Back

ロームのオープンイノベーション活動

12/23/2019

モノづくりコンテストから採用事例へ

気軽に電子工作やプロトタイプづくりに取り組める環境が広がっている昨今。ロームはモノづくりに携わるエンジニアやクリエイターのアイデア創出をサポートするべく、簡単に利用できる開発キットを提供するオープンイノベーション活動を推進してきました。中でも、ローム製デバイスを生かしたプロトタイプ作品を募集するモノづくりコンテスト「ROHM OPEN HACK CHALLENGE(以下、ROHC)」では、毎年人々のくらしを快適、便利、楽しくしたり、持続可能な社会に貢献する可能性を持った様々なアイデア作品が生まれています。

この記事では、ROHCの対象デバイスのひとつである、ロームグループ・ラピスセミコンダクタ製のマイコンボード「Lazuriteシリーズ」の採用事例を紹介します。

今回、Lazuriteシリーズが採用されたのは、スクウェア・エニックス『LIVE INTERACTIVE WORKS(LIW)』様が企画、開発された新型アトラクション「CRYSTAL STORY」。スクウェア・エニックス様は、体験型アトラクションやスマートフォン向けゲームなどエンタテインメントの企画・運営を手がける会社で、最高の「物語」を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献することを企業理念とされています。
新たに開発されたCRYSTAL STORYは、幻想的な“不思議の森”を舞台に、ファンタジー世界での冒険を体感できるアトラクションです(詳細はこちら)。2019年12月4日(水)~6日(金)には、東京ビッグサイトで開催された「テーマパークEXPO2019」で初めて試遊が可能な特別ブースを設置され、多くの来場者を魅了していました。

テーマパークEXPO2019で展示されたCRYSTAL STORY
テーマパークEXPO2019で展示されたCRYSTAL STORY

テーマパークEXPO2019の会場で、CRYSTAL STORY開発者の白井直哉様に詳しくお話を伺うことができたので、その内容をインタビュー形式でご紹介させて頂きます。

***

Blog編集部(以下、Blog):CRYSTAL STORYについて改めて紹介をお願いします。

白井様:CRYSTAL STORYは、かつての力を失い「忘れられた森」と化した世界を、ガイドとなる「魔法のランタン」を手に、妖精に導かれながら探索していくアトラクションです。参加者の皆さんは、物語の一員として、魔法のランタンをかざして森の中のクリスタルにいる妖精を探したり、石の台座にランタンを置くことで女神が登場したりと、デジタルアートなどで演出される幻想的なファンタジーの世界を体験することができます。

CRYSTAY STORY体験の様子
CRYSTAY STORY体験の様子

Blog:今回、このアトラクションにロームグループ・ラピスセミコンダクタ製のLazuriteシリーズを採用頂きました。採用頂くに至った経緯を教えてください。

白井様:実は、昨年ローム主催のハッカソンイベントに参加したのが、Lazuriteとの出会いだったんです。
もともとモノづくりが好きで、実際にデバイスを触る機会が欲しくて、よく個人的にハッカソンイベントに参加していました。そこで出会ったハッカソン仲間からロームもイベントをやっているということを聞き、参加を決意。イベントの冒頭でロームグループのデバイスの使い方を教えてもらい、Lazuriteについて詳しく知ることができました。今まで使っていたWi-FiやBluetoothではなく、920MHz帯を使うという新しい発想が生まれ、ハッカソンだけでなく、自分が会社で携わっているアトラクションにも活用できるのではないかと思い、すぐにLazurite開発者の斎藤さんに連絡をとりました。

Blog:具体的にどういった部分にLazuriteシリーズを使用頂いているのでしょうか。

白井様:今回のアトラクションでは、人が多い中でインタラクティブなイベントを起こすのに貢献してもらっています。

Blog:実際にデバイスを使用された感想をお願いします。

白井様:アトラクションで無線通信を使うにあたり、通信の確実性と通信回数の量を確保することが必要不可欠です。今回初めて使う電波帯だったので、最初は正直苦戦しましたが、斎藤さんのサポートに加え、開発チーム一丸となって取り組んだことで実現できました。また、Lazuriteは低消費電力で電池が長持ちするところも魅力ですね。アトラクションでは機器のメンテナンスが欠かせません。電池が長持ちすることで、メンテナンス負荷が軽減できるのも良いところです。

CRYSTAL STORY開発チームの皆様とLazurite開発担当者の斎藤氏
CRYSTAL STORY開発チームの皆様とLazurite開発担当者の斎藤氏

Blog:ロームグループの印象を教えてください。

白井様:CEATECなどの展示会でロームが半導体メーカーであることは知っていましたが、ハッカソンイベントなどのモノづくり支援をやっているイメージがなかったので、初めてローム主催のハッカソンイベントがあると聞いた時は驚きました。今年で4年目ということですが、今ではハッカソンに携わっている人たちの間では有名なイベントのひとつになっていますよ。

Blog:アトラクションを開発される上で、ロームグループをはじめ電子部品メーカーにどういったことを期待されますか。

白井様:エンターテイメントを提供するために重視していることが2つあります。まず1つ目が反応スピードです。ゲームならAボタンを押したらすぐに反応するというように、アクションを起こしてからインタラクティブなイベントが発生するまでの時間が短いのが理想です。2つ目が、音、風、声、光の強さなど、私たちの日常にあふれている情報をさりげなく入手することです。例えば、子どもが思いもよらないところから声が聞こえて魔法だと感じる、というような新しい体感を提供することがエンターテイメントでは大切です。
これら2つを手助けしてくれるようなデバイスを、ぜひ電子部品メーカーの皆さんにつくって頂けると嬉しいですね。

Blog:CRYSTAL STORYの今後の展開を教えてください。

白井様:CRYSTAL STORYは「スクウェア・エニックスが贈る、ナイトウォークシリーズ第1弾」とあるように、今後は本物の森で今回テーマパークEXPOで展示したアトラクションを実施したいと考えています。そのためにも、ひとつひとつの木やそれぞれの自然環境にカスタマイズした屋外で使えるシステムなどを検討していきたいと思います。ぜひ今後の展開にご期待ください。

***

今回記事で紹介したLazuriteをはじめ、ロームグループでは、豊富なセンサラインナップと幅広い無線通信規格に対応した無線通信デバイスを保有しています。オープンイノベーション活動での活用はもちろんのこと、実社会で使用される各種アプリケーションのIoT化などにも貢献しています。ロームグループは今後もさらにデバイスのラインアップを拡充し、それぞれの分野に最適なソリューションを提供していきます。