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EV(電気自動車)とは? 仕組み、ガソリン車・ハイブリッドカーとの違いを解説

08/30/2019

EVとはElectric Vehicleの略で、電気自動車とも呼ばれています。本来は電気で動く乗り物の総称ですが、車だけを指すことが一般的です。この記事では、EVの仕組みを、ガソリン車やハイブリッドカー(以下、HV。Hybrid Vehicleの略)などと比較しながら紹介していきます。

 

EVの仕組み

まずは、EVの仕組みを解説します。

EVには主に4つの要素があります。

・家庭用の交流電源(AC)を直流電源(DC)に変換する車載充電器
・充電した電気を溜めておくバッテリー
・バッテリーからの電気を制御してモータに送るインバータ
・受け取った電気を動力に変えるモータ

従来の自動車は、ほとんどがエンジンを搭載し、燃料を燃やして発生するエネルギーによって走る仕組みでした。しかしEVは、エンジンの代わりに電力とモータを使っています。

 

EVに乗るメリットとは?

EVにはさまざまメリットがありますが、消費者の観点でその一部を紹介します。

1) 燃料代が抑えられる

EVはガソリンの代わりに、電気を使用します。電気料金が割安になる夜間に充電することで、電気代をガソリン代よりも安く抑えることができます。例えば、月に1,000km走行すると仮定した場合、EVはガソリン車(レギュラー、1リットル141円を想定)と比べて約7,000円の節約になります。

※複数のサイトを参考にロームで独自に算出。

※1:電費とは、バッテリーの1キロワットアワー(kWh)あたりの「走行距離」を示す指標です。
※2:電気料金は、契約の電力会社によって異なります。

2)減税、補助金がある(※2019年8月時点)

日本では、車を所有する際に自動車取得税、自動車重量税、自動車税の3種類の税金がかかりますが、EVの場合は「エコカー減税」や「グリーン化特例」による減税が適用されます。
さらに、補助金制度も充実しています。EVを購入後に所定の書類を提出することで「CEV(Clean Energy Vehicle)補助金」と呼ばれる政府の補助金を受けることができます。
また海外でも、英国・フランス・中国では国をあげてEVを推進していこうとしており、さまざまな制度が敷かれています。例えば、2016年時点で新エネルギー車(NEV)の販売台数33.6万台を誇る中国では、車種に応じて中央政府により2.5万~30万元(40万~500万円程度)の補助金が受けられるほか、地方政府による補助金制度も利用することができます。

3)環境に良い

EVは自動車の中でも、地球環境に優しい「次世代エコカー」の一つに分類されています。二酸化炭素や大気汚染物質を含む排気ガスを一切出さないので、地球温暖化防止への貢献が期待できます。

 

EVに乗るデメリットとは?

一方で、消費者にとって懸念となりうる点もあります。

1)充電設備が必要

普段使いの車としてEVに乗るには、充電設備を確保する必要があります。公共の充電ステーションを利用することも可能ですが、基本的には、保管場所である自宅で充電できるようにするために設備工事が必要です。

2)ガソリン自動車よりも航続距離が短い

EVは搭載するバッテリーの容量で航続距離が変わります。例えば、一回の充電で約400km走行できると公表しているEVもあります。
もちろん、日常的な用事で使ったり、日帰り旅行をしたりするくらいであれば一回の充電でも問題ないですが、長距離ドライブの場合はバッテリーがなくならないよう注意が必要です。

3)車種が少ない

EVはガソリン車と比べて車種が少なく、選べる機能やデザインが限られてしまう懸念もあります。特に日本では、普及率がまだ少ないため、その傾向が顕著かもしれません。ただし、アメリカなどでは、EVの普及にともなって車種も増えています。

 

EVが開発されている理由

EVは次世代の車として注目を集めていますが、その原型が作られたのは1830年代にさかのぼります。ガソリン車が生まれたのは1880年ごろとされているので、じつはEVのほうが歴史は長いのです。
EVが本格的に再開発されるようになったのは、地球環境問題に関心が集まるようになった1990年代。環境に優しい「クリーンエネルギー」を使っており、自動車に乗って日常生活を送りながら環境に貢献できるため、消費者からの人気を集めるようになりました。
また、EVは災害時の蓄電池(電源)としても活躍が期待されています。例えば、地震による停電や緊急搬送などの非常時には、白物家電や医療機器などを動かすことができるからです。

 

EVは他の車種と何が違う?

ここからは、他の自動車と比較した場合のEVの特徴を見ていきましょう。

ガソリン車との違い

EVとガソリン車の一番の違いは、動力源です。EVではモータが、ガソリン車ではエンジンが使用されます。

また、EVは燃料代の安さや税金など、ランニングコストの観点で優れています。また、CO2を排出しないという点は、ガソリン車を含めた他の自動車にはない特徴です。一方、航続距離の長さや、車種の多さではガソリン車が優れていると言えます。

ハイブリッドカー(HV)およびプラグインハイブリッドカー(PHEV)との違い

EVとガソリン車の“いいとこ取り”をしたのが、ハイブリッドカー(HV)やプラグインハイブリッドカー(以下、PHEV。Plug-in Hybrid Electric Vehicleの略)です。
EVがモータだけで動くのに対し、HVやPHEVはエンジンも掛け合わせて動く仕組みです。そのため、充電せずに長距離を走った場合に起こりうるバッテリー切れや、航続距離の不安を解消する自動車とも言えます。

*HVとPHEVは何が違う?

HVは、エンジンとモータを両方搭載した車です。車種によって採用されている仕組みが違いますが、おもに発進時~中高速時にはモータが使われ、中高速~高速時にはエンジンが使われます。外部からの充電はできないので、部分的にEVの要素を取り入れたガソリン車という表現のほうが近いかもしれません。
そのHVに外部電源から直接充電できる機能を加え、電気だけで走れる距離を長くしたものがPHEVです。バッテリーに十分な電気がある場合に電力走行をする点は、HVと同様です。

 

電気自動車の鍵となるSiCパワーデバイス

販売数が右肩上がりにあるEVですが、今後さらに普及するためには、いかに電力を効率良く利用するかが課題です。
その切り札となるのが、Si(シリコン)とC(炭素)を化合させた「SiC(炭化ケイ素)パワーデバイス」と呼ばれる電子部品です。
SiCパワーデバイスは、「電力を効率良く変換する」のに適した電子部品で、EVでは車載充電器やバッテリーインバータで使われています。

SiCパワーデバイスのメリット

SiCパワーデバイスを採用するメリットは、大きく「高効率化」と「小型化」があげられます。
一例として、EVのインバータにこの部品を搭載した時、それぞれのメリットがどう効いてくるのかを次に解説します。

1)高効率化:電費の向上に貢献

インバータは、モータの回転速度を変えるために、頻繁に電力の切り替えを行います。SiCパワーデバイスは、このときに発生する電力損失を低減できます。
効率良く電力を動力に変えることができるため、同じ電気量で航続距離を伸ばすことができます。これにより、電費向上につながります。

2)小型化:車体、駆動システムの小型化に貢献

電力の変換効率が良くなると、発生する熱も少なくなるため、これまで必要だった冷却機構なども大幅に小型化することができ、インバータの劇的な小型化が期待できます。これにより、EVの駆動システム、車体自体の小型化にも貢献します。

 

ロームは、2000年からSiCパワーデバイスの基礎研究をスタートさせ、2010年には国内で初めてSiCショットキーバリアダイオード(SBD)の量産化を、世界で初めてSiC MOSFETの量産化をスタートさせるなど、業界に先駆けた技術開発を行っています。

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