読み出し、WDTカウンタの異常を検出 |
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