車載向け2.7V~36V入力 2A 昇圧機能付1ch 降圧DC/DC コンバータ - BD8P250MUF-C

BD8P250MUF-Cは昇圧コントロール機能を備えた同期整流降圧DC/DCコンバータです。コールドクランキングなどの入力電圧低下時に出力電圧の低下が許容される場合には降圧DC/DCコンバータとして使用、出力電圧を保持する必要がある場合には専用の昇圧FETを接続し昇降圧DC/DCとして使用することができ、様々な要求に応じて共通設計を可能としたDC/DCコンバータです。Quick Buck Booster®技術により昇降圧動作時にも高速応答が実現でき、出力コンデンサの容量値を低減させることが可能となります。

Quick Buck Booster®概要

ロームではアナログ設計技術やパワー系プロセスを駆使して実現する、ローム独自の高速パルス制御技術「Nano Pulse Control®」を応用した昇降圧テクノロジ、「Quick Buck Booster®」を開発。 応答性を大幅に改善し、出力コンデンサの容量値を大幅に低減すると同時に、降圧コンバータと昇降圧コンバータの共通設計を可能にしました。

Quick Buck Booster<sup>®</sup>概要

昇圧比を固定化するという新発想

昇圧比を固定化するという新発想

従来の昇降圧コンバータでは、降圧・昇圧それぞれ2つのスイッチを組み合わせた4スイッチ構成が一般的で、入力電圧に応じ降圧・昇圧それぞれのスイッチを駆動するPWM(Pulse WidthModulation)信号を個別に細かく制御する必要があったため、制御が複雑になっていました。つまり、昇圧と降圧2つの頭脳が出力を随時相談しあうために、応答性を改善できませんでした。これに対しロームは、昇圧側の制御を行なわず昇圧比を固定し、降圧側のみを制御するという新発想を導入。昇圧側の制御を不要、つまりは頭脳を1つとすることにより、入力電圧変動に対する応答性を大きく向上させました。
加えて、1チップ化という流れに囚われることなく、降圧を基本形としながら、それに昇圧専用ICをオプション的に付加して昇降圧を実現する2チップ構成にすることで、共通化が図れます。

降圧コンバータの性能をそのまま昇降圧として活かせる技術

降圧コンバータの性能をそのまま昇降圧として活かせる技術

Quick Buck Booster®を搭載することで、従来の昇降圧電源と比べて性能面で優位な降圧電源の特性を損なうことなく、昇降圧電源への切り換えることができます。つまり、ロームの高性能の降圧コンバータの性能をそのまま昇降圧に活かすことができ、低消費電流化やコンデンサの小型化・削減などを実現することができます。

特長1 高速応答

昇降圧コンバータの応答特性を大幅に改善。
出力コンデンサの容量を1/2に低減。

Quick Buck Booster®を搭載した昇降圧電源チップセットでは、出力電圧の変動を±100mVに抑え、その変動時間を大幅に短縮。クランキング時におけるECUの安定動作を実現しました。従来、応答性を改善するために出力側に付加していたコンデンサの容量を半減させることが可能となり、コストダウンや省スペース化にも貢献します。

昇降圧コンバータの応答特性を大幅に改善。出力コンデンサの容量を1/2に低減。

特長2 共通設計①

降圧と昇降圧の共通設計を実現。電源回路設計の手間を軽減。

BD8P250MUF-Cは1チップで優れた降圧コンバータとして動作すると同時に、昇圧専用ICを付加することで昇降圧チップセットとして使用できます。これはお客様の目線に立った考え方であり、下の図のように、同一基板上の同一外付け部品において、昇圧専用ICを付加することで、車種によって異なるバッテリ電圧の最小値に関係なく、降圧と昇降圧の共通設計が可能となります。また、切り換えた際の手間を軽減するために、位相補償をICに内蔵。電源設計の省力化をサポートします。

降圧と昇降圧の共通設計を実現。電源回路設計の手間を軽減。

特長3 共通設計②

基盤設計共通化で、電源に関する開発工数を50%削減。

基板設計を共通化することで、昇降圧電源と降圧電源をそれぞれ設計する場合に比べて、1つの電源を検討・評価するだけ済むため、開発工数を50%削減できます。

基盤設計共通化で、電源に関する開発工数を50%削減。

特長4 高効率

低消費電流を実現。軽負荷時の効率が大きく向上。
ロームが培ってきた低消費電流技術を駆使し12Vのバッテリ電圧から5Vの出力電圧を得る際に8μAという極めて低い無負荷時消費電流を実現。これにより、軽負荷・無負荷時の効率を大幅に向上させ、出力電流負荷が0.1mAの際に降圧・昇降圧ともに73%という高い効率を達成しました。

低消費電流を実現。軽負荷時の効率が大きく向上。

特長5 低EMI

厳しい国際規格を余裕を持ってクリアできる低ノイズ。
DC/DCコンバータに必ず求められる要件が低ノイズです。下のグラフは、12Vの入力から5Vの出力電圧を得る際のEMIの平均値とピーク値を示しています。この製品は2.2MHzで動作するため、通常2.2MHzや4.4MHzなどにノイズのピークが出現しますが、クロック周波数にわずかな変動を与えるスペクトラム拡散機能によりピークを抑え、EMIを大きく低減。厳格な国際規格として知られる「CISPR25 Class5※」の規格値を余裕を持ってクリアしています。

厳しい国際規格を余裕を持ってクリアできる低ノイズ。