
ヘラクレスリッパ
大きな角と、空中で開く翼。
その姿はまるで昆虫界の王者、
ヘラクレスオオカブトのよう。
その力強さと威厳に満ちた風格に憧れて名付けました。
「空中で安定飛行するための角や翼を広げ、30m先の目標へ滑空する。その姿は、まるでヘラクレスオオカブト」
このモンスターはそんなコンセプトでつくりました。
蹴り出した後に変形するという極めて難易度の高い機構。様々なアイデア、試作品を経てこの機構への挑戦にたどり着きました。
私たちのこだわりの詰まったモンスターを紹介します。
1 蹴り出しから着地までのフロー
2 変形機構による翼展開
内蔵された加速度センサが、蹴り出しの瞬間や軌道の頂点に到達したことを検知し、最適な瞬間を狙ってニクロム線を焼き切ります。
すると、ゴムの張力によって、まるで閉じた傘が開くかのようにリンク機構が作動します。
3 超軽量の制御基板
センシングとコントロールの中枢は、とにかくコンパクトに仕上げました。わずか10gの”空飛ぶ電子部品”たちが、翼展開と姿勢制御の両方を担います。
4 ピッチコントロール
上向きでも下向きでもなく、ちょうど良い姿勢で遠くまで飛ぶために、加速度センサで自己姿勢を推定し、サーボモーターを駆動して水平尾翼を動かします。
5 生贄へのリスペクト
わずか60gの中に、オリジナルのスリッパが持つ特徴をどう残すか。
ふんわりとしたイメージや履き心地を表現するため、生贄の生地の最表面だけを残すように、手作業で剥がし、限界まで削りました。