ロームの第4世代SiC MOSFETが日立Astemoの電気自動車用インバータに採用
2025年より国内外の電気自動車に供給され、航続距離の延伸やシステム小型化に貢献

2022年12月13日

ローム株式会社の第4世代SiC MOSFETおよびゲートドライバICが、日本を代表する自動車部品メーカーである日立Astemo株式会社(以下、日立Astemo)の電気自動車(以下、EV)用インバータに採用されました。

脱炭素社会の実現に向け、自動車の電動化が急速に進む中、より高効率で小型・軽量化された電動パワートレインシステムの開発が進んでいます。
特にEVでは、航続距離の延伸や搭載バッテリーの小型化のために駆動の中核を担うインバータの高効率化が課題となっており、SiCパワーデバイスに大きな期待が寄せられています。

SiC MOSFET,ゲートドライバIC

ロームは、2010年に世界で初めてSiC MOSFETの量産を開始して以来、常に業界をリードするSiCパワーデバイスの技術開発を進めてきました。中でも最新の第4世代SiC MOSFETは、短絡耐量時間を改善し、業界トップクラスの低オン抵抗を実現したデバイスであり、車載インバータ搭載時には、IGBT比で6%の電費を改善(国際規格「WLTC燃費試験」で算出時)できるなど、電動車の航続距離延伸などに大きく貢献します。

一方、日立Astemoは、長年にわたって自動車向けモータやインバータの先進的な技術開発を進めておられ、普及が進むEV向けにおいても既に数多くの供給実績を誇られます。今回、インバータの更なる性能向上を目指し、メインインバータ回路部に初めてSiCパワーデバイスを採用されました。同インバータは、日本の自動車メーカーを皮切りに、2025年より国内外の自動車メーカーに順次供給される予定です。

ロームは、今後もSiCパワーデバイスのリーディングカンパニーとしてラインアップを強化するとともに、デバイス性能を最大限に引き出す制御ICなど周辺デバイス技術を組み合わせ、自動車の技術革新に貢献するパワーソリューションを提供してまいります。

<日立Astemoについて>

日立Astemoは、パワートレイン&セーフティシステム事業をはじめシャシー事業、モーターサイクル事業、ソフトウェア事業、アフターマーケット事業から成る戦略的な事業ポートフォリオにより、事業強化と技術革新に取り組んでいます。「グリーン」、「デジタル」、「イノベーション」を軸とした成長をめざし、排出ガスを低減する高効率な内燃機関システムと電動システムでより良い地球環境に貢献し、自動運転や先進運転支援システム、先進シャシーシステムで安全性・快適性を向上させていきます。このような先進的なモビリティソリューションの提供を通じて、持続可能な社会の実現とともに、お客さまの企業価値の向上に貢献していきます。

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