※2023年3月7日現在ローム調べ
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、車載機器や産業機器のハイパワーアプリケーションに向けて、定格電力12Wクラスでは業界最低背となる金属板シャント抵抗器「PSR350」を開発しました。また、定格電力15Wクラスで業界最小を実現した「PSR330」及び「PSR100」の0.2mΩも製品化を予定しており、「PSRシリーズ」のラインアップを強化していきます。
PSR350は、垂直統合型生産体制を構築しているロームの強みを活かし、使用する材料及び製造工程を最適化したことで、定格電力12Wクラスでありながら従来品の約半分となる高さ0.85mmの低背パッケージを実現。車載の主機インバータ等で採用の進む、両面冷却パワーモジュールにパワーデバイスチップ(IGBTやSiC MOSFET)とパワーシャント抵抗器を内蔵可能です。これにより、主機インバータの小型化に貢献します。
PSR330は、上記PSR350と同様に材料及び製造工程の最適化により、サイズを小型化しており、定格電力15Wでありながら、同等クラスでは業界最小の6464サイズ(6.4mm×6.4mm)を実現する予定です。定格電力が同等クラスの従来品と比べて、約65%の小型化が可能となるため、幅広いハイパワーアプリケーションの実装面積削減に貢献します。
PSR100は、抵抗値の下限値をこれまでの0.3mΩから拡大した0.2mΩ品を製品化予定であり、さらなる大電流の検出に対応します。
新製品「PSR350」は、月産100万個の体制で量産(サンプル価格500円/個:税抜)を開始しています。また、「PSR330」及び「PSR100」の0.2mΩ品は、2023年11月よりサンプル出荷を開始する予定です。いずれの新製品も生産拠点は前工程、後工程ともにROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)となります。
今後もロームは、金属板シャント抵抗器の性能向上を通じて、ハイパワーアプリケーションの小型化や省エネ化に貢献します。
<背景>
産業機器向けのパワーモジュールにおいては、シャント抵抗器を内蔵した製品が以前から存在していました。また、近年ではxEVの主機インバータにおいて、筐体の小型化を目的として、モジュール両面に冷却機構を備えた薄型のパワーモジュールが増加しており、これにシャント抵抗器を内蔵させたいという要望が増加しています。しかし、従来の金属板シャント抵抗器は製品の高さが高く、パワーデバイスに対する冷却効率を低下させてしまう恐れがありました。また、シャント抵抗器の低背化実現には、何パターンもの溶接材料の試作と評価が必要となります。一方、ロームは垂直統合型生産体制の強みを活かして、様々な溶接材料を小ロットで試作することが可能です。市場のニーズに応じたフレキシブルな開発により、業界最低背のパワーシャント抵抗器を実現しました。
<PSRシリーズについて>
PSRシリーズは、ロームで最も高電力までカバーした金属板シャント抵抗器であり、ハイパワー化の進む車載機器、産業機器での引き合いが増加しています。一般的に、抵抗器における定格電力と製品サイズはトレードオフの関係にあり、双方の値を同時に確保することは困難と言われています。一方、ロームは垂直統合型生産体制を強みとして、小ロット試作による素早い開発サイクルを実現しています。最適な材料選定と製造工程の最適化により、高い定格電力を小型サイズで実現すると同時に、抵抗値温度係数も同等定格電力の一般品と比較して大きく低減。これにより、アプリケーションの小型・高信頼化に貢献します。
<PSRシリーズのラインアップ>
品番 | データ シート | サイズ略称 mm [inch] | 抵抗値 [mΩ] | 定格電力[W](定格端子温度) | 抵抗値 許容差 | 抵抗温度係数 [ppm/℃]*1 | 使用温度 [℃] | 車載対応 AEC-Q200*2 |
---|
低温側 | 高温側 |
---|
PSR100 | - | 6.4×3.2 [2512] | ☆0.2 | 12(120℃) | F (±1%) | 150±50 | -65 ~ +175 | YES |
0.3 | 8(75℃) | 4(140℃) | 0 ~ +150 |
0.5 | 0 ~ +100 |
1.0 | 0 ~ +100 |
2.0 | 6(75℃) | 4(140℃) | 0 ~ +50 |
3.0 | 4(75℃) | 3(140℃) | 0 ~ +50 |
☆PSR330 | - | 6.4×6.4 [2525] | 0.1 | 15(120℃) | F (±1%) | 100±50 | -65 ~ +175 | YES |
0.5 | 8(100℃) | 0 ~ +100 |
1.0 | 6(100℃) | 0 ~ +50 |
PSR350 | | 7.9×5.6 [3222] | 0.27 | 12(120℃) | F (±1%) | 0 ~ +250 | -65 ~ +175 | YES |
PSR400 | - | 10×5.2 [3921] | 0.2 | 12(75℃) | 5(130℃) | F (±1%) | 125±50 | -65 ~ +175 | YES |
0.3 | 10(75℃) | 5(130℃) | 0 ~ +100 |
0.5 | 0 ~ +100 |
1.0 | 8(75℃) | 5(130℃) | 0 ~ +75 |
2.0 | 6(75℃) | 4(115℃) | 0 ~ +75 |
3.0 | 5(70℃) | 3(115℃) | 0 ~ +75 |
PSR500 | - | 15×7.75 [5931] | 0.1 | 15(75℃) | 10(120℃) | F (±1%) | 200±50 | -65 ~ +175 | YES |
0.2 | 0 ~ +150 |
0.3 | 10(75℃) | 7(120℃) | 0 ~ +150 |
0.4 | 0 ~ +150 |
0.5 | 0 ~ +150 |
1.0 | 10(75℃) | 6(120℃) | 0 ~ +75 |
2.0 | 7(70℃) | 4(115℃) | 0 ~ +75 |
☆:開発中
*1(+20℃ ~ +175℃)
*2 AECはAutomotive Electronics Councilの略で、大手自動車メーカーと米国の大手電子部品メーカーが集い、制定された車載用電子部品信頼性規格。
Q200は、特に抵抗、コンデンサ・インダクタ等、受動部品に特化した規格となっている。
<アプリケーション例>
新製品はいずれも大電流検出用途で汎用的に使用可能であり、モーターやリチウムイオンバッテリーを搭載したアプリケーションに最適です。
・車載:EPS、電動コンプレッサ、主機インバータ、OBC、DC-DC、BMS 等
・産業機器:産業機器用パワーモジュール、パワーコンディショナー、電動工具、PVインバータ、サーバー電源、UPS(無停電電源装置)、基地局電源 等
・民生機器:白物家電(エアコン、掃除機、冷蔵庫、洗濯機) 等
車載・産業機器の両面冷却パワーモジュールに最適!
定格電力12Wクラスで業界最低背※0.85mmの金属板シャント抵抗器「PSR350」を開発
定格電力15Wクラスで業界最小※の「PSR330」及び「PSR100」の0.2mΩも製品化予定
※2023年3月7日現在ローム調べ
2023年3月7日
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、車載機器や産業機器のハイパワーアプリケーションに向けて、定格電力12Wクラスでは業界最低背となる金属板シャント抵抗器「PSR350」を開発しました。また、定格電力15Wクラスで業界最小を実現した「PSR330」及び「PSR100」の0.2mΩも製品化を予定しており、「PSRシリーズ」のラインアップを強化していきます。
PSR350は、垂直統合型生産体制を構築しているロームの強みを活かし、使用する材料及び製造工程を最適化したことで、定格電力12Wクラスでありながら従来品の約半分となる高さ0.85mmの低背パッケージを実現。車載の主機インバータ等で採用の進む、両面冷却パワーモジュールにパワーデバイスチップ(IGBTやSiC MOSFET)とパワーシャント抵抗器を内蔵可能です。これにより、主機インバータの小型化に貢献します。
PSR330は、上記PSR350と同様に材料及び製造工程の最適化により、サイズを小型化しており、定格電力15Wでありながら、同等クラスでは業界最小の6464サイズ(6.4mm×6.4mm)を実現する予定です。定格電力が同等クラスの従来品と比べて、約65%の小型化が可能となるため、幅広いハイパワーアプリケーションの実装面積削減に貢献します。
PSR100は、抵抗値の下限値をこれまでの0.3mΩから拡大した0.2mΩ品を製品化予定であり、さらなる大電流の検出に対応します。
新製品「PSR350」は、月産100万個の体制で量産(サンプル価格500円/個:税抜)を開始しています。また、「PSR330」及び「PSR100」の0.2mΩ品は、2023年11月よりサンプル出荷を開始する予定です。いずれの新製品も生産拠点は前工程、後工程ともにROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)となります。
今後もロームは、金属板シャント抵抗器の性能向上を通じて、ハイパワーアプリケーションの小型化や省エネ化に貢献します。
<背景>
産業機器向けのパワーモジュールにおいては、シャント抵抗器を内蔵した製品が以前から存在していました。また、近年ではxEVの主機インバータにおいて、筐体の小型化を目的として、モジュール両面に冷却機構を備えた薄型のパワーモジュールが増加しており、これにシャント抵抗器を内蔵させたいという要望が増加しています。しかし、従来の金属板シャント抵抗器は製品の高さが高く、パワーデバイスに対する冷却効率を低下させてしまう恐れがありました。また、シャント抵抗器の低背化実現には、何パターンもの溶接材料の試作と評価が必要となります。一方、ロームは垂直統合型生産体制の強みを活かして、様々な溶接材料を小ロットで試作することが可能です。市場のニーズに応じたフレキシブルな開発により、業界最低背のパワーシャント抵抗器を実現しました。
<PSRシリーズについて>
PSRシリーズは、ロームで最も高電力までカバーした金属板シャント抵抗器であり、ハイパワー化の進む車載機器、産業機器での引き合いが増加しています。一般的に、抵抗器における定格電力と製品サイズはトレードオフの関係にあり、双方の値を同時に確保することは困難と言われています。一方、ロームは垂直統合型生産体制を強みとして、小ロット試作による素早い開発サイクルを実現しています。最適な材料選定と製造工程の最適化により、高い定格電力を小型サイズで実現すると同時に、抵抗値温度係数も同等定格電力の一般品と比較して大きく低減。これにより、アプリケーションの小型・高信頼化に貢献します。
<PSRシリーズのラインアップ>
シート
mm
[inch]
[mΩ]
許容差
[ppm/℃]*1
[℃]
AEC-Q200*2
[2512]
(±1%)
+175
[2525]
(±1%)
+175
[3222]
(±1%)
+175
[3921]
(±1%)
+175
[5931]
(±1%)
+175
☆:開発中
*1(+20℃ ~ +175℃)
*2 AECはAutomotive Electronics Councilの略で、大手自動車メーカーと米国の大手電子部品メーカーが集い、制定された車載用電子部品信頼性規格。
Q200は、特に抵抗、コンデンサ・インダクタ等、受動部品に特化した規格となっている。
<アプリケーション例>
新製品はいずれも大電流検出用途で汎用的に使用可能であり、モーターやリチウムイオンバッテリーを搭載したアプリケーションに最適です。
・車載:EPS、電動コンプレッサ、主機インバータ、OBC、DC-DC、BMS 等
・産業機器:産業機器用パワーモジュール、パワーコンディショナー、電動工具、PVインバータ、サーバー電源、UPS(無停電電源装置)、基地局電源 等
・民生機器:白物家電(エアコン、掃除機、冷蔵庫、洗濯機) 等
<抵抗値検索ページ>
製品ページでシリーズや抵抗値から検索、サンプル購入ができるようになりました。
https://www.rohm.co.jp/products/resistors
<新製品プレゼン"Featured Products">
車載、産業機器の電流検出用途に最適なPSRシリーズに新サイズが登場
高電力金属板シャント抵抗器 超低抵抗タイプ
PSRシリーズ (PDF:1.9MB)
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