2019年6月4日※2019年6月4日現在 ローム調べ<要旨>ローム株式会社(本社:京都市)の提供する無線通信モジュールが、電池駆動を行うスマートメーター用の新しい国際無線通信規格、「Wi-SUN*1JUTA*2」のWi-SUNアライアンス認証を業界で初めて取得しました。「Wi-SUN JUTA」は、NPO法人テレメータリング推進協議会(JUTA)が制定したテレメータリング用無線通信規格「Uバスエア」の無線通信層に対応し、相互通信を可能にした無線通信規格です。電池で10年以上動作できる超低消費電力の無線通信を実現するため、電池駆動のスマートメーターに最適です。また、見守り用途など、各種センサーを活用したIoTシステムの構築にも活用できます。ロームは Wi-SUNアライアンスメンバーとして、JUTA会員の東京ガス株式会社(以下、東京ガス)と共同で「Wi-SUN JUTA」に向けた製品開発を規格策定の段階から行ってきました。そして、2018年11月から東京ガスに量産提供している無線通信モジュールが、2019年5月に正式リリースされた「Wi-SUN JUTA」において、認証試験用の基準器(CTBU: Certified Test Bed Unit)として採用されるとともに、業界でいち早くアライアンス認証を取得しています。今後ロームは、2019年6月より「Wi-SUN JUTA」対応無線通信モジュールを電池駆動のスマートメーターやIoTシステム向けにカスタム製品としてサンプル出荷を開始し、利便性の高い安心・安全なIoTネットワークの構築に貢献していきます。<採用事例、東京ガスの「くらし見守りサービス」について>東京ガスは、新たな無線通信方式に対応する機能を搭載したセンサーを活用し、スマートフォン・タブレット端末向け専用アプリで自宅や家族を見守ることができる新たな「くらし見守りサービス」を、2019年2月28日より販売しています。「くらし見守りサービス」は、自宅のドアや窓に設置したセンサーや家族が携帯するセンサーを、自宅に設置するホームゲートウェイを介して専用アプリと連動させることで、外出先から、自宅のドアや窓の施錠状態・開閉状況および家族の帰宅を確認できるサービスです。本サービスは、各センサーとホームゲートウェイ間の無線通信方式にWi-SUN JUTA規格に準拠するF-RIT方式*3を活用し、見守りサービスに求められる高い通信信頼性を実現しています。また、各センサーと専用アプリを連動させるために必要な、東京ガスのセンターシステムとホームゲートウェイ間の通信に専用LTE回線を使用するため、自宅にインターネット環境がなくても利用できます。なお、東京ガス株式会社で「Wi-SUN JUTA」の開発に携わり、かつWi-SUNアライアンスでJUTA WGの座長を務めた川田 拓也様は下記をコメントされています。『東京ガスは、「Wi-SUN JUTA」の仕様策定段階からローム株式会社と議論を進めてきました。「Wi-SUN JUTA」が電池駆動のアプリケーションに最適だったことから、いち早く「くらし見守りサービス」に対してローム製無線通信モジュールを採用されました。「Wi-SUN JUTA」が正式リリースされたことで、ガススマートメーターやIoTサービスのネットワークがさらに広がることを期待しています。』<Wi-SUN JUTAの特長>1.電池駆動のスマートメーターで10年以上の動作が可能Wi-SUN JUTAは、独自の間欠動作(一定間隔で送受信する以外、全てスリープ)を行うことで、受信時間を極めて短くしており、同じ920MHz帯特定小電力無線を扱う従来のWi-SUN(Wi-SUN Enhanced HANの通常モード)と比較して消費電流を98%以上削減しています(ビーコン周期5秒時に消費電流0.048mA)。このため、電池駆動のガススマートメーターや水道スマートメーターなどを10年以上動作させることが可能です。 2.多数のアプリケーションが混在するエリアでも高信頼の通信が可能送信機が通信を開始するにあたり、一般的な低消費電力無線通信では連続で送信動作を行いますが、Wi-SUN JUTAではビーコンをキャッチするまで受信動作を行い、この間電波を占有する送信動作を行いません。したがって端末数、通信回数が増えた場合でも電波占有時間が増えにくく、安定した通信を行うことができます。<東京ガスへ提供した無線通信モジュールの特長>1.高信頼のメッシュネットワークを構築可能最大4ホップまでのマルチホップ通信(中継機能)をサポートしているため、故障などで使えなくなった経路が発生した場合に、送信先に達するまで継続的に経路を再構成するメッシュネットワークを構築することができます。2.セキュリティ機能内蔵セキュリティ機能を内蔵し、通信の暗号化とセキュリティ鍵の更新を無線通信モジュール側でサポートしているため、ホスト側で複雑な処理をすることなく、簡単にセキュアな通信を行うことができます。<Wi-SUNの種類>Wi-SUN通信規格名特長・用途消費電力アプリケーション例Wi-SUN Enhanced HAN1回中継可能、低消費電力モード有、ECHONET Liteに対応△/○※動作モードによる家電、電力メーター、家庭内環境制御装置Wi-SUN FAN多段中継可能、高セキュリティ、IP通信×屋外インフラ設備、自動販売機Wi-SUN JUTA低消費電力、耐干渉性に優れる、Uバスエアに対応○電池駆動のスマートメーターやIoT機器(見守り用途など)<用語説明 / 参考文献>*1)国際無線通信規格「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」特定小電力無線やSub-GHz(サブギガヘルツ)といわれる無線周波数帯を使用する無線通信規格のこと。日本では920MHz帯に相当する。無線LAN(Wi-Fi)と比較して低消費電力で通信距離が長いという利点から、スマートメーターや交通インフラなどのスマートコミュニティの他、医療や工場、農業など幅広い分野への展開が期待されている。*2)JUTA(Japan Utility Telemetering Association / NPO法人テレメータリング推進協議会)JUTAは、ガス会社、デバイスメーカー、システムインテグレーターなど約85の企業・団体で構成された非営利団体で、エネルギー使用量の「見える化」の推進により低炭素社会の実現に寄与するとともに、利用者の安全・安心の確保、見守りサービス等の普及推進、企業の業務合理化・効率化などを目的とし、テレメータリングシステムに関する技術標準化などを行っている。*3)F-RIT方式参考文献藤原 純, 原田 博司, 川田 拓也, 坂元 賢太郎, 土屋 創太, 水谷 圭一「IEEE 802.15.4/4e準拠無線スマートユーティリティネットワーク用超低消費電力MAC方式」,『電気学会論文誌C』2016年136巻11号,pp. 1555-1566この件に関するお問い合わせはこちら
業界初※、ロームの無線通信モジュールが、
スマートメーター向けの新・無線通信規格「Wi-SUN JUTA」認証を取得
2019年6月4日
※2019年6月4日現在 ローム調べ
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)の提供する無線通信モジュールが、電池駆動を行うスマートメーター用の新しい国際無線通信規格、「Wi-SUN*1JUTA*2」のWi-SUNアライアンス認証を業界で初めて取得しました。
「Wi-SUN JUTA」は、NPO法人テレメータリング推進協議会(JUTA)が制定したテレメータリング用無線通信規格「Uバスエア」の無線通信層に対応し、相互通信を可能にした無線通信規格です。電池で10年以上動作できる超低消費電力の無線通信を実現するため、電池駆動のスマートメーターに最適です。また、見守り用途など、各種センサーを活用したIoTシステムの構築にも活用できます。
ロームは Wi-SUNアライアンスメンバーとして、JUTA会員の東京ガス株式会社(以下、東京ガス)と共同で「Wi-SUN JUTA」に向けた製品開発を規格策定の段階から行ってきました。そして、2018年11月から東京ガスに量産提供している無線通信モジュールが、2019年5月に正式リリースされた「Wi-SUN JUTA」において、認証試験用の基準器(CTBU: Certified Test Bed Unit)として採用されるとともに、業界でいち早くアライアンス認証を取得しています。
今後ロームは、2019年6月より「Wi-SUN JUTA」対応無線通信モジュールを電池駆動のスマートメーターやIoTシステム向けにカスタム製品としてサンプル出荷を開始し、利便性の高い安心・安全なIoTネットワークの構築に貢献していきます。
<採用事例、東京ガスの「くらし見守りサービス」について>
東京ガスは、新たな無線通信方式に対応する機能を搭載したセンサーを活用し、スマートフォン・タブレット端末向け専用アプリで自宅や家族を見守ることができる新たな「くらし見守りサービス」を、2019年2月28日より販売しています。
「くらし見守りサービス」は、自宅のドアや窓に設置したセンサーや家族が携帯するセンサーを、自宅に設置するホームゲートウェイを介して専用アプリと連動させることで、外出先から、自宅のドアや窓の施錠状態・開閉状況および家族の帰宅を確認できるサービスです。本サービスは、各センサーとホームゲートウェイ間の無線通信方式にWi-SUN JUTA規格に準拠するF-RIT方式*3を活用し、見守りサービスに求められる高い通信信頼性を実現しています。また、各センサーと専用アプリを連動させるために必要な、東京ガスのセンターシステムとホームゲートウェイ間の通信に専用LTE回線を使用するため、自宅にインターネット環境がなくても利用できます。
なお、東京ガス株式会社で「Wi-SUN JUTA」の開発に携わり、かつWi-SUNアライアンスでJUTA WGの座長を務めた川田 拓也様は下記をコメントされています。
『東京ガスは、「Wi-SUN JUTA」の仕様策定段階からローム株式会社と議論を進めてきました。「Wi-SUN JUTA」が電池駆動のアプリケーションに最適だったことから、いち早く「くらし見守りサービス」に対してローム製無線通信モジュールを採用されました。「Wi-SUN JUTA」が正式リリースされたことで、ガススマートメーターやIoTサービスのネットワークがさらに広がることを期待しています。』
<Wi-SUN JUTAの特長>
1.電池駆動のスマートメーターで10年以上の動作が可能
Wi-SUN JUTAは、独自の間欠動作(一定間隔で送受信する以外、全てスリープ)を行うことで、受信時間を極めて短くしており、同じ920MHz帯特定小電力無線を扱う従来のWi-SUN(Wi-SUN Enhanced HANの通常モード)と比較して消費電流を98%以上削減しています(ビーコン周期5秒時に消費電流0.048mA)。このため、電池駆動のガススマートメーターや水道スマートメーターなどを10年以上動作させることが可能です。
2.多数のアプリケーションが混在するエリアでも高信頼の通信が可能
送信機が通信を開始するにあたり、一般的な低消費電力無線通信では連続で送信動作を行いますが、Wi-SUN JUTAではビーコンをキャッチするまで受信動作を行い、この間電波を占有する送信動作を行いません。したがって端末数、通信回数が増えた場合でも電波占有時間が増えにくく、安定した通信を行うことができます。
<東京ガスへ提供した無線通信モジュールの特長>
1.高信頼のメッシュネットワークを構築可能
最大4ホップまでのマルチホップ通信(中継機能)をサポートしているため、故障などで使えなくなった経路が発生した場合に、送信先に達するまで継続的に経路を再構成するメッシュネットワークを構築することができます。
2.セキュリティ機能内蔵
セキュリティ機能を内蔵し、通信の暗号化とセキュリティ鍵の更新を無線通信モジュール側でサポートしているため、ホスト側で複雑な処理をすることなく、簡単にセキュアな通信を行うことができます。
<Wi-SUNの種類>
※動作モードによる
<用語説明 / 参考文献>
*1)国際無線通信規格「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」
特定小電力無線やSub-GHz(サブギガヘルツ)といわれる無線周波数帯を使用する無線通信規格のこと。日本では920MHz帯に相当する。無線LAN(Wi-Fi)と比較して低消費電力で通信距離が長いという利点から、スマートメーターや交通インフラなどのスマートコミュニティの他、医療や工場、農業など幅広い分野への展開が期待されている。
*2)JUTA(Japan Utility Telemetering Association / NPO法人テレメータリング推進協議会)
JUTAは、ガス会社、デバイスメーカー、システムインテグレーターなど約85の企業・団体で構成された非営利団体で、エネルギー使用量の「見える化」の推進により低炭素社会の実現に寄与するとともに、利用者の安全・安心の確保、見守りサービス等の普及推進、企業の業務合理化・効率化などを目的とし、テレメータリングシステムに関する技術標準化などを行っている。
*3)F-RIT方式参考文献
藤原 純, 原田 博司, 川田 拓也, 坂元 賢太郎, 土屋 創太, 水谷 圭一
「IEEE 802.15.4/4e準拠無線スマートユーティリティネットワーク用超低消費電力MAC方式」,
『電気学会論文誌C』2016年136巻11号,pp. 1555-1566
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