スマートコックピットの普及に貢献!SoC向けPMICやSerDes IC等を搭載した
リファレンスデザインをNanjing SemiDrive Technology Ltd.と共同開発

2024年3月28日

リファレンスボードの概要

ローム株式会社(本社:京都市)は、スマートコックピット向けSoC*1メーカーの中国最大手、Nanjing SemiDrive Technology Ltd.(以下、SemiDrive)とスマートコックピット向けリファレンスデザイン「REF66004」を共同開発しました。このリファレンスデザインは、SemiDriveの車載SoC「X9M」及び「X9E」を中心に構成されており、ロームのPMIC*2やSerDes IC*3、LEDドライバIC等が搭載されています。また、リファレンスデザインをベースとしたリファレンスボード「REF66004-EVK-00x」も用意しており、Core Board、SerDes Board、Display Boardの3枚で構成されています。リファレンスボードについては、担当営業もしくは、ロームWebのお問い合わせ先よりお問い合わせください。
SemiDriveとロームは、2019年より技術交流を開始し、コックピット向けのアプリケーション開発を中心に協力関係を築いてきました。そして、2022年に自動車分野における先進的な技術開発パートナーシップを締結するとともに、その成果の第一弾として、SemiDriveの車載SoC「X9H」のリファレンスボードに、ロームのPMICやSerDes IC等が搭載されました。このリファレンスボードは、コックピットをはじめ、さまざまな車載アプリケーションの高機能化に貢献し、すでに多くの自動車メーカーで採用されています。そして今回ロームは、車載SoC「X9M」及び「X9E」搭載のリファレンスデザイン「REF66004」をSemiDriveと共同開発しました。「REF66004」に対しては、普及帯モデル等、さらなる搭載アプリケーションの拡大が期待されます。また今回ロームは、「X9H」のリファレンスボードで搭載されていたSerDes ICに加えて、SoCに電源供給を行うSoC向けPMIC「BD96801Q12-C」及びバックコンバータIC「BD9SA01F80-C」や、SerDes ICに電源供給を行うADAS(先進運転支援システム)向け汎用PMIC「BD39031MUF-C」を新たに提供しています。これにより、本ソリューションでは、最大3つのディスプレイ投影と4つのADASカメラ(サラウンドビューカメラ)駆動が実現可能です。ロームは今後もカーインフォテインメントに向けた製品開発を進め、自動車の利便性や安全性の向上に貢献します。

Nanjing SemiDrive Technology Ltd. 芯驰科技董事長 張強
自動車のスマート化が加速する中で、カーエレクトロニクスと部品に対する要求もますます高くなっています。SemiDriveは次世代自動車のE/E(電気/電子)アーキテクチャに向けて、コア部品である車載SoCやコントローラを提供することに注力しています。ADASやコックピット向け半導体を豊富に持っているロームと提携することは、次世代コックピット向けソリューションの実現に大きく役立っています。特に、ロームの持つアナログ技術を活用したSerDes ICやPMICは、我々のリファレンスデザインにおける基幹部品です。今後もロームとの協業を継続することで、幅広い車載分野において革新的なソリューションを提供できることを期待しています。

ローム株式会社 取締役 上席執行役員 CTO 立石 哲夫
車載向けSoCで豊富な実績を持つSemiDrive社と共同でリファレンスデザインを開発できたことを大変うれしく思います。ADASの進化やコックピットの多機能化に伴い、SerDes ICやPMIC等、車載アナログ半導体の役割はますます重要となっています。また、今回ロームが新たに提供したSoC向けPMICは次世代の車載電源構成にも柔軟に対応できる新しいコンセプトの電源ICです。今後もSemiDrive社との交流を深めることで、次世代コックピットに対する理解を深め、幅広い製品開発を加速させていくことで自動車のさらなる進化に貢献してまいります。

<背景>

近年、自動車のスマートコクピットやADASの普及に伴い、自動車の電子や部品に対する要求が高まっています。PMICやSerDes ICは、自動車電子システムにおけるコアデバイスとして、その性能はシステム全体の安定性と効率に直接影響を与えます。このような背景から、ロームのPMICとSerDes IC製品は、電源部分の高度な統合性とデータの高速伝送の安定性を実現するのに役立つと期待されています。

「X9M」及び「X9E」とローム製品を搭載したリファレンスデザイン「REF66004」について
SemiDriveのスマートコックピット向けSoC「X9M」及び「X9E」や、ロームのSoC向けPMIC、ADAS向けPMIC、SerDes IC(ディスプレイ用/カメラ用)やLVDSスプリッタICに加えて、車載ディスプレイ向けLEDドライバIC等も搭載したリファレンスデザインをローム公式Web上で公開しています。このリファレンスデザインは、最大3つのスクリーン投影と4つのカメラを駆動するコックピットソリューションが提供可能です。また、今回新たにロームが提供するSoC向けPMICは、内部メモリ(OTP)で任意の出力電圧設定やシーケンス制御が可能なため、回路に応じて高効率かつ柔軟な電力供給を実現します。
なお、リファレンスデザインに基づいて作成したリファレンスボードは、問い合わせに応じて個別に提供可能です。本リファレンスボードではSemiDrive独自のハードウェア仮想化支援機能に基づいて、一つのSoC上で複数のOS(オペレーティングシステム)を実行できます。同時に、ハードウェアセキュリティ管理モジュールにより、OSからのコマンドをSoCやGPUに伝達することが可能です。さらに、ピン配列の互換性があるSemiDriveの異なるSoCを付け替えることで、回路変更せずに素早い仕様変更が可能です。

・SemiDriveの車載SoC「X9シリーズ」について
SemiDriveの車載SoC「X9シリーズ」は、メータークラスター、カーインフォテインメント、コックピットドメインコントロール、インテリジェントモニタリングシステム等、普及帯モデルからフラッグシップモデルまで幅広くカバーしており、すでに100万個レベルの出荷を完了しています。そして、豊富な量産経験により、十分な生産体制を構築しています。
https://www.semidrive.com/en/product/X9

 

・ロームのリファレンスデザインページについて
リファレンスデザイン「REF66004」の詳細及び搭載製品に関する情報をロームWebにて公開しています。また、リファレンスボード「REF66004-EVK-00x(REF66004-EVK-001/002/003)」も用意しています。リファレンスボードについては、担当営業もしくは、ロームWebのお問い合わせ先よりお問い合わせください。
https://www.rohm.co.jp/reference-designs/ref66004

Nanjing SemiDrive Technology Ltd.(南京芯驰半导体科技有限公司)について
SemiDriveは高性能、高信頼の車載SoCを提供しており、中国国内で初めてAEC-Q100、ISO 26262(ASIL B/D)、中国商用暗証番号認定という主要な車載関連規格に対応した車載SoCメーカーです。また、未来のスマートモビリティに向けて、スマートコックピット、スマート制御、自動運転等、次世代のE/Eアーキテクチャに最適な製品及びソリューションをラインアップしています。車載SoCはすでに大規模な生産を実現しており、顧客は260社、プロジェクトは200件近くを持ち、出荷量は300万個を超えています。そして、90%以上の中国自動車メーカーに加えて、グローバルの自動車メーカーとも取引があります。詳細については、SemiDriveのウェブサイト(https://www.semidrive.com/en/)をご覧ください。

<用語説明>

*1)SoC(System-on-a-Chip)
一枚の基板上にCPU(Central Processing Unit)、メモリ、インタフェース等を統合した集積回路。高い処理能力や電力効率、スペース削減を実現できるため、車載機器、民生機器、産業機器分野において幅広く使用されている。
*2)PMIC(パワーマネジメントIC)
複数の電源系統を内包し、電源管理、シーケンス制御等を行う機能をワンチップに搭載したIC。DC-DCコンバータICやLDO、ディスクリート部品などを、個々に使って回路構成することに比べて、スペースや開発工数等を大幅に削減できるため、近年では、車載機器、民生機器を問わず、複数の電源系統を持つアプリケーションで一般的なデバイスとなっている。
*3)SerDes IC
データの高速伝送を目的として、通信方式の変換を行うために、対で使う2つのICの総称。シリアライザ(Serializer)でデータを高速で伝送しやすい形に変換(パラレルデータをシリアルデータに変換)し、デシリアライザ(Deserializer)は伝送されてきたデータを元の形に変換(シリアルデータをパラレルデータに変換)する。