※2022年11月10日現在 ローム調べ
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、ワイヤレスイヤホンなどのヒアラブル端末を含めたウェアラブル機器、スマートフォンなど、小型・薄型機器のスイッチングに最適な、小型かつ高効率の20V耐圧Nch MOSFET*1「RA1C030LD」を開発しました。
新製品は、ローム独自のICプロセスを応用したウエハレベルチップサイズパッケージ*2DSN1006-3(1.0mm×0.6mm)を採用しており、小型化と同時に低電力損失を実現。導通損失とスイッチング損失の関係を表す指標(オン抵抗*3×Qgd*4)においては、同パッケージの一般品よりも最大約20%向上した業界トップクラスの値(1.0mm×0.6mm以下のパッケージでの比較)を達成し、各種小型機器の基板上の部品面積削減と高効率化に大きく貢献します。また、ローム独自のパッケージ構造により、側壁の絶縁保護を実現(同パッケージの一般品は絶縁保護なし)。スペースの制約により部品の高密度実装が必要な小型機器において、部品同士の接触による短絡(ショート)リスクを下げることが可能となるため、安全動作に寄与します。
新製品は、2022年11月より当面月産1,000万個の体制で量産(サンプル価格 100円/個:税抜)を開始しています。インターネット販売も開始しており、チップワンストップ、コアスタッフオンラインなどから購入することができます。
ロームはさらなる低オン抵抗品や小型品の開発を進めており、各種小型機器の高効率化に寄与することで、環境保護などの社会課題解決に貢献していきます。
<背景>
近年、小型機器の高機能化が進み、機器内で必要とされる電力量が増えているため、バッテリーサイズの大型化によって部品の実装スペースが減少しています。また、バッテリーの大型化には限界があり、限られたバッテリー電力を効率的に使用するため、搭載される部品にはより電力損失を抑えることが求められています。
こうした中、MOSFETでは小型化しやすく特性に優れたウエハレベルチップサイズパッケージを用いた開発が業界の主流となりつつあります。ロームはICメーカーでもある強みを活かし、ディスクリートの従来プロセスでは大きくなっていた配線抵抗を、ICのプロセスを活用することにより大幅に削減。小型かつ電力損失を抑えたMOSFETを開発しました。
<新製品の主な特性>
品番 | データシート | ドレイン・ ソース間電圧 [V] | ドレイン電流 VGS=4.5V [A] | オン抵抗VGS=4.5V (Typ.)[mΩ] | ゲート・ドレイン間電荷量 VGS=4.5V (Typ.)[nC] | パッケージ [mm] |
---|
 RA1C030LD |  | 20.0 | 3.0 | 80.0 | 0.2 |  DSN1006-3 (1.0mm×0.6mm×0.22mm) |
<アプリケーション例>
◇ワイヤレスイヤホンなどのヒアラブル端末
◇スマートウォッチ、スマートグラス、アクションカメラなどのウェアラブル機器
◇スマートフォン
その他、幅広い小型・薄型機器のスイッチングに採用可能です。<用語説明>
*1) Nch MOSFET
ソースに対してプラスの電圧をゲートに印加すると導通状態になるタイプのMOSFET。
Pch MOSFETよりもドレイン・ソース間オン抵抗が小さくなるため、定常損失を減らすことが可能。
*2) ウエハレベルチップサイズパッケージ
ウエハの状態で端子の形成や配線などを行い、その後個片化した超小型パッケージ。ウエハを個片化してから樹脂でモールドして端子などを形成する一般的なパッケージと異なり、パッケージを内部の半導体チップと同じ大きさにできるため、パッケージの小型化が可能となる。
*3) オン抵抗
MOSFETオン時のドレイン・ソース間の抵抗値のこと。値が小さいほど導通時のロス(電力の損失)が少なくなる。
*4) Qgd(ゲート・ドレイン間電荷量)
MOSFETがオンしはじめた後、ゲート・ドレイン間の容量を充電する期間の電荷量。値が小さいほど高速スイッチングが可能になり、スイッチング時のロス(電力の損失)が少なくなる。
小型サイズで業界トップクラス※の低電力損失!独自の絶縁構造で、
小型機器の高効率化と安全動作に貢献するMOSFETを開発
小型パッケージでワイヤレスイヤホンやウェアラブル機器など、小型・薄型機器に最適
※2022年11月10日現在 ローム調べ
2022年11月10日
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、ワイヤレスイヤホンなどのヒアラブル端末を含めたウェアラブル機器、スマートフォンなど、小型・薄型機器のスイッチングに最適な、小型かつ高効率の20V耐圧Nch MOSFET*1「RA1C030LD」を開発しました。
新製品は、ローム独自のICプロセスを応用したウエハレベルチップサイズパッケージ*2DSN1006-3(1.0mm×0.6mm)を採用しており、小型化と同時に低電力損失を実現。導通損失とスイッチング損失の関係を表す指標(オン抵抗*3×Qgd*4)においては、同パッケージの一般品よりも最大約20%向上した業界トップクラスの値(1.0mm×0.6mm以下のパッケージでの比較)を達成し、各種小型機器の基板上の部品面積削減と高効率化に大きく貢献します。また、ローム独自のパッケージ構造により、側壁の絶縁保護を実現(同パッケージの一般品は絶縁保護なし)。スペースの制約により部品の高密度実装が必要な小型機器において、部品同士の接触による短絡(ショート)リスクを下げることが可能となるため、安全動作に寄与します。
新製品は、2022年11月より当面月産1,000万個の体制で量産(サンプル価格 100円/個:税抜)を開始しています。インターネット販売も開始しており、チップワンストップ、コアスタッフオンラインなどから購入することができます。
ロームはさらなる低オン抵抗品や小型品の開発を進めており、各種小型機器の高効率化に寄与することで、環境保護などの社会課題解決に貢献していきます。
<背景>
近年、小型機器の高機能化が進み、機器内で必要とされる電力量が増えているため、バッテリーサイズの大型化によって部品の実装スペースが減少しています。また、バッテリーの大型化には限界があり、限られたバッテリー電力を効率的に使用するため、搭載される部品にはより電力損失を抑えることが求められています。
こうした中、MOSFETでは小型化しやすく特性に優れたウエハレベルチップサイズパッケージを用いた開発が業界の主流となりつつあります。ロームはICメーカーでもある強みを活かし、ディスクリートの従来プロセスでは大きくなっていた配線抵抗を、ICのプロセスを活用することにより大幅に削減。小型かつ電力損失を抑えたMOSFETを開発しました。
<新製品の主な特性>
ソース間電圧
[V]
VGS=4.5V
[A]
(Typ.)[mΩ]
VGS=4.5V
(Typ.)[nC]
[mm]
RA1C030LD
DSN1006-3
(1.0mm×0.6mm×0.22mm)
<アプリケーション例>
◇ワイヤレスイヤホンなどのヒアラブル端末
その他、幅広い小型・薄型機器のスイッチングに採用可能です。◇スマートウォッチ、スマートグラス、アクションカメラなどのウェアラブル機器
◇スマートフォン
<インターネット販売情報>
販売開始時期: 2022年11月から
販売ネット商社: チップワンストップ、コアスタッフオンライン
それ以外のネット商社からも順次発売していきます。
<用語説明>
*1) Nch MOSFET
ソースに対してプラスの電圧をゲートに印加すると導通状態になるタイプのMOSFET。
Pch MOSFETよりもドレイン・ソース間オン抵抗が小さくなるため、定常損失を減らすことが可能。
*2) ウエハレベルチップサイズパッケージ
ウエハの状態で端子の形成や配線などを行い、その後個片化した超小型パッケージ。ウエハを個片化してから樹脂でモールドして端子などを形成する一般的なパッケージと異なり、パッケージを内部の半導体チップと同じ大きさにできるため、パッケージの小型化が可能となる。
*3) オン抵抗
MOSFETオン時のドレイン・ソース間の抵抗値のこと。値が小さいほど導通時のロス(電力の損失)が少なくなる。
*4) Qgd(ゲート・ドレイン間電荷量)
MOSFETがオンしはじめた後、ゲート・ドレイン間の容量を充電する期間の電荷量。値が小さいほど高速スイッチングが可能になり、スイッチング時のロス(電力の損失)が少なくなる。
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