アンテナトップメーカーのShanghai Amphenol Airwave(アンフェノールグループ)と
ラピステクノロジーが、小型ワイヤレス充電ソリューションで協力体制を確立
ヒアラブル、ウェアラブル機器向けのワイヤレス充電機能実現をワンストップでサポート

2022年10月19日

<要旨>

ロームグループのラピステクノロジー株式会社(以下、ラピステクノロジー)とアンテナトップメーカーであるアンフェノールグループのShanghai Amphenol Airwave(以下、アンフェノール)は、小型・高機能化がさらに進むヒアラブル、ウェアラブル機器分野に向けてワイヤレス充電ソリューション提供の協力体制を確立しました。
アンフェノールは、高いアンテナカスタム技術を保有しており、ヒアラブル、ウェアラブル機器などをはじめとする筐体の小型化、薄型化のニーズに合わせた小型アンテナを提供しています。ラピステクノロジーは、LSI開発で長年培ってきた無線通信技術およびデジタル・アナログ回路技術をもとに、小型かつ高機能なワイヤレス給電LSIを提供しています。
今回は、アンフェノールがラピステクノロジーの技術協力のもと、筐体を含めたデザインの制約、開発工数増加などの課題を解決できるワイヤレス充電ソリューションを提供します。アンテナとワイヤレス給電LSIを中心とした送受電マッチング*1済みのリファレンスデザインとして、ワイヤレス充電機能の実現をワンストップでサポートすることで、速やかな機器開発に貢献します。
今後も両社は、相互の技術を組み合わせ、NFC*2を用いた通信機能や市場で要求される機能の追加など、付加価値を高めた小型ワイヤレス充電ソリューションの拡充を進めていきます。

Shanghai Amphenol Airwave Communication Electronics Co., Ltd General Manager Sally Yin

「アンフェノールはラピステクノロジーと組むことで、ワイヤレス充電ソリューションとして付加価値を高めることが可能となりました。これにより、顧客は一層の小型化および、開発リードタイムの短縮が可能になります。開発リードタイムの短縮は、新製品開発にとって大きなメリットの一つです。これらのメリットによって、顧客満足度のさらなる向上を果たせることを、大変嬉しく思います。」

ラピステクノロジー株式会社 代表取締役社長 髙嶋 純宏

「アンテナ業界をリードするアンフェノール社と協力してお客様にソリューション提供していけることを光栄に思います。当社のLSI製品と組み合わせることで、市場が直面している課題に対して、最も効率的なソリューションを提供できると確信しています。」

ワイヤレス充電ソリューション提供イメージ

<各社技術の概要>

1.アンフェノールのアンテナ技術

アンフェノールは、長年培ってきた経験やノウハウから薄型かつ小型のアンテナ設計を可能にします。LDS*3やFPCアンテナ*4を中心とした、3Dの筐体に適したアンテナの提案力が強みの一つです。これにより、PCBアンテナ*4では難しかった、筐体に沿ってアンテナを配置することが可能となります。デザイン性を確保するだけでなく、省スペースを実現し、アプリケーションの小型化に貢献します。

アンフェノールの薄型かつ小型のアンテナ技術

2.ラピステクノロジーのワイヤレス給電技術

ラピステクノロジーのワイヤレス給電チップセットは、送受電に必要な制御回路を内蔵しており、システムサイズの小型化を実現すると同時に、ユーザーによるマイコンのプログラム開発を不要にすることで、リードタイムの短縮に貢献します。また、電力の送受電にNFCと同じ13.56MHzの周波数帯を採用しているため、アンテナの小型化に寄与します。

ワイヤレス給電システムサイズの比較(受電部)
ワイヤレス給電に必要な制御回路を内蔵した小型パッケージ

<会社説明>

Shanghai Amphenol Airwave Communication Electronicsについて

Shanghai Amphenol Airwave Communication Electronicsはアンフェノールグループのアンテナメーカーです。高度なアンテナ技術を持ち、数々の世界最大手のデジタルガジェット顧客向けにアンテナの開発・製造・販売をしています。詳細については、公式ウェブサイト(https://www.amphenol-mcp.com/)をご参照ください。

ラピステクノロジーについて

ラピステクノロジーは、無線通信LSI、マイコン、画像LSI、電池監視LSIなどの開発を行っているロームグループのLSIメーカーです。長年培った高周波回路技術、デジタル・アナログ混載技術、無線通信市場で培った実績・技術が強みです。これらの強みを生かして、2018年からワイヤレス充電市場へも商品をリリースしています。詳細については公式ウェブサイト(https://www.lapis-tech.com)をご覧ください。

<用語説明>

*1) マッチング:送電と受電のアンテナ間で、エネルギーのロスを減らす調整のこと。このマッチング調整にはアンテナ設計技術と基板レイアウト設計技術を要する。

*2) NFC:近距離無線通信規格「Near Field Communication(NFC)」の略称。13.56MHzの周波数を使用して、軽く触れる程度の距離で通信する近距離無線通信技術のこと。

*3) LDS:Laser Direct Structuringの略で、アンテナを3次元のプラスチック上に製造できるプロセス技術。アンテナ部品が不要になるためアプリケーションの小型化に適している。

*4) アンテナ:FPCアンテナは、PCBアンテナに比べ、薄くて軽いため、曲げることができるフレキシブルなアンテナ。PCBアンテナは、プリント基板(PCB)に直接実装されたアンテナ。電子回路と統合できるため、製造リードタイムの短縮が可能。