ROHM News Detail

VCSEL搭載 高速・高精度近接センサ「RPR-0730」を開発

2025年10月28日

RPR-0730

ローム株式会社(本社:京都市)は、プリンタや搬送装置をはじめとする民生・産業機器向けアプリケーションに幅広く活用できる、高速移動体を高精度に検知可能なアナログ小型近接センサ「RPR-0730」を開発しました。
「RPR-0730」は、反射型の小型近接センサ(フォトリフレクタ*1)です。発光素子には、LEDより指向性の高い赤外VCSEL*2を採用し、より細かい対象物の検出を可能にしました。また、受光素子にはアナログ出力のフォトトランジスタ*3を採用することで、10マイクロ秒(µs)の応答性能を実現。これら2つの組み合わせにより、従来のLED光源では検出が困難だった0.1mm幅の微細線を、高速かつ正確に識別できます。従来のデジタル出力タイプ「RPR-0720」のシリーズ追加となり、複写機やラベルプリンタの印字検知、モータやギアの回転検知など、より高速なセンシングが求められるアプリケーションにも適応範囲が広がります。
パッケージは2.0mm×1.0mm×0.55mmの超小型で、照明や太陽光による外乱光の影響を抑える可視光カット樹脂を採用しています。これにより、工場や屋外などの光環境が変化しやすい場所でも、安定した検出を可能にします。また、搬送装置の内部や精密機器など、小さく狭いスペースへの取り付けが求められる機器にも容易に組み込むことができるため、より幅広いアプリケーションでの採用が期待されます。
新製品は、2025年10月から量産を開始しています(サンプル価格350円/個:税抜)。インターネット販売も開始しており、コアスタッフオンラインチップワンストップなどから購入することができます。
今後もロームは、発光・受光素子の開発技術を活かし、顧客ニーズを満たすセンシング製品を開発することで、さまざまな機器の小型化や利便性向上に貢献していきます。

Relationship Between Line Width and Speed

1個から購入可能

<開発の背景>

産業機器やオフィス機器の高機能化・自動化が進む中で、センシング技術の精度向上が求められています。特に、ラベルプリンタや検体搬送機、複写機などでは、生産性の向上による高速化に加え、対象物をより正確に識別できる技術が必要とされており、高速かつ精度の高い近接センサの導入が重要になっています。
こうした市場の課題に対応するため、ロームは発光素子にVCSEL、受光素子にフォトトランジスタを採用したアナログ近接センサ「RPR-0730」を製品化し、従来のLED光源では識別が困難だった微細な対象物の高速かつ高精度なセンシングを可能にしました。

  
Part No. Data
Sheet
Light
Emitter
Receiver Interface Detection
Distance
(Max.)
[mm]
Light Emitter
Drive Voltage
VVCSELA
[V]
Receiver
Drive Voltage
VCC
[V]
Collector
Current
IC
(Typ.)
[mA]
Leak Current
Ileak
(Max.)
[mA]
Operating
Temperature
Range
[°C]
Package
Size
[mm]
NewRPR-0730 PDF VCSEL
(940nm)
Photo
Transistor
Analog 10 -※1 -※1 5.7※2 1.1 -30
to
+85
RPR-0730 Package
2.0×1.0×0.55
RPR-0720 PDF Proximity
Photo IC
Digital

I2C
15 2.7
to
4.5
(VCC≤ 2.0V)
1.7
to
3.6
- - RPR-0720 Package
2.0×1.0×0.55

※1: Due to the resistor value in the later stage ※2: Detection distance d=3mm

<アプリケーション例>

・ラベルプリンタ、複写機、シュレッダの印字検知、紙送り・紙詰まり検知 など
・搬送装置、自動検査装置の荷物・検体の物体検知、ワーク位置検出など
・産業機器用ロボットのモータ・ギア回転検知など

<用語説明>

*1) フォトリフレクタ
発光素子と受光素子を組み合わせた光センサの一種。対象物に光を照射し、その反射光の強さを検出することで、物体の有無や距離を測定することができる。
*2) VCSEL
Vertical Cavity Surface Emitting LASER(垂直共振器面発光レーザー)の略称。レーザー光源の一種で、表面から直接光を放出することができる半導体レーザー。LEDと比較して指向性が高く、高精度なセンシングに適している。もともとは光通信用途で採用されていたが、近年では近接センサや測距センサの発光源としても採用が進んでいる。
*3) フォトトランジスタ
光信号を電気信号に変換するトランジスタ形の光電変換素子。フォトダイオードとトランジスタが一体化されており、光によってベース電流を制御して増幅されたコレクタ電流を出力する。

<新製品プレゼン"Featured Products">

Featured Products
超小型・高速応答アナログ出力
光学式近接センサ(VCSEL フォトリフレクタ)
RPR-0730(PDF:1.7MB)