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Leadrive TechnologyとロームがSiC搭載車載インバータ開発用、共同研究所を開設

2020年6月23日

中国の新エネルギー自動車向け駆動分野の先進企業であるLeadrive Technology (Shanghai) Co.,Ltd.(以下、LEADRIVE)とローム株式会社(以下、ローム)は、中国(上海)自由貿易区試験区臨港新区にて、「SiC技術共同研究所」を開設、2020年6月9日に除幕式を実施しました。

SiCパワーデバイスは、IGBT*1などのSi(シリコン)パワーデバイスに比べて、「スイッチング損失・導通損失*2が少ない」「温度変化に強い」などの利点があることから、劇的な低損失化を実現できる半導体として、電気自動車のオンボードチャージャーやDC/DCコンバータなどで採用が進んでいます。

LEADRIVEとロームは、2017年より協力関係にあり、これまで両社でSiCパワーデバイスを搭載した車載アプリケーション開発について深く技術交流をしてきました。今回、ロームのSiC MOSFET*3ベアチップや絶縁ゲートドライバを活用した車載パワーモジュール・インバータ開発のための共同研究所を開設したことで、今後両社は、SiCを中心とした革新的なパワーソリューション開発をさらに加速していきます。

Leadrive Technology (Shanghai) Co.,Ltd. 董事長兼総経理 沈捷(博士)
新エネルギー自動車に対してSiCチップを搭載したSiCパワーモジュールの採用は、今後数年間で業界のトレンドになります。全世界の資源を収集し研究開発を加速することで、成熟したSiC搭載製品の商品化を実現できれば、車載Tier1メーカーとして非常に強い競争力を確保することにつながります。
ロームとは、LEADRIVE創立から強い協力関係にあります。この共同研究所を通じて、さらに協力関係を深めていきたいと思います。

ローム株式会社 執行役員 パワーデバイス事業本部長 伊野和英(博士)
ロームは、SiCパワーデバイスのリーディングカンパニーとして、業界をリードするデバイス技術と駆動IC等を組み合わせたパワーソリューションの提供実績を誇っており、xEVのアプリケーションに対してSiCの普及に注力しております。
SiCパワーデバイスの技術開発において顧客ニーズや市場動向の把握は非常に重要な要素です。LEADRIVEは車載のパワーモジュールとインバータメーカーとして、SiCの応用研究に重要な役割を果たしてくれます。この共同研究所を通して双方の協力関係を強化し、SiCを中心としたパワーソリューションで自動車の技術革新に貢献してまいります。

LEADRIVEについて
LEADRIVEは、2017年に設立され、新エネルギー自動車(New Energy Vehicles)に向けて、高度な半導体を搭載したパワーモジュールと、モータ・インバータによるパワーソリューションを提供するハイテク企業です。最先端の研究開発およびアプリケーション設計能力を活用して、高性能かつ低コストの製品を開発しています。 また、SiCベアチップを採用したSiCパワーモジュールおよびシステムの開発において10年以上の経験を蓄積しています。100を超える国際特許を取得するなど、新エネルギー、電力変換、パワーエレクトロニクスの主要3分野において、国際水準の技術を保持しています。
詳細については、LEADRIVEのウェブサイト(http://www.leadrive.com/)をご覧ください。

<用語説明>

*1) IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)
MOSFET の高速スイッチング特性とバイポーラ・トランジスタの低導通損失特性を併せ持ったパワートランジスタのこと。

*2) 導通損失、スイッチング損失
MOSFETやIGBTなどトランジスタではデバイス構造上、使用時に損失が生じてしまう。導通損失は、デバイスに電流が流れる際(ON状態時)に、デバイスの抵抗成分によって発生する損失。スイッチング損失は、デバイスの通電状態を切り替える(スイッチング動作時)際に発生する損失。

*3) MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistorの略)
金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタのことで、FETの中では最も一般的に使用されている構造である。スイッチング素子として使われる。

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