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チップ抵抗器の故障事例過負荷による破壊

過負荷破壊のメカニズム

チップ抵抗器に、製品毎に定められている以上の電力(電圧)が印加された場合の故障事例について説明します。

チップ抵抗器に、規定されている電力(電圧)を大きく超えるような大電力(高電圧)が印加されると、
①レーザートリミング溝の残り代部分に電流集中が生じます。(下図の〇囲み部分)
この電流集中部分でのジュール発熱により、局部的に温度上昇を生じます。

チップ抵抗器の内部構造・電流集中部分

これに対してアルミナ基板などを通じての熱放熱伝播現象も同時に起こります。
この発熱量が、放熱量が十分でない場合に、抵抗体や保護膜の耐熱温度を超えてしまい、この部分の一部に溶融現象が起こり、局部的に断線に至る場合があります。
さらに加えられた電圧が高い場合は、レーザートリミング溝の残り代部分が完全に溶融し、断線(抵抗値オープン)に至ります。
負荷が大きい場合は本体が割れる場合もあります。

断線抵抗値オープン

過電圧印加時の抵抗値変化の一例

チップ抵抗器は一般的に過電圧が印加されると、一度はマイナス側へ変化し、さらに高い負荷がかかるとプラス側へ変化し、最終的に断線(オープン)に至ります。

過電圧印加時の抵抗値変化の一例
  • ①過負荷初期
    抵抗体中の絶縁成分(ガラス)が破壊され、抵抗値が下がります。
    (この際、ショート状態になります)
  • ②過負荷後期⇒オープン破壊
    発熱により導体成分が局所的に溶断、残った導体部分にさらに電流が集中し溶断、素子全体としてオープンに至ります。

抵抗素子の構造

抵抗素子の構造

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