ロームが切り拓いたパワーでの革新

先進的なパワー技術の開発・実用化でリードし、パワーエレクトロニクスに新時代を切り拓く

  • 高電圧・大電流を扱う応用にSiCが革新をもたらす
  • ロームは先頭を走る、だから先駆的情報が世界から集まる
  • SiCデバイスの潜在能力を引き出す技術と環境を用意
  • とがったデバイスを使いこなしたい先進ユーザーを徹底支援
  • 材料の開発・生産に取り組み、安定供給体制を整備

高電圧・大電流を扱う応用に
SiCが革新をもたらす

 太陽光発電のパワーコンディショナ、産業用モータの駆動設備、電気自動車(EV)など、高電圧・大電流を扱う電力・電源システムでは、さらなる効率向上と小型・軽量化が求められています。それらの要求に応えるためには、電力変換回路を構成するパワーデバイスを、さらに高効率に、さらにタフに、さらに高精度で動作するように進化させる必要があります。
 私たちロームは、従来のSiパワーデバイスでは実現不可能な性能を実現するため、SiCパワーデバイスの開発にいち早く挑み、SiC MOSFETを世界に先駆けて製品化しました。これによって、電力変換時の損失を大幅に削減し、電力システムをさらに小型化していくための新たな道が拓きました。
 ただし、半導体材料として60年以上の利用実績を持つSiベースのデバイスに比べれば、SiCパワーデバイスの進化はこれからが本番だと言えます。その潜在能力を引き出すための周辺技術、安定供給と有効活用に向けたエコシステムの整備は、これから一層加速することでしょう。ロームには、SiCパワーデバイスを真っ先に市場投入したメーカーとしての責務があります。より広く、より効果的に、より早期に利用できる環境を整え、電力システムでの革新を目指す先進的なお客様の取り組みを強力に後押ししていきます。

ロームは先頭を走る、
だから先駆的情報が世界から集まる

 ロームは、2010年にSiC-DMOSFETの量産を世界に先駆けて開始しました。そして、2012年にはフルSiCパワーモージュールを世界初量産、さらには2015年には性能と信頼性を劇的に向上させたSiCトレンチMOSをそれぞれ世界で初めて量産しました。私たちは、SiCパワーデバイスの分野における先駆者であり、今も技術開発と事業化の両面でリードし続けています。

 技術開発でリードしたことで、私たちのもとには、SiCに関する材料・デバイス・プロセス・利用技術についての最先端の知見が世界中から集まっています。さらに、事業化をリードしたことで、電力・電源システムに革新を生み出そうとする先進的企業の斬新なアイデアが次々と集まっています。世界のSiCのシーズとニーズに関連する情報がロームに集まり、一歩先ゆくデバイス技術と利用技術が創出されています。

SiCデバイスの潜在能力を
引き出す技術と環境を用意

 SiCパワーデバイスは、既存回路中のSiデバイスを単純に置き換えただけでは、本来の能力を引き出すことができません。ロームは、SiCデバイスをより効果的に活用するための技術開発や環境整備に積極的に取り組んでいます。
 例えば、チップを封止するパッケージやモジュールは、既存技術の多くがSiデバイス向けに作られており、そのまま転用してもSiCデバイスの性能を最大限に生かせません。そこでロームは、SiCデバイスに最適化したパッケージやモジュールを独自開発し、特長がより際立つ製品に仕上げて提供しています。その一例が、低インダクタンス、低熱抵抗を実現する「G Type」と呼ぶ独自構造のモジュール技術です。この技術を投入した製品では、より小型で大電流を扱うことができるようになりました。さらにSiC用パッケージは、継続的な技術開発を進めています。研究開発段階ではありますが、基板材料に新材料を採用することで世界最小の熱抵抗を実現した、38mm×74mm×11.5mmと超小型軽量でありながら、400Aの大電流に対応するトランスファーモールド型SiCパワーモジュールも開発しました。
 さらに、SiCデバイスの特性に最適化したドライバICや、これを組み込んだ評価ボードも用意しており、SiCの能力を効果的に活用できるようにしています。また、ユーザーがSiCデバイスを選定し、電源回路などを開発するためには、シミュレーションに用いるツールやモデルが欠かせません。ロームは、実デバイスの挙動を高精度で再現するモデルやツールを提供し、ユーザーのデバイス選定や回路開発を支援しています。

とがったデバイスを使いこなしたい
先進ユーザーを徹底支援

 SiCデバイスの潜在能力を引き出すためには、ユーザー側にも相応の技術力が求められます。ただし、多くのユーザーは、SiCデバイスの使いこなしのノウハウをこれから蓄積していく状況であり、きめ細かな技術支援が不可欠です。SiCデバイスの特性を最もよく知るロームは、先進的ユーザーによる応用開発を徹底支援するための体制を整えています。
 その先駆けとなるのが、2017年にドイツ デュッセルドルフに解説した、システム・レベル・ソリューションをお客様に提供するための欧州拠点、「パワー・ラボ」です。再生可能エネルギーやEVの分野での最先端ニーズが山積するドイツで、SiCデバイスを活用してイノベーションを起こそうと考える企業を支援しています。ここでは、パワーデバイスの評価に必要な最新鋭の計測・シミュレーション環境を整備しており、欧州のお客様に本社のある日本国内と同レベルの技術支援を提供することが可能にしています。

材料の開発・生産に取り組み、
安定供給体制を整備

 SiCパワーデバイスは、2025年には、市場規模が2018年の4倍以上になると予想されています。ロームは急増する需要の応える生産能力を確保するため、積極的な設備投資も進めています。

ウエハ、デバイス、パッケージングを一貫生産することで、高性能・高信頼・高品質のSiCパワーデバイスを安定供給可能に

 ロームは、2009年にSiCウエハの生産で世界第2位のシェアを誇るSiCrystal(サイクリスタル)社を買収。ウエハの自社開発・生産ができる、世界でも稀有なSiCパワーデバイス・メーカーになりました。これによって、ウエハの安定調達が可能になり、同時に性能・品質・信頼性をウエハレベルから作り込むことも可能になりました。
 さらに、2025年までにSiCの生産能力を2017年の16倍まで拡大。市場シェアも業界トップの30%を目指しています。2011年に4インチだったウエハ口径を、2014年には6インチへと大口径化し、デバイス量産ラインの生産性向上につなげていきます。SiCデバイスの生産拠点であるローム・アポロの筑後工場での新棟建設も決めており、2020年に竣工する予定です。今後も、多拠点生産体制の整備や在庫管理、設備の防災化などを徹底し、お客様への安定供給に努めていきます。
 ロームは、パワーデバイスの技術開発と事業化の両面で先頭を走っています。電力・電源システムでのイノベーションの創出を全力で支援していきます。

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