2018年7月5日 ※2018年7月5日現在 ローム調べ <要旨> ローム株式会社(本社:京都市)は、微小信号を扱う光センサやソナー、ハードディスクで使われる加速度センサなど、高精度なセンシングを必要とする産業機器アプリケーションに向けて、業界最高の低ノイズCMOS*1オペアンプ「LMR1802G-LB」を開発しました。 LMR1802G-LBは、ロームの「回路設計」「プロセス」「レイアウト」、3つのアナログ技術を融合して開発されており、入力換算雑音電圧密度(以下ノイズ性能)で市場流通品(以下従来品)と比較して約2分の1(1kHz 時2.9nV/√Hz、10Hz 時7.8nV/√Hz)という圧倒的な低ノイズ性能を実現、センサ信号の検出性能を大幅に向上することができるオペアンプです。また、低ノイズ性能と背反になる、位相余裕と容量性負荷の駆動もそれぞれ業界トップクラスの性能(位相余裕68°、容量性負荷500pF)を実現しており、業界最高の低ノイズ性能を備えながら高い安定性をもつ(発振しにくく扱いやすい)製品となっています。これにより、数µVの電圧も正確に増幅できるため、高精度のセンシングを必要とする産業機器や家電の進化に貢献します。 なお、本製品は、2018年6月よりサンプル出荷(サンプル価格 500円/個:税抜)を開始し、2018年10月から当面月産50万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は、前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.になります。なお、本ニュースリリースに合せて、新製品のインターネット販売も開始しており、チップワンストップ、ザイコストア(コアスタッフ)、アールエスコンポーネンツから購入することができます。 今後ロームは、低ノイズオペアンプ開発技術を自社他製品にも展開し、アプリケーションの高精度化とシステムの高信頼化に貢献していきます。 <背景> 近年、IoTの広がりとともに、モバイル機器をはじめ、自動車や産業機器などあらゆるアプリケーションで、高機能化や高度な制御を行うためにセンサが搭載されています。センサは、さまざまな環境・物理的変化を信号に変換するデバイスであり、高精度のものが求められる一方で、省電力化の流れからセンサ周辺回路の低電圧化が進んでいます。 一方、オペアンプは、センサの後段に配置されセンサ出力信号を増幅しますが、センサ出力は微小なアナログ信号であることが多く、信号を高精度に伝達するために、オペアンプの持つノイズに対する要求はより一層厳しくなっています。 ロームは、アナログ設計技術や独自のプロセスなど垂直統合型の生産体制を活かすことで、昨年、車載市場向けに高ノイズ耐量(外部からのノイズに強い)オペアンプを開発しており、今回は産業機器や家電向けに業界最高の低ノイズ(電子回路から発生するノイズが少ない)オペアンプを開発しました。 <特長の詳細> 1.低ノイズなのに使いやすい、業界最高性能の低ノイズCMOSオペアンプ 新製品は、「回路設計(差動入力段の新回路)」「レイアウト(長年培ってきたアナログレイアウト)」「プロセス(低ノイズ向けに最適化)」、ロームの3つのアナログ技術を融合して開発された低ノイズCMOSオペアンプとして、入力換算雑音電圧密度で1kHz 時2.9nV/√Hz、10Hz 時7.8nV/√Hzを達成し、市場流通品比でノイズ量は約2分の1という圧倒的な低ノイズ性能を実現しています。 また、従来はオペアンプの低ノイズ性能を追求する場合、位相余裕と容量性負荷特性が悪化し、すぐに発振するなど回路設計上扱いにくいという課題がありましたが、オペアンプの差動入力段に新回路を導入したことで、業界最高の低ノイズ性能を備えながら業界トップクラスの位相余裕68°と容量性負荷の駆動500pFを両立しています。 これらにより、センサ信号の検出性能を、例えば従来品の2倍に高めるなど大幅に向上させて、数µVの電圧も正確に増幅できるようになるため、高精度をキーワードにするセンサ搭載機器の高機能化に貢献します。 2.誤差となる入力オフセット電圧と入力バイアス電流も極小化 オペアンプはその構成上、入力電圧が0Vのとき出力電圧は0Vとなるべきですが、誤差としてオフセット電圧が発生してしまいます。またセンサ出力のインピーダンスが高い場合にオペアンプの入力バイアス電流が大きいと、センサ出力電圧に影響を与えてしまいます。これら2つの特性はオペアンプの誤差要因として小さいことが求められます。 新製品は、入力オフセット電圧を450µV(従来品の4分の1)、入力バイアス電流を0.5pA(従来品の2分の1)としており、誤差低減の点からも高精度な増幅を可能にします。 <アプリケーション例> ソナーや光センサを搭載する距離計測機器 セキュリティ機器や赤外線リモコン、暗視装置などの赤外線センサ搭載機器 ハードディスクなどの精密動作機器 流量計やガス検知器などの設備管理機器 その他、センサを搭載して高精度検知を必要とする産業機器、民生機器 インターネット販売も開始 <その他の製品仕様> 品番 回路数 電源電圧範囲 入力オフセット電圧 入力バイアス電流 入力換算雑音電圧 動作温度範囲 パッケージ パッケージサイズ LMR1802G-LB 1 2.5V ~ 5.5V ±450µV 0.5pA 2.9nV/√Hz (1kHz) 7.8nV/√Hz (10Hz) -40℃ ~ 125℃ SSOP5 2.9 × 2.8 × 1.25mm <用語説明> *1) CMOS (Complementary metal-oxide-semiconductor、相補型MOSの略称) Bipolarと比較して、入力電流が小さく、低電圧動作に向いているという特徴を持つ。 <関連情報> この件に関するお問い合わせはこちら
業界最高※の低ノイズCMOSオペアンプ「LMR1802G-LB」を開発
光センサやソナーなど、高精度のセンシングを必要とする産業機器の進化に貢献
2018年7月5日
※2018年7月5日現在 ローム調べ
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、微小信号を扱う光センサやソナー、ハードディスクで使われる加速度センサなど、高精度なセンシングを必要とする産業機器アプリケーションに向けて、業界最高の低ノイズCMOS*1オペアンプ「LMR1802G-LB」を開発しました。
LMR1802G-LBは、ロームの「回路設計」「プロセス」「レイアウト」、3つのアナログ技術を融合して開発されており、入力換算雑音電圧密度(以下ノイズ性能)で市場流通品(以下従来品)と比較して約2分の1(1kHz 時2.9nV/√Hz、10Hz 時7.8nV/√Hz)という圧倒的な低ノイズ性能を実現、センサ信号の検出性能を大幅に向上することができるオペアンプです。また、低ノイズ性能と背反になる、位相余裕と容量性負荷の駆動もそれぞれ業界トップクラスの性能(位相余裕68°、容量性負荷500pF)を実現しており、業界最高の低ノイズ性能を備えながら高い安定性をもつ(発振しにくく扱いやすい)製品となっています。これにより、数µVの電圧も正確に増幅できるため、高精度のセンシングを必要とする産業機器や家電の進化に貢献します。
なお、本製品は、2018年6月よりサンプル出荷(サンプル価格 500円/個:税抜)を開始し、2018年10月から当面月産50万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は、前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.になります。なお、本ニュースリリースに合せて、新製品のインターネット販売も開始しており、チップワンストップ、ザイコストア(コアスタッフ)、アールエスコンポーネンツから購入することができます。
今後ロームは、低ノイズオペアンプ開発技術を自社他製品にも展開し、アプリケーションの高精度化とシステムの高信頼化に貢献していきます。
<背景>
近年、IoTの広がりとともに、モバイル機器をはじめ、自動車や産業機器などあらゆるアプリケーションで、高機能化や高度な制御を行うためにセンサが搭載されています。センサは、さまざまな環境・物理的変化を信号に変換するデバイスであり、高精度のものが求められる一方で、省電力化の流れからセンサ周辺回路の低電圧化が進んでいます。
一方、オペアンプは、センサの後段に配置されセンサ出力信号を増幅しますが、センサ出力は微小なアナログ信号であることが多く、信号を高精度に伝達するために、オペアンプの持つノイズに対する要求はより一層厳しくなっています。
ロームは、アナログ設計技術や独自のプロセスなど垂直統合型の生産体制を活かすことで、昨年、車載市場向けに高ノイズ耐量(外部からのノイズに強い)オペアンプを開発しており、今回は産業機器や家電向けに業界最高の低ノイズ(電子回路から発生するノイズが少ない)オペアンプを開発しました。
<特長の詳細>
1.低ノイズなのに使いやすい、業界最高性能の低ノイズCMOSオペアンプ
新製品は、「回路設計(差動入力段の新回路)」「レイアウト(長年培ってきたアナログレイアウト)」「プロセス(低ノイズ向けに最適化)」、ロームの3つのアナログ技術を融合して開発された低ノイズCMOSオペアンプとして、入力換算雑音電圧密度で1kHz 時2.9nV/√Hz、10Hz 時7.8nV/√Hzを達成し、市場流通品比でノイズ量は約2分の1という圧倒的な低ノイズ性能を実現しています。
また、従来はオペアンプの低ノイズ性能を追求する場合、位相余裕と容量性負荷特性が悪化し、すぐに発振するなど回路設計上扱いにくいという課題がありましたが、オペアンプの差動入力段に新回路を導入したことで、業界最高の低ノイズ性能を備えながら業界トップクラスの位相余裕68°と容量性負荷の駆動500pFを両立しています。
これらにより、センサ信号の検出性能を、例えば従来品の2倍に高めるなど大幅に向上させて、数µVの電圧も正確に増幅できるようになるため、高精度をキーワードにするセンサ搭載機器の高機能化に貢献します。
2.誤差となる入力オフセット電圧と入力バイアス電流も極小化
オペアンプはその構成上、入力電圧が0Vのとき出力電圧は0Vとなるべきですが、誤差としてオフセット電圧が発生してしまいます。またセンサ出力のインピーダンスが高い場合にオペアンプの入力バイアス電流が大きいと、センサ出力電圧に影響を与えてしまいます。これら2つの特性はオペアンプの誤差要因として小さいことが求められます。
新製品は、入力オフセット電圧を450µV(従来品の4分の1)、入力バイアス電流を0.5pA(従来品の2分の1)としており、誤差低減の点からも高精度な増幅を可能にします。
<アプリケーション例>
インターネット販売も開始
<その他の製品仕様>
7.8nV/√Hz (10Hz)
<用語説明>
<関連情報>
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