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NXP「i.MX 8Mアプリケーション・プロセッサ」に最適な
パワーマネジメントIC「BD71837MWV」を開発
スマートスピーカーやネットワークオーディオなど、最新民生機器の長時間駆動・小型化に貢献

2018年5月29日

※2018年5月29日現在 ローム調べ

<要旨>

BD71837MWV Package

ローム株式会社(本社:京都市)は、NXP® Semiconductors (以下、NXP社)のアプリケーション・プロセッサ「i.MX 8Mファミリ」に最適な高効率パワーマネジメントIC(以下、PMIC)「BD71837MWV」を開発しました。
「i.MX 8Mファミリ」は、音声・音楽、映像の処理に優れたアプリケーション・プロセッサとして、家庭用のオーディオ/ビデオから工業用ビルオートメーション、モバイルコンピューターに至るまで、幅広いアプリケーションに最適な製品です。
BD71837MWV」は、これまでロームが培ってきたプロセッサ向け電源技術を駆使して、i.MX 8Mプロセッサに必要な電源系統(パワー・レイル)と機能を集積化したPMICです。最高電力変換効率95%の高効率DC/DCコンバータ*1をはじめ、システムに必要な電源や保護機能を1チップで供給すると同時に、i.MX 8Mプロセッサに合わせた電源のON/OFFシーケンサーを内蔵しているため、小型化はもちろんのこと、アプリケーション設計を容易にして、開発期間の大幅な削減に貢献します。
NXP社のi.MX シニア・マーケティング・ダイレクターであるLeonardo Azevedo氏は、「ロームはi.MXのエコシステムを実現する上で、大切なパートナーです。BD71837MWVは、i.MX 8Mプロセッサを採用する時に、シングルチップのパワーソリューションを求めるお客様にとって最適なデバイスです。」とコメントしています。
本製品は2018年6月よりサンプル出荷(800円/個:税抜)を開始し、同年10月から月産40万個の体制で量産を行なう予定です。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。
今後もロームは、省電力化やシステム最適化に貢献する製品・技術を開発し、社会に貢献していきます。

<背景>

i.MXアプリケーション・プロセッサとロームのPMIC開発 近年、IoT技術の発展により、電子機器にはスマートスピーカーのボイスコマンドやストリーミングオーディオ/ビデオように、ユーザーとのインタラクション(対話・相互作用)が求められるようになっています。
NXP社の「i.MX 8Mファミリ」は、最大4個のArm® Cortex®-A53コアとCortex-M4コア、フレキシブルなメモリオプション、高速接続可能なインターフェースを備えています。また、フル4K Ultra HD解像度とHDRビデオ機能、オーディオの高忠実再生、最大20のオーディオチャネル、DSD512オーディオを提供します。オーディオ/ビデオと機械学習を組み合わせた1つのプラットフォームを実現し、シームレスなコネクティビティと直観的体験を提供します。
ロームは長年培ってきたアナログ設計技術やパワー系プロセスを駆使することで、NXP社のi.MXアプリケーション・プロセッサに最適なPMICを開発しています。

 

<新製品の特長>

1.i.MX 8Mファミリに必要な電源機能を1チップで供給

BD71837MWVのブロック図

BD71837MWV」は、「i.MX 8M ファミリ」プロセッサの電源系統に合わせて電源回路を設計しており、制御ロジック、降圧DC/DCコンバータ(Buck Converter)8ch、LDO*27chを集積し、プロセッサだけでなくアプリケーションで必要とされるDDRメモリにも1チップで電源供給が可能です。加えて、SDXCカード用1.8V/3.3Vスイッチ、32.768kHz水晶振動子のバッファ、さまざまな保護機能(電源系統ごとの出力短絡、出力過電圧、出力過電流やサーマルシャットダウン)を内蔵しています。
最高電力変換効率95%の降圧DC/DCコンバータを搭載し、入力電圧は1セルのLi-IonバッテリーからUSBまで幅広い範囲(2.7V~5.5V)で動作することができるため、i.MX 8Mプロセッサが適用される分野に最適なPMICとなっています。

 

2.小型QFNパッケージで、省スペース化に貢献

省スペース化と部品点数削減に貢献

1つの小型QFNパッケージ(8mm × 8mm, 高さ1mm Max, 0.4mm pitch, 68pin)で必要な電源機能を供給すると同時に、PMICの端子配置はi.MX 8MプロセッサとDDRメモリへの接続が容易になるように考慮されており、基板レイアウト設計時の負荷軽減に貢献します。新製品と同じ電源系統をディスクリート部品で構成した場合に比べて、部品点数を56個、実装面積を45%削減することが可能です(片面実装、Type-3 PCBを想定した場合)。また、両面実装にするとわずか400mm2以下の省スペースで電源機能を構成することも可能です。

 

3.システムの用途に合わせたカスタマイズが可能

新製品には、アプリケーション設計を柔軟にするために、i.MX 8Mプロセッサがサポートするパワーモード(RUN、IDLE、SUSPEND、SNVS、OFF)に対応したシーケンサーを搭載しています。I2CインターフェースとOTP(One Time Programmable ROM)を通じて、システムが求める機能やメモリの種類に合わせて、各電源の出力電圧やON/OFF制御、保護機能の有効・無効、さらにはパワーモードの遷移条件をカスタマイズすることで、用途に合わせて最適なアプリケーション設計を実現できます。

4.i.MX 8Mプロセッサとの動作確認済みで、アプリケーション開発時間を短縮

i.MX 8M製品と組み合わせた動作も確認済みであるため、アプリケーション開発時間を短縮し、タイムリーに市場へ製品をリリースすることができます。ロームからは、設計の際に必要な周辺アプリケーションに関する設計ガイドライン、リファレンス回路・レイアウトを準備しています。さらに電源単体評価やカスタマイズの際に事前確認できるPMIC単体の評価ボードも提供可能です。

詳細は下記URLよりご覧ください。
http://www.rohm.co.jp/web/japan/products/-/product/BD71837MWV

<新製品の機能概要>

- 入力電圧2.7V ~ 5.5V
- 降圧DC/DCコンバータ x 8ch
- LDO x 7ch
- SDカード駆動用パワーマルチプレクサ搭載
- 32.768kHz 水晶発振回路内蔵
- 多彩な保護機能搭載(ソフトスタート機能、パワー・レールエラー検出、過電圧保護、過電流保護など)
- I2Cインターフェース対応(Max 1MHz)
- 割り込み機能(マスク機能付き)

<用語説明>

*1) DC/DCコンバータ
DC/DCコンバータは、電源ICの一種で直流(DC)から直流へ電圧を変換する機能を持つ。一般的に電圧を下げる“降圧”、電圧を上げる“昇圧”が存在する。
*2) LDOレギュレータ (Low Drop Out レギュレータ / 低飽和レギュレータ)
入力と出力の電圧差が低く、リニアレギュレータ(入出力電圧が線形動作する)と言われる区分の電源ICに該当する。
DC/DCなどのスイッチングレギュレータと比較して、回路構成が簡単でノイズが少ないなどの特長を持つ。
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