ローム株式会社(本社:京都市)は、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の進展に伴い需要が増大する高速車載通信システム向けに、CAN FD(CAN with Flexible Data rate)*1対応の双方向TVS(ESD保護)ダイオード*2「ESDCANxxシリーズ」を開発しました。CAN FDは、車内のECU(電子制御ユニット)間でリアルタイムかつ安全なデータの送受信に不可欠な通信技術です。新製品は、CAN FDなどの高速通信において伝達信号を劣化させることなく、サージや静電気放電(ESD)からECUなどの電子機器を保護することで、高品質な車載通信を実現します。
「ESDCANxxシリーズ」はSOT-23(2.9mm×2.4mm)とDFN1010(1.0mm×1.0mm)の2種類のパッケージで、それぞれ24Vおよび27Vのスタンドオフ電圧(VRWM)に対応しています。SOT-23パッケージは、24V対応の「ESDCAN24HPY」「ESDCAN24HXY」と27V対応の「ESDCAN27HPY」「ESDCAN27HXY」の4機種。DFN1010パッケージでは、24V対応の「ESDCAN24YPA」「ESDCAN24YXA」と27V対応の「ESDCAN27YPA」「ESDCAN27YXA」の4機種で、計8製品をラインアップしています。
新製品は素子構造の最適化により端子間容量*3を最大3.5pFまで低減し、高速通信時における信号劣化を防止。高い耐サージ特性も実現しており、車載環境における電子機器の保護性能を大幅に向上しています。例えばDFN1010パッケージで提供する27V対応品では、CAN FD対応の相当一般品と比較してサージ耐量*4が約3.2倍に向上し、クランプ電圧*5も約16%低減されています。これにより、車載ECUなどの高価でサージに敏感な電子機器を効果的に保護し、過酷な車載環境でも高い信頼性を提供します。
新製品は、2024年11月より月産50万個の体制で順次量産を開始しています。生産は前工程をローム・アポロ株式会社(福岡県)、後工程がROHM Korea Corporation(韓国)などが担当しています。また、インターネット販売も開始しておりチップワンストップ™やコアスタッフオンライン™などから購入が可能です(サンプル価格100円/個:税抜)。ロームは今後も、車載通信のさらなる高速化に対応する製品を開発し、自動運転や車載通信環境を支え、より安全で先進的なモビリティ社会の実現に貢献していきます。
自動運転を支える高速車載通信システム「CAN FD」に対応した
TVSダイオード「ESDCANxxシリーズ」を開発
低容量設計で信号劣化を防ぎ、高サージ耐量で車載電子機器の保護性能を向上
2024年12月18日
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)の進展に伴い需要が増大する高速車載通信システム向けに、CAN FD(CAN with Flexible Data rate)*1対応の双方向TVS(ESD保護)ダイオード*2「ESDCANxxシリーズ」を開発しました。CAN FDは、車内のECU(電子制御ユニット)間でリアルタイムかつ安全なデータの送受信に不可欠な通信技術です。新製品は、CAN FDなどの高速通信において伝達信号を劣化させることなく、サージや静電気放電(ESD)からECUなどの電子機器を保護することで、高品質な車載通信を実現します。
「ESDCANxxシリーズ」はSOT-23(2.9mm×2.4mm)とDFN1010(1.0mm×1.0mm)の2種類のパッケージで、それぞれ24Vおよび27Vのスタンドオフ電圧(VRWM)に対応しています。SOT-23パッケージは、24V対応の「ESDCAN24HPY」「ESDCAN24HXY」と27V対応の「ESDCAN27HPY」「ESDCAN27HXY」の4機種。DFN1010パッケージでは、24V対応の「ESDCAN24YPA」「ESDCAN24YXA」と27V対応の「ESDCAN27YPA」「ESDCAN27YXA」の4機種で、計8製品をラインアップしています。
新製品は素子構造の最適化により端子間容量*3を最大3.5pFまで低減し、高速通信時における信号劣化を防止。高い耐サージ特性も実現しており、車載環境における電子機器の保護性能を大幅に向上しています。例えばDFN1010パッケージで提供する27V対応品では、CAN FD対応の相当一般品と比較してサージ耐量*4が約3.2倍に向上し、クランプ電圧*5も約16%低減されています。これにより、車載ECUなどの高価でサージに敏感な電子機器を効果的に保護し、過酷な車載環境でも高い信頼性を提供します。
新製品は、2024年11月より月産50万個の体制で順次量産を開始しています。生産は前工程をローム・アポロ株式会社(福岡県)、後工程がROHM Korea Corporation(韓国)などが担当しています。また、インターネット販売も開始しておりチップワンストップ™やコアスタッフオンライン™などから購入が可能です(サンプル価格100円/個:税抜)。ロームは今後も、車載通信のさらなる高速化に対応する製品を開発し、自動運転や車載通信環境を支え、より安全で先進的なモビリティ社会の実現に貢献していきます。
<背景>
自動運転技術やADASの急速な発展に伴い、車載通信のさらなる高速化と信頼性向上が求められています。特に自動運転では、カメラ、LiDAR、レーダーなどのセンサから得られる膨大な情報を迅速かつ正確に処理する必要があるため、従来の車載通信で使用されていたCANに代わり、より高速で大容量のデータ転送が可能なCAN FDの採用が進んでいます。
一方で車載通信の高速化には、過酷な環境下でも安定した通信を実現することが不可欠であり、低い端子間容量でありながらサージ耐量やクランプ電圧などの性能に優れた保護部品の需要が高まっています。これに伴い、車載通信向けのTVSダイオード市場も今後さらなる成長が期待されています。
これらの市場ニーズに対応する製品として、ロームは低い端子間容量と優れたサージ耐量を両立させた新製品「ESDCANxx」を開発しました。
<製品ラインアップ>
シート
準拠
AEC-
Q101
[mm]
電力
(tp=8/20μs)
PPP Max.
[W]
電流
[サージ耐量]
(tp=8/20μs)
IPP Max.
[A]
耐量
(C=150pF,
R=330Ω)
VESD Max.
[kV]
温度
Tj
Max.
[℃]
オフ
電圧
VRWM
Max.
[V]
電圧
(IR=1mA)
VBR [V]
電圧
(tp=8/20μs)
VCL Max. [V]
容量
(VR=0V)
Ct Max.
[pF]
SOT-23
(2.9 ×
2.4 ×
0.95)
DFN1010
(1.0 ×
1.0 ×
0.4)
<アプリケーション例>
・自動運転や先進運転支援システム(ADAS)
・車載電動パワートレインシステム
・車載インフォテインメントシステム など
<インターネット商社販売情報>
販売開始時期:2024年12月から
販売ネット商社:チップワンストップ™、コアスタッフオンライン™
それ以外のネット商社からも順次発売していきます。
1個から購入可能
対象製品:
SOT23パッケージ:ESDCAN24HPY、ESDCAN24HXY、ESDCAN27HPY、ESDCAN27HXY
DFN1010パッケージ:ESDCAN24YPA、ESDCAN24YXA、ESDCAN27YPA、ESDCAN27YXA
<用語説明>
注) 「チップワンストップ™」、「コアスタッフオンライン™」は、各社の商標または登録商標です。
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