※2023年4月13日現在ローム調べ
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、基地局・サーバー用電源や、産業機器・民生機器用モーターなど、24V/36V/48V系統の電源で動作するアプリケーションの駆動に最適な、Nch MOSFET*1「RS6xxxxBx / RH6xxxxBxシリーズ」13製品(40V/60V/80V/100V/150V)を開発しました。
新製品は、プロセスの微細化による素子性能の向上に加えて、抵抗の低い銅クリップ接続のHSOP8/HSMT8パッケージを採用したことにより、従来品より約50%低い業界トップクラスのオン抵抗(Ron)*2 2.1mΩを達成しています。また、ゲート構造の改善により、一般的にオン抵抗とトレードオフの関係になるQgd*3(ゲート・ドレイン間電荷量)も従来品比で約40%低減(Ron・Qgdともに、HSOP8パッケージ、60V耐圧品のTyp.値で比較)。これにより、スイッチング損失及び導通損失を低減できるため、各アプリケーションの高効率動作に大きく貢献します。高効率動作の一例として、産業機器向け電源評価基板で電源効率を比較した場合、定常動作時の出力電流範囲において、新製品は業界トップクラス※の電源効率(ピーク時約95%)を達成しています。
新製品は、2023年1月より当面月産100万個の体制で量産(サンプル価格500円/個:税抜)を開始しています。インターネット販売も開始しており、コアスタッフオンライン、チップワンストップなどから購入することができます。
今後もロームは、さらに低オン抵抗のMOSFETを開発中であり、各種機器の低消費電力化に寄与することで、省エネ化による環境保護などの社会課題解決に貢献していきます。
<背景>
近年、世界的に電力消費量が増大し、電力の有効活用を迫られる中、基地局、サーバーなどの産業機器や、各種モーターにおいても、高効率化が進んでいます。そして、これらのアプリケーションにおいて、中耐圧のMOSFETは、さまざまな回路で使用されており、メーカーから低損失化が求められています。一方、MOSFETの電力損失に繋がる主要なパラメータとしては、オン抵抗とQgdの2つがありますが、一般的なMOSFETでは、チップサイズに対して、オン抵抗は反比例して小さく、Qgdは比例して大きくなるため、両立が困難です。これに対してロームは、プロセスの微細化と銅クリップ接続の採用、ゲート構造の改善により、両者のトレードオフを改善しました。
<製品ラインアップ>
品番 |
データ
シート |
VDSS
[V] |
ID[A]
TC=25℃ |
RDS(on)[mΩ] |
Qg[nC] |
Qgd
[nC] |
パッケージ名
[mm] |
VGS=10V |
VGS=10V |
VGS=6V |
VGS=4.5V |
Typ. |
Max. |
Typ. |
Typ. |
Typ. |
Typ. |
RS6G120BG |
 |
40 |
120 |
1.03 |
1.34 |
67 |
- |
34 |
12 |

HSOP8
(5.0×6.0×1.0) |
RS6G100BG |
 |
100 |
2.6 |
3.4 |
24 |
- |
11.8 |
4.3 |
RS6L120BG |
 |
60 |
120 |
2.1 |
2.7 |
51 |
- |
25 |
7.3 |
RS6L090BG |
 |
90 |
3.6 |
4.7 |
28 |
- |
14 |
4.1 |
RS6N120BH |
 |
80 |
120 |
2.8 |
3.3 |
53 |
33 |
- |
10.1 |
RS6P100BH |
 |
100 |
100 |
4.5 |
5.9 |
45 |
29 |
- |
11.7 |
RS6P060BH |
 |
60 |
8.2 |
10.6 |
25 |
16.2 |
- |
6.3 |
RS6R060BH |
 |
150 |
16.7 |
21.8 |
46 |
30 |
- |
12 |
RS6R035BH |
 |
35 |
32 |
41 |
25 |
16.2 |
- |
6.4 |
RH6G040BG |
 |
40 |
40 |
2.8 |
3.6 |
25 |
- |
11.8 |
4.5 |

HSMT8
(3.3×3.3×0.8) |
RH6L040BG |
 |
60 |
5.5 |
7.1 |
18.8 |
- |
9.2 |
2.7 |
RH6P040BH |
 |
100 |
12 |
15.6 |
16.7 |
10.9 |
- |
4.4 |
RH6R025BH |
 |
150 |
25 |
46 |
59 |
16.7 |
11 |
- |
4.4 |
<アプリケーション例>
- ◇通信基地局やサーバー用電源
- ◇産業用・民生用モーター
その他、幅広い機器の電源回路やモータドライブに採用可能です。
<用語説明>
- *1) Nch MOSFET
- ソースに対してプラスの電圧をゲートに印加すると導通状態になるタイプのMOSFET。
Pch MOSFETよりもオン抵抗が小さく、幅広い回路で使い勝手が良いため、現在市場ではNch MOSFETの方が流通している。
- *2) オン抵抗(Ron)
- MOSFETオン時のドレイン・ソース間の抵抗値のこと。値が小さいほど導通時の電力損失が少なくなる。
- *3) Qgd(ゲート・ドレイン間電荷量)
- MOSFETがオンしはじめた後、ゲート・ドレイン間の容量を充電する期間の電荷量。値が小さいほど高速スイッチングが可能になり、スイッチング時のロス(電力の損失)が少なくなる。
業界トップクラス※の低オン抵抗でアプリケーションの高効率動作に貢献する Nch MOSFET開発
産業機器用電源や各種モーター駆動に最適な40V~150V耐圧の13製品をラインアップ
※2023年4月13日現在ローム調べ
2023年4月13日
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、基地局・サーバー用電源や、産業機器・民生機器用モーターなど、24V/36V/48V系統の電源で動作するアプリケーションの駆動に最適な、Nch MOSFET*1「RS6xxxxBx / RH6xxxxBxシリーズ」13製品(40V/60V/80V/100V/150V)を開発しました。
新製品は、プロセスの微細化による素子性能の向上に加えて、抵抗の低い銅クリップ接続のHSOP8/HSMT8パッケージを採用したことにより、従来品より約50%低い業界トップクラスのオン抵抗(Ron)*2 2.1mΩを達成しています。また、ゲート構造の改善により、一般的にオン抵抗とトレードオフの関係になるQgd*3(ゲート・ドレイン間電荷量)も従来品比で約40%低減(Ron・Qgdともに、HSOP8パッケージ、60V耐圧品のTyp.値で比較)。これにより、スイッチング損失及び導通損失を低減できるため、各アプリケーションの高効率動作に大きく貢献します。高効率動作の一例として、産業機器向け電源評価基板で電源効率を比較した場合、定常動作時の出力電流範囲において、新製品は業界トップクラス※の電源効率(ピーク時約95%)を達成しています。
新製品は、2023年1月より当面月産100万個の体制で量産(サンプル価格500円/個:税抜)を開始しています。インターネット販売も開始しており、コアスタッフオンライン、チップワンストップなどから購入することができます。
今後もロームは、さらに低オン抵抗のMOSFETを開発中であり、各種機器の低消費電力化に寄与することで、省エネ化による環境保護などの社会課題解決に貢献していきます。
<背景>
近年、世界的に電力消費量が増大し、電力の有効活用を迫られる中、基地局、サーバーなどの産業機器や、各種モーターにおいても、高効率化が進んでいます。そして、これらのアプリケーションにおいて、中耐圧のMOSFETは、さまざまな回路で使用されており、メーカーから低損失化が求められています。一方、MOSFETの電力損失に繋がる主要なパラメータとしては、オン抵抗とQgdの2つがありますが、一般的なMOSFETでは、チップサイズに対して、オン抵抗は反比例して小さく、Qgdは比例して大きくなるため、両立が困難です。これに対してロームは、プロセスの微細化と銅クリップ接続の採用、ゲート構造の改善により、両者のトレードオフを改善しました。
<製品ラインアップ>
シート
[V]
TC=25℃
[nC]
[mm]
HSOP8
(5.0×6.0×1.0)
HSMT8
(3.3×3.3×0.8)
<アプリケーション例>
その他、幅広い機器の電源回路やモータドライブに採用可能です。
<インターネット販売情報>
販売開始時期: 2023年1月から
販売ネット商社:コアスタッフオンライン、チップワンストップ
それ以外のネット商社からも順次発売していきます。
1個から購入可能
<用語説明>
Pch MOSFETよりもオン抵抗が小さく、幅広い回路で使い勝手が良いため、現在市場ではNch MOSFETの方が流通している。
<製品動画>
<新製品プレゼン"Featured Products">
基地局・サーバー用電源や産業・民生用モータ駆動に最適
低オン抵抗 Nch Power MOSFET (Cuクリップタイプ)
RS6xxxxシリーズ/RH6xxxxシリーズ(PDF:1.3MB)
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