業界最多ラインアップ、車載信頼性規格 AEC-Q101に準拠したSiC MOSFET
「SCT3xxxxxHRシリーズ」計10機種を追加

2019年3月5日

※2019年3月5日現在 ローム調べ

<要旨>

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ローム株式会社(本社:京都市)は、車載充電器やDC/DCコンバータ※1)向けに、車載信頼性規格AEC-Q101※2)準拠のSiC MOSFET※3)「SCT3xxxxxHRシリーズ」に計10機種を新たに加え、業界最多13機種のラインアップを実現しました。
ロームは2010年に世界で初めてSiC MOSFETの量産化に成功するなど、SiC パワーデバイスにおいて常に業界をリードする製品開発や量産体制の構築を行ってきました。需要が拡大する車載市場においても、車載品質をいち早く確立し、2012年より車載充電器向けにSiCショットキーバリアダイオード(SBD)※4)を、2017年より車載充電器やDC/DCコンバータ向けにSiC MOSFETの供給を開始しています。
今回新たにラインアップした10機種は、トレンチゲート構造※5)を採用した車載対応のSiC MOSFETで、既に2018年12月より月産50万個の体制で量産を開始しています(サンプル価格:500~5,000円/個(税抜)※製品ごとに異なる)。生産拠点は、前工程がローム・アポロ株式会社(福岡県)、後工程がROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)となります。

<背景>

近年、環境意識の高まりや燃料価格の高騰を背景に自動車の電動化が進んでいます。一方、電気自動車(EV)は普及が進んでいるものの、航続距離の短さが課題のひとつとなっています。航続距離を延ばすため、搭載バッテリの容量は増加傾向にあり、それに伴い充電時間の短縮も求められています。これらを実現するためには、より高出力かつ高効率な車載充電器(11kW、22kWなど)が必要とされ、SiC MOSFETを採用するケースが増えています。また、欧州を中心に搭載バッテリの高電圧化(800V)の流れもあり、より高耐圧かつ低損失のパワーデバイスが必要とされています。
こうした市場ニーズに応えるため、ロームは車載信頼性規格AEC-Q101に準拠した製品ラインアップを強化しており、今回でSiC SBDとSiC MOSFET合わせて34機種を量産化していることになり、業界トップの品揃えを誇っています。SiC MOSFETにおいては、650V、1200V耐圧のラインアップを揃え、最適なソリューションを提案しています。

ロームでは、創業以来「品質第一」の企業目的のもと、開発から製造までを一貫してグループ内で行う「垂直統合」システムを採用し、あらゆる工程で高い品質を作り込むとともに、確実なトレーサビリティの実現やサプライチェーンの最適化も図っています。SiCパワーデバイスにおいても、ウエハからパッケージングまで自社一貫生産体制を構築し、生産工程でのブラックボックスをなくすことで、高い品質・信頼性を実現します。
今後はさらなる品質向上に努めるとともに、デバイス性能を高めるラインアップの強化を進め、アプリケーションの小型化、低消費電力化に貢献していきます。

<製品ラインアップ>

世代
(ゲート構造)
品名 VDS
(V)
オン抵抗
(typ.)(mΩ)
ID
(A)
PD
(W)
動作温度範囲
(℃)
パッケージ 標準規格
第3世代
(トレンチゲート構造)

SCT3017ALHR
650 17 118 427 -55~+175 TO-247N AEC-Q101

SCT3022ALHR
22 93 339
SCT3030ALHR 30 70 262

SCT3060ALHR
60 39 165

SCT3080ALHR
80 30 134

SCT3120ALHR
120 21 103

SCT3022KLHR
1200 22 95 427

SCT3030KLHR
30 72 339
SCT3040KLHR 40 55 262

SCT3080KLHR
80 31 165

SCT3105KLHR
105 24 134

SCT3160KLHR
160 17 103
第2世代
(プレーナーゲート構造)
SCT2080KEHR 1200 80 40 262

<ロームのSiCパワーデバイス開発の歴史>

ロームのSiCパワーデバイス開発の歴史

<強みである垂直統合型生産体制>

強みである垂直統合型生産体制

<採用アプリケーションイメージ>

採用アプリケーションイメージ

<用語説明>

*1)DC/DCコンバータ
直流電圧を動作に必要な電源電圧に変換する変換器のこと。
*2)車載信頼性規格AEC-Q101
AECはAutomotive Electronics Councilの略で、大手自動車メーカーと米国の大手電子部品メーカーが集い、制定された車載用電子部品信頼性規格。Q101は、特にディスクリート半導体部品(トランジスタ・ダイオード等)に特化した規格となっている。
*3)MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistorの略)
金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタのことで、FETの中では最も一般的に使用されている構造である。スイッチング素子として使われる。
*4)ショットキーバリアダイオード(Schottky Barrier Diode:SBD)
金属と半導体を接触させることでショットキー接合が形成され、整流性(ダイオード特性)が得られることを利用したダイオード。少数キャリア蓄積効果が無く高速性に優れているという特徴を持つ。
*5)トレンチゲート構造
トレンチは溝を意味する。チップ表面に溝を形成し、その側壁にMOSFETのゲートを形成した構造。プレーナー型MOSFETに構造上存在するJFET抵抗が存在せず、プレーナー構造よりも微細化が可能なため、SiC材料本来の性能に近いオン抵抗が期待できる。
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