清華大学とロームが共同で「清華-ローム技術フォーラム2017」を開催!
IoTとAI分野での産学連携の取り組みと実用電子技術を情報発信

<要旨>

Tsinghua-ROHM International Forum of Industry-Academia 2017:TRIFIA2017

中国・清華大学(中国・北京市)とローム株式会社(本社:京都市)は、2017年5月19日に清華大学「清華ローム電子工程館」内において、「清華-ローム国際産学連携フォーラム2017 (Tsinghua-ROHM International Forum of Industry-Academia 2017:TRIFIA2017)」を開催いたしました。

8年目を迎える今回のフォーラムでは、近年あらゆる分野で注目を集めているIoT及びAIについて学術的・事業的視点からその可能性を議論するため、現地の若手有力研究者と連携して新たに準備委員会を立ち上げ、ワークショップを実施しました。また、モノづくりにおいて目覚ましい成長を遂げつつある中国市場向けに、ロームのパワーデバイスや各種充電技術、白物家電の設計戦略、IoT向けのセンサなどの最新トレンドや技術を紹介しました。

<フォーラムの詳細>

  1. 開催場所 : 清華ローム電子工程館
  2. 開催スケジュール
    開催日:2017年5月19日 (金) 9:30~18:00

(午前の部)

9:30~9:40開会の辞及びご挨拶清華大学
副校长 王希勤
9:40~9:50ご挨拶ローム・セミコンダクタ・チャイナ
社長 張 驹
9:50~10:00ご挨拶清華大学 IEIT
主席顧問 高須 秀視
10:00~10:35基調講演: "集積回路の現状と挑戦"中国科学院微電子所
アカデミシャン 刘 明 様
10:50~11:25招待講演: "2重学習: 人工知能における対象性の美の発見"マイクロソフトアジア研究院
主席研究員 刘铁岩 様
11:25~12:00招待講演: "理想的な有機発光ダイオードの為の新概念材料"清華大学
中国優秀青年基金受賞者
段 炼

(午後の部)

「ワークショップ1 (講演): Internet of Things (IoT)」

本セッションでは、IoT技術の応用分野や新ビジネスに適した幅広い先端技術が発表されました。その中で、セキュリティの解決策だけではなく、不揮発性メモリやマイクロプロセッサ等の低消費素子、を含む話題について、活発な議論が行なわれました。

「ワークショップ2 (講演): 人工知能 (AI)」

本セッションでは、シンガポール国立大学、清華大学、中国科学院、北京大学から、人工知能の分野で活躍している7名の若手研究者が、先端的な人工知能技術や新たになされた発見について活発に議論を交わしました。

 ワークショップ1: IoTワークショップ2: 人工知能 (AI)
13:30
~
13:55
「IoT活性化」
ホットなもの、
ホットでないもの、
次に来るもの?
ローム株式会社
博士 篠原 壽邦
オンチップ癲癇検出:
機械学習による患者特有の
発作検出システム
シンガポール国立大学
副教授 Jerald Yoo様
13:55
~
14:20
高性能・低消費電力
ReRAM回路設計
中国科学院
微電子所
教授 張 峰様
脳型素子としてのメムリスタ技術清華大学
教授 郑弘植
14:20
~
14:45
ループ変換による
高性能低消費電力不揮発メモリの実現
首都師範大
副教授 邱柯妮様
双方向アナログスイッチングRRAMアレイに基づく面分類清華大学
教授 呉华强
15:05
~
15:30
可視光後方散乱通信北京大学 博士
許辰人様
DNA: 再構成可能な計算パタンを用いた
深層CNNアーキテクチャー
清華大学
副教授 尹首一
15:30
~
15:55
低消費電力
IoTソリューション:
低消費電力のMCUとBluetooth、Sub-GHz通信
ローム上海デザインセンター
劉翔
FPGAを用いた畳み込み
ニューラルネットワーク (CNN)
アクセラレーター設計の検討
北京大学
博士 孙广宇様
15:55
~
16:20
信頼できないノード存在下の信頼できるIoT構築:
ハードウエア-トロイの木馬の共謀への対抗策
デラウエア大学
副教授 楊乘默様
SIMDアレイ畳み込みニューラルセット
・アクセラレータにおけるアルゴリズムと応用のマッピング
中国科学院計算所
教授 王 颖 様
16:20
~
16:45
不揮発プロセサ:
歴史、トレンドそして可能性
清華大学 教授
刘勇攀
深層学習プロセサ用帯域指向型システム設計DeePhi Technology
单羿様

「チュートリアル: Electronics technologies and applications」

本セッションでは、ローム上海デザインセンターの技術者が、パワーデバイス応用分野、民生電気製品における充電、家庭電化製品の電源設計、IoT用の低消費電力環境検出センサについての講演を行い、これらの分野における開発経験や技術、将来のトレンドについてご紹介し、今後の電子分野の可能性を共有させていただきました。

13:30
~
14:45
中国市場での大電力素子の用途とトレンド:
SiC、インテリジェント・パワーモジュール (IPM)、及びゲートドライバ
ローム上海デザインセンター 顾伟俊
民生エレクトロニクス用充電技術のトレンド: 無線給電、電力供給、及び急速充電ローム上海デザインセンター 陈行乐
15:15
~
16:30
家電製品用電源のトレンドと設計: 白物家電品の設計戦略の実状ローム上海デザインセンター 徐济炜
IoT用途低消費井電力環境検出センサ: 光学、加速度+ジャイロ、気圧、磁気センサローム上海デザインセンター 孙 彬

「ポスターセッション: Advanced & Emerging Technologies」 (9:00~18:00)

清華大学の不揮発性知的プロセッサ、建築物等構造物のヘルスモニタリング、深層学習プロセス、電力ルーターへのSiCパワーデバイスの応用に関する研究成果や、ローム株式会社のSiC、センサ、フォトニクスに関する研究開発成果、電力制御IC、無線用IC、自動車用IC、センサ及びその周辺IC等のローム製品、学生発表コンテスト、清華大学とローム株式会社の活動についてポスター展示による紹介を行ないました

<フォーラム実施の背景>

清華大学とロームは、2006年4月に先端技術開発の為の共同研究、技術交流を進めるため、「包括的産学連携契約」を締結し、「フォトニック技術を用いたバイオセンシング機構の開発」を皮切りにLSIや半導体素子、オプティカルデバイスやモジュール、バイオセンシングなど幅広いテーマに渡って共同研究や技術交流を行ってきました。

2010年には、より一層の技術交流のため、「清華-ローム国際産学連携フォーラム (TRIFIA) 」を開催。以来、毎年その時々の注目テーマを題材とした技術セッションを実施しております。

また、2011年の清華大学100周年には、相互の産学連携を更に強化するための拠点として、大学構内に「清華-ローム 電子工程館」を寄贈。2012年1月には、電子工程館内にロームとしての研究施設を新設し、清華大学と最先端技術について共同研究を進め、近年では、IoT、不揮発CPU、人工知能、パワーエレクトロニクス技術等、多くの分野で成果を上げるに至っております。

ロームでは、本フォーラムが清華大学とロームの間で長期的に進める共同研究のレベルアップと、より一層の連携強化につながるものと期待しており、今後もあらゆる市場に貢献すべく、連携を深めてまいります。

参考:当日の様子(写真)

清華大学副校長 王教授のご挨拶
清華大学副校長 王教授のご挨拶
国科学院 アカデミシャン 刘明教授の基調講演
国科学院 アカデミシャン 刘明教授の基調講演
マイクロソフト研究院 首席研究員 刘铁岩博士の講演
マイクロソフト研究院 首席研究員 刘铁岩博士の講演
IoTワークショップ会場風景
IoTワークショップ会場風景
AIワークショップ会場風景
AIワークショップ会場風景
チュートリアル講演会場風景
チュートリアル講演会場風景
ポスターセッション会場風景
ポスターセッション会場風景