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SiCパワーデバイスとは? SiC半導体

 

1.SiC材料の物性と特徴

SiC(シリコンカーバイド)はシリコン(Si)と炭素(C)で構成される化合物半導体材料です。
絶縁破壊電界強度がSiの10倍、バンドギャップがSiの3倍と優れているだけでなくデバイス作製に必要なp型、n型の制御が広い範囲で可能であることなどから、Siの限界を超えるパワーデバイス用材料として期待されています。
SiCには様々なポリタイプ(結晶多系)が存在し、それぞれ物性値が異なります。
パワーデバイス向けには4H-SiCが最適とされています。

Properties Si 4H-SiC GaAs GaN
Crystal Structure Diamond Hexagonal Zincblende Hexagonal
Energy Gap: EG(eV) 1.12 3.26 1.43 3.5
Electron Mobility: μn(cm2/VS) 1400 900 8500 1250
Hole Mobility: μp(cm2) 600 100 400 200
Breakdown Field: EB(V/cm)X106 0.3 3 0.4 3
Thermal Conductivity(W/cm℃) 1.5 4.9 0.5 1.3
Saturation Drift Velocity: vs(cm/s)X107 1 2.7 2 2.7
Relative Dielectric Constant: εS 11.8 9.7 12.8 9.5
p. n Control
Thermal Oxide × ×

2.パワーデバイスとしての特徴

SiCは絶縁破壊電界強度がSiと比べ約10倍高いことから、600V~数千V の高耐圧パワーデバイスをSiデバイスと比較して高い不純物濃度かつ薄い膜厚のドリフト層で作製することができます。
高耐圧パワーデバイスの抵抗成分のほとんどはこのドリフト層の抵抗であるので、SiCでは単位面積当たりのオン抵抗が非常に低い高耐圧デバイスを実現できることになります。
理論上は同じ耐圧であればSiと比較して1/300に面積あたりのドリフト層抵抗を低減できます。
Siでは高耐圧化に伴うオン抵抗の増大を改善するためにIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor : 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ) などの少数キャリアデバイス(バイポーラデバイス)が主に用いられてきましたが、スイッチング損失が大きいという問題があり、その結果発生する発熱によって高周波駆動には限界がありました。
SiCでは高速なデバイス構造である多数キャリアデバイス(ショットキーバリアダイオードやMOSFET)で高耐圧を実現できますので「高耐圧」、「低オン抵抗」、「高速」の3 者を同時に実現できます。
またバンドギャップがSiの約3 倍広いため、高温においても動作可能なパワーデバイスを実現できます。

[PDFファイル]SiCデバイスアプリケーションノート

エレクトロニクス豆知識