CSRマネジメント
ロームグループとCSR/CSV
CSR(企業の社会的責任)の重要性が叫ばれるようになってから、企業には提供する「モノ」や「サービス」のQCDS(製品品質=品質、コスト、納期、サービスなど)だけではなく、企業運営全体の品質である「経営品質」が確保されているかどうかも、問われています。ロームグループにおいてはこの両方を満たすことを「会社の品質」と捉え日々取組んでいます。
そして、社会の変化を的確にとらえ、お客様をはじめとする世界中のステークホルダーの皆様から選ばれる企業を目指し、「会社の品質」をさらに向上させるべく、ロームグループでは、創業当時より「企業目的」「経営基本方針」などの目的・方針を具現化し、CSRを実践してきました。
ロームグループが掲げるこの「企業目的」「経営基本方針」には、事業活動を通じて社会をより豊かにしていきたいという強い思いが込められており、社員一人ひとりが業務を実践する際の土台となっています。また、この目的・方針を基盤としてステークホルダー毎に「ロームグループCSR方針」を定め、社員にとってより具体的で確実に実行しなければならない倫理上の行動ルールとして「ロームグループ行動指針」を定めています。
「企業目的」「経営基本方針」などの目的・方針は今後も不変ですが、「CSR方針」「ロームグループ行動指針」は、ステークホルダーとの対話や国際規範の変化に応えて進化させていくものと捉えております。CSRへ取組むことで社会課題を解決するCSVの実現をより一層発展させます。結果、社会からの信頼を得て、企業の持続的な発展につながるものと信じています。
ロームグループCSR方針
お客様 | われわれは、お客様に対しては、優れた品質、性能を有する商品と適時的確なサービスを安定的に供給することにより、お客様の満足と信頼を得ることを目指します。また、お客様への誠実な対応を心がけ、商品の安全性を最優先し、それに関する情報の適切な開示に努めていきます。 |
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お取引先様 | われわれは、お取引先様に対しては、公正で合理的な基準によってお取引先様を選定すると共に、お取引先様との信頼関係を大切にし、対等かつ公正な取引を行い、お互いが繁栄することを目指しています。 |
社員 | われわれは、社員に対しては、安全・快適で働きやすい職場環境を確保すると共に、人間性と個性を尊重し、公正で明るい職場をつくり、一人ひとりの働きがいを高めることを目指しています。 |
株主・投資家の皆様 | われわれは、株主・投資家の皆様に対しては、継続的な企業価値の向上を実現させ、適正な利潤を確保することにより、株主・投資家の皆様へ還元することを目指すと共に、積極的かつ幅広いIR活動を通じて説明責任を果たしています。 |
社会・地域の皆様 | われわれは、社会・地域の皆様に対しては、各国、地域社会との交流を深め、それぞれの文化、慣習を尊重すると共に、社会貢献活動や文化・芸術活動などの実施または支援活動を行います。また、事業活動を通じた地球環境保全活動を積極的に行います。 |
2030年の達成を目指し、策定されたSDGs(Sustainable Development Goals)の期日まであと10年を切りました。依然として世界は地球温暖化、気候変動による大規模自然災害、食料・水不足、人権問題などといった社会課題の渦中にあり、これまで以上に深刻化している課題も存在します。全てのステークホルダーの皆様と共に持続可能な社会を実現していくためには、これらの課題にバリューチェーン全体を通じ、取組むことが重要です。
また、ロームグループではこのSDGsを事業活動に結び付けることが、社会と企業の共通価値であるCSVの実現につながると考えています。そしてCSVを具現化し企業と社会を発展させるため、様々なステークホルダーの皆様とグローバルに対話の機会を設け、ロームグループのCSR重点課題を定め、事業活動を通じた持続可能な社会の実現に積極的に貢献しています。
ESG重点課題
ロームグループは、将来にわたって環境・社会課題を解決し、ステークホルダーから選ばれ続ける会社となることを目指して「パワーとアナログにフォーカスし、お客様の“省エネ”・“小型化”に寄与することで、社会課題を解決する」という経営ビジョンを掲げています。また、2021年3月には環境ビジョン2050を定め、カーボンニュートラル、ゼロエミッションを宣言しています。この2021年5月には、「経営ビジョン」を達成するための戦略として、中期経営計画「MOVING FORWARD to 2025」を策定、合わせてESG重点課題の再特定を行っています。あるべき姿の達成、中期経営計画実現に必要なESG課題を洗い出し、KPIを設定、達成に向けて取組むことで、ロームと社会の持続可能な成長につなげてまいります。
ESG重点課題
「CSR 重点課題」 |
該当するSDGs | 2025年目標 | 具体的な目標 |
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気候変動への対応 | 低炭素・循環型・自然共生社会の実現に貢献できる製品・サービスを開発・普及する | 省エネ製品の開発、市場への供給による貢献 | |
GHG排出量削減 | |||
エネルギー消費量削減 | |||
再生可能エネルギーの導入促進 | |||
資源の有効活用 | 循環型経営につながる事業基盤を構築する | 水資源の削減 | |
廃棄物量の削減 | |||
従業員エンゲージメントの強化 | ロームで働く社員が、失敗を恐れず社会・企業の成長のために挑戦できる職場環境を実現する | チャレンジを生み出す風土の醸成 | |
働きがいの向上 | |||
ダイバーシティ推進 | 広い視野で主体的に物事を考え、新たな価値を創造できる人財を増やす | 女性活躍の推進 | |
グローバルレベルでの能力開発と人財配置 | |||
従業員の健康と安全の確保 | 社員が安全に、かつ心身ともに健康に働くことができる職場環境を実現する | 健康経営の推進 | |
コーポレートガバナンスの強化 | 企業価値向上に向けた強固な経営基盤を構築する | 経営者の多様性の確保 | |
中長期的企業価値向上に向けた報酬制度の見直し | |||
経営の実効性の担保 | |||
リスクマネジメント | 社員と家族の安全確保・事業継続のために、将来予想される危機に対して有効に機能するシステムを構築する | BCM管理体制の強化 | |
持続可能な サプライチェーンマネジメント |
パートナー企業と共に、未曽有の事態にも対応でき、かつ高品質な商品を社会に提供するサプライチェーンを構築する | コミュニケーション | |
BCM体制の強化 | |||
グリーン調達の推進 | |||
CSR調達活動の推進 | |||
製品安全・品質の強化 | 顧客のニーズに応える製品品質を確保し、お客様に選ばれる商品・サービスを生み出す | ・フロントローディングによる品質保証の体制構築と定着 ・顧客視点を取り入れた適正品質の実現 |
ESG重点課題と非財務目標
2025年目標
- ※重点課題と達成目標は2021年に策定されました。
【環境】
持続可能な技術の強化、革新的な製品の開発、供給 | |
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取組み背景・課題 | 「脱炭素」は全世界共通の達成しなければならない課題です。その課題達成に向けて、世界中で、電気自動車や再生エネルギーの活用など環境負荷の大幅軽減に向けた技術革新が進んでいます。ロームグループにおいても、強みとする「パワー」「アナログ」技術を活用し、付加価値のある、新たな製品を開発、提供することで、脱炭素社会に貢献してまいります。 |
テーマ | 省エネ製品の開発、市場への供給による貢献 |
2025年までの目標 | 2030年までにゲートドライバ、SiCによるxEVの普及により、累計50MトンのCO₂を削減する |
取組み | CO₂を大量に排出するガソリン車から電気自動車に置き換わっていくこととは周知の事実であり、今後加速度的に、xEVの需要は拡大すると予想している。xEVにはパワーICが不可欠であり、この機会を捉え、事業を拡大する。 |
気候変動の対応 | |
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取組み背景・課題 | 気候変動に対する危機意識は、パリ協定の制定など、グローバル規模で高まりを見せています。またこの事を、決して他人事ではなく、私たちの事業活動そのものを脅かす課題であると強く認識し、この度「ロームグループ環境ビジョン2050」を策定しております。 地球環境をより良い状態で次世代へ引き継ぐために、ロームグループでは製品を通じての課題解決はもちろん、事業活動全体での省エネルギー化の推進、再生エネルギーの導入を図り、脱炭素社会実現に貢献してまいります。 |
テーマ |
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2025年までの目標 |
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取組み |
資源の有効活用 | |
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取組み背景・課題 | 地球上の限りある資源を枯渇させず、将来に向けて持続可能な社会を創造していくためには、最小の資源やエネルギーで最大の効果を生み出すことのできる「循環型社会」の実現が求められます。ロームグループにおいては、地球環境負荷を軽減する仕組み、生産技術を新たに構築することで、地球環境への負荷を最小限に抑制する、循環型経営を追求してまいります。 |
テーマ | ロームグループにおいては、地球環境負荷を軽減する仕組み、生産技術を新たに構築することで、地球環境への負荷を最小限に抑制する、循環型経営を追求してまいります。 |
2025年までの目標 |
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取組み |
【社会】
従業員エンゲージメントの強化 | |
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取組み背景 | 経営ビジョンに掲げた社会課題を解決する会社になるためには、ロームグループの社員一人ひとりが活き活きと働くことができる会社でなくてはなりません。そのためには様々なライフスタイル・ライフステージに身を置く社員一人ひとりが、働きやすく、成果を上げることができる環境を整えることが重要です。ロームグループは社員とのエンゲージメントの強化を通じて、あらゆる職場で失敗を恐れず果敢に挑戦し続ける企業風土の醸成と、挑戦を促す職場環境の整備に取組んでまいります。 |
課題 | 社員一人ひとりが失敗を恐れず果敢に挑戦し続ける企業風土の醸成と、それを促す職場環境の整備 ・社員とのコミュニケーション強化 |
テーマ |
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2025年までの目標 |
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取組み |
ダイバーシティの推進 | |
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取組み背景 | 世界各地に生産・販売拠点を有するロームグループでは、様々な国籍、また多様なバックグラウンドを持つ社員が集まっています。これらの多様な人財が個性・能力を発揮し、「ONE ROHM」としてチームワークを発揮することで、イノベーションが創出され、社会課題の解決につながる商品の提供が可能となります。また、そのためには、性別や国籍等にとらわれず、主体的に物事を考え、広い視野に立って異なる文化や思想・考えを受け入れ、新たな価値をも創造できるグローバルマインドを持った社員の人財開発が不可欠です。この考え方から、ロームグループはダイバーシティ推進を重要な経営課題と特定しました。誰もが自身の能力を最大限発揮できるよう、施策を講じてまいります。 |
課題 |
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テーマ |
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2025年までの目標 |
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取組み |
従業員の安全と健康の確保 | |
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取組み背景 | 労働現場における災害の発生は、従業員の生命を脅かし、また事業継続性にも影響を及ぼすおそれがあります。このため、ロームグループは、全ての社員、また業務に携わるステークホルダーが安全に働くことができる職場を実現することが、社員の命や人権を守る上で重要だと捉えています。さらに、社員一人ひとりがやりがいを持ち、自身の能力を最大限に発揮するためには、社員が心身ともに健康である必要があります。これらの考え方から、ロームグループは、安心・安全で衛生的な職場の確保を重要な経営課題だと認識し、快適で安心して働ける職場環境づくりと、心身の健康の保持・増進に積極的に取組んでまいります。 |
課題 |
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テーマ | 健康経営の推進 |
2025年までの目標 | 安全衛生目標 |
取組み事例 |
【ガバナンス】
コーポレートガバナンスの強化 | |
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取組み背景・課題 | 企業活動全体が社会のルールを守り、多様なステークホルダーの期待に応えるには、経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指したコーポレート・ガバナンスの充実が必要です。そのためには、取締役会等の役割・責務を明確にし、迅速な意思決定を行うと共に、独立・客観的な立場による社外取締役を活用することで、経営の執行と監督の分離を進め、取締役会による監視・監督機能を強化することが欠かせません。ロームグループは、コーポレートガバナンスの強化を図り、持続的な成長と企業価値・株主価値の向上を目指してまいります。 |
テーマ |
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2025年までの目標 |
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取組み |
リスクマネジメント | |
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取組み背景 | 経済のグローバル化や社会の変化と共に、企業を取り巻くリスクが多様化する中、事業に関する社内外の様々な不確実性を適切に管理することは、経営戦略や事業目的を遂行していく上で欠かせません。大規模な自然災害や事故、感染症等の流行等で被害を受けたとしても、重要業務が中断されないこと、また万が一中断しても可能な限り短い期間で復旧・再稼働することは、企業としての重要な責任です。ロームグループは、「リスクマネジメント」を事業基盤の重要な経営課題と位置づけ、業務および業績に支障をきたすおそれのある事象を「リスク」として捉え、その発生を最小限に止めるとともに、事象が発生した場合でも円滑に事業継続・復旧を行うための対策に取組みます。 |
課題 | 業務および業績に支障をきたすおそれのある事象を「リスク」として捉え、その発生を最小限に止めるとともに事象が発生した場合においても円滑に事業継続または復旧を行うための対策を講じることが必要。 |
テーマ | BCM管理体制の強化 |
2025年までの目標 |
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取組み事例 | 以下4点を重点項目として実施
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持続可能なサプライチェーンマネジメント | |
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取組み背景 | 社会のニーズに応えられる高品質な商品を安定的に世の中に送り出すには、強固な調達体制の確立と、重要なパートナーであるお取引先様との強いパートナーシップの構築が欠かせません。 また、昨今事業継続リスクの脅威となっている自然災害や感染症に備え、高品質な商品を社会に提供するためには、お取引先と共に品質、安全・環境・人権・BCMの点から、ロームグループを取り巻く全てのサプライヤーを総合的にマネジメントできる体制を構築し、サプライチェーン全体での経営品質を向上させることが不可欠です。 お取引先様と共に、「相互信頼・相互繁栄」の概念のもと、高品質な商品を社会に提供するため、社会からの期待に応える調達体制の確立、そして健全なサプライチェーンの構築に取組みます。 |
課題 | パンデミックによる事業継続リスクに備え、高品質な商品を社会に提供するために、重要なパートナー企業であるお取引先と共に、サプライチェーン全体での経営品質を向上させる。 |
テーマ |
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2025年までの目標 |
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取組み事例 |
製品安全・品質の強化 | |
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取組み背景 | 「われわれは、つねに品質を第一とする。」という基本理念は、ロームのものづくりの基本となっています。「品質」とはお客様の満足度を表わすものであり、ロームグルプでは、新製品の開発、生産システムの開発、原材料の購入、そして全ての製造プロセスにおいて細心の注意が払われ、かつ、営業をはじめ管理部門に至るまでの全てのスタッフが「品質第一」という企業目的を守り抜くため、日々努力しています。この基本の考えを踏まえ、ロームグループは製品安全はもちろんのこと、顧客満足度の向上を目指した取組みを行ってまいります。 |
課題 |
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テーマ |
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2025年までの目標 | 品質満足度スコア+10%改善(2020年度比) |
取組み事例 |
ESG重点課題の特定プロセス
上記で紹介したESG重点課題と中期目標は、外部評価の結果やISO26000などの国際ガイドライン・規範、社内外のステークホルダーの皆様との対話からいただいたご要望を分析・検証し、ロームグループが社会に与えるインパクトを特定した上で定めました。
【ESG重点課題の策定プロセス】
STEP1:重点課題候補の抽出
- 当社グループの企業理念や行動指針、ビジネスモデルを踏まえ、国際的なCSRガイドラインであるISO26000やGRIスタンダード、持続可能な開発目標(SDGs)、DJSI、MSCI、FTSE、Sustainalytics等のESG評価結果をベースに、重要課題の候補となる課題候補を抽出。
STEP2:ステークホルダー視点での評価
- ロームグループの企業活動に関わりが深いステークホルダーにお客様、お取引先様、機関投資家、地域社会、従業員の5つのグループを選定。各検討課題候補について、ステークホルダーの視点からの重要性をアンケート調査を通じて確認し、結果を分析。
- ※アンケート調査では、社内外約180名の方々からロームグループの重点課題評価に関する意見をいただきました。
STEP3:重点課題の特定と優先順位付け
- ロームグループが取組むべき重要な課題の特定、優先順位付けを、社会の持続可能性への影響だけでなく、グループの企業価値向上の両視点から実施。「ステークホルダーからの期待」、「ロームグループにとっての重要性」の2つの側面から、各検討課題の重要性マッピングを実施。
STEP4:承認
- 全取締役とそれに準ずる権限を持つ責任者から構成されるCSR委員会にて承認。
ステークホルダーとのコミュニケーション
ロームグループの主なステークホルダーは、当社のグループが製品・サービスを提供しているお客様と、当社グループの事業に直接的に影響を与える株主・投資家の皆様、社員、お取引先様、当社グループの事業展開が影響を及ぼす社会・地域の皆様です。
ステークホルダー | 主な責任 | 主な対話の方法・機会 |
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お客様 | 製品の品質確保 | ウェブサイトでのお問い合わせ窓口 |
適切な製品情報の開示 | 展示会 | |
お客様満足度の向上 | 製品説明 | |
お客様の顕在的・滞在的な要望の実現 | 顧客満足度調査 | |
お客様訪問による情報交換 | ||
お取引先様 | 透明で公正な取引の徹底 | CSR調達推進説明会 |
グローバルサプライチェーンにおける人権、労働安全衛生環境への配慮 | CSR調達監査 | |
CSR調達セルフアセスメント(CSRアンケート) | ||
お取引先様用ホットライン | ||
社員 | 労働安全衛生の確保 | イントラネット |
人権の尊重と差別の排除 | 社内報 | |
人財の育成と活用 | 従業員意識調査 | |
ダイバーシティー(多様性の尊重) | 内部通報システム(コンプライアンスホットライン) | |
労働組合との協議 | ||
株主・投資家の皆様 | 適正/公正な利益還元 | 株主総会 |
株主議決権の尊重 | 社長、各取締役による決算説明会 | |
財務情報の適切/公正な開示 | 海外投資家訪問 | |
グローバルなIR活動の推進 | 証券会社主催の機関投資家向けカンファレンス、技術セミナー | |
個人投資家向け会社説明会 | ||
アニュアルレポート | ||
IRウェブサイト | ||
社会・地域の皆様 | 事業を活かした社会貢献活動 | 社会貢献活動 |
CDPなどのNPOへの対応 | アンケート調査への回答 | |
それぞれの地域の課題に応える活動の展開 | 出張授業 | |
工場見学の受け入れ | ||
音楽支援 |
お客様との対話
株主・投資家の皆様との対話
社員との対話
お取引先様との対話
社会・地域の皆様との対話
- ※コロナ禍のため、現在はオンラインコミュニケーションを行っています。
CSRマネジメント体制
ロームグループでは、全取締役とそれに準ずる権限を持つ部門長から構成されるCSR委員会が全社にまたがるCSRテーマに関する責任を担っており、代表取締役社長が委員長を務めています。また、CSR委員会では下部組織として7つの委員会を持ち、各分野において検討された目標、施策、実績などを踏まえ、合議のうえ意思決定を行っています。CSR委員会における決議事項は、この7つの委員会を通じローム社内関連部門とグループ関係会社へ伝達され、施策が実行されます。委員会の各委員は、毎年度実施計画決定と同時にCSR委員会委員長により任命され、活動をはじめます。CSR室は、CSR委員会の運営を統括する事務局の役割を持つと共に、CSR関連の各種外部監査機関との窓口としても機能しています。
ロームグループでは、CSRマネジメント体制に基づき各専門部会や社内関連部署、グループ会社と協力し、PDCAサイクルを回すことでマネジメントシステムの認証を取得しています。
これらの活動を通じて「会社の品質」をさらに向上させステークホルダーの皆様から選ばれる企業を目指しています。
マネジメントシステムの取得・運用状況
テーマ | マネジメントシステム認証/顧客要求 | |
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製品品質 | 品質 | ISO9001 |
自動車産業向け 品質/機能安全 | ISO/TS16949 IATF16949 ISO 26262 |
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経営品質(事業活動の品質) | 環境 | ISO14001 |
労働安全衛生 | OHSAS18001※1 | |
情報セキュリティ | ISO/IEC27001 | |
労働・安全衛生・環境・倫理マネジメントシステム | RBA※2VAP監査※3 |
- ※1現在、OHSAS18001からISO45001の移行に向けて取組んでいます。
- ※2RBA行動規範は、エレクトロニクス産業、または電子機器が主な部品である産業、およびそのサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者に対する敬意と尊厳を持って処遇すること、さらに環境への責任と共に、業務を倫理的に行うための基準を規定しています。
- ※3VAP監査:VAPとは"Validated Audit Process"の略。RBA行動規範に対する第三者監査のこと。
国連グローバルコンパクトへの参画
国連グローバル・コンパクト(UNGC)とは、企業をはじめとする組織体が「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野にわたる10の原則において、責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって持続可能な発展を実現することを目指した国際的なイニシアティブです。
ロームグループは2011年5月にUNGCに加盟し、10原則を支持しています。
外部からの評価
企業の社会・環境・倫理側面を投資の判断基準とする社会的責任投資(SRI)において、ロームはSRI関連評価機関から高い評価を受け、様々なSRIインデックスの構成銘柄に選定されています。
「FTSE4Good Index Series」の構成銘柄に選定
ロームは、英国のFTSE Russellによる「FTSE4 Good Index」の構成銘柄に17年連続で選定されています。
また、2017年に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が新たにESG投資指数として選定した「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に4年連続で選定されています。
「MSCI ESGレーティング」にてA評価を取得
米国モルガンスタンレーグループのMSCIが行うESGレーティングにおいて、ロームグループはA評価をいただきました。
MSCIは、ESG評価対象企業の産業の特徴を踏まえ、重要度の高いESG課題を絞り込んだうえでの評価を行うことに特徴があります。
「EcoVadis」社サステナビリティ評価でゴールドに格付け
ロームは、フランスに本社を置く評価機関であるEcovadis社による2020年のサステナビリティ評価において、最高ランクの「ゴールド」評価を獲得しました。
Ecovadis社は、企業のサステナビリティに関する国際的な評価機関で、世界155ヶ国、198業種にわたる企業のCSR活動を「環境」、「労働と人権」、「倫理」、「持続可能な資源調達」の4つの分野で評価しています。今回、ロームが獲得したゴールド評価は対象企業全体の上位5%に送られるもので、特に「環境」分野においては、上位1%に入る高い評価を獲得しました。
「健康経営有優良法人~ホワイト500~」に認定
ロームは、経済産業省と日本健康会議が主催する健康経営優良法人認定制度にて、「健康経営優良法人2021」に4年連続で認定されました。本制度は、地域の健康課題に即した取組みや日本健康会議が進める健康増進の取組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
「第10回 企業の品質経営度調査」で総合ランキング5位を獲得
一般財団法人日本科学技術連盟による第10回「企業の品質経営度調査」において、ロームが総合ランキング5位の評価をいただきました。「企業の品質経営度調査」とは、産業界に対して"品質"の重要性の再認識を促すことなどを目的に、2004年から日本科学技術連盟が日本経済新聞社の後援のもと、主に製造業を対象に2年に1度実施される調査です。
- ※2018年度調査最新
ABINCより「いきもの共生事業所認証」を取得
ロームは、「本社周辺での生物多様性に配慮した環境保全の取り組みが高く評価され、このたび、一般社団法人 いきもの共生事業推進協議会(ABINC)の「いきもの共生事業所認証」を取得しました。ABINC認証は、一般社団法人 企業と生物多様性イニシアチブ(JBIB)が開発した「いきもの共生事業所推進ガイドライン」に基づき、生物多様性に配慮した緑地づくりや管理・利用などの取組みを第三者評価・認証する、2014年から始まった認証制度です。
ローム本社「緑の認定」SEGESを取得
ローム株式会社 本社工場が、公益財団法人 都市緑化機構が運営する「緑の認定」SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)「そだてる緑」部門において、「Excellent stage2」の認定を取得しました。SEGESは、緑を守り育てる活動を通じて社会や環境に貢献している企業等の緑地を対象に、優れた取り組みを客観的に評価・認定する制度です。今回、ロームグループとして初めての申請でしたが、「企業の経営理念として『森の中の工場』を目指してきた結果が、地域に欠かせない緑地となった好例である。行政との連繋もしっかりとられている」と永年に渡る活動が評価され、認定取得につながりました。
お客様からの表彰・評価
ロームグループは、お客様の期待に応えるため、日々品質改善や環境課題等を改善する取組みを行っております。お客様からは自社の取組みが評価され、これまで以下の表彰を受賞しております。
受賞年度 | 受賞内容 |
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2011 | BOSCH様より「Global Supplier Award 2011/2012」を受賞 |
2011 | EPSON ENGINEERING(SHENZEHEN)様より「Q(品質)C(コスト)D(納期)表彰状」を受賞 |
2011 | デンソー様より、信号用途トランジスタ部門における電子部品品質評価制度にて5年連続最優秀「品質優良仕入先」と評価 |
2011 | 阪神エレクトリック様より品質向上活動「品質優秀賞」を受賞 |
2012 | Continental様より「Supplier Quality Award 2012」を受賞 |
2012 | DELPHI様より「Pinnacle Award for Supplier Excellence」を受賞 |
2012 | General Motors様より「GM Supplier Quality Excellence Award」を受賞 |
2012 | TOYOTA広瀬工場様より品質管理活動表彰「優良賞」を受賞 |
2012 | デンソー様より「品質優良賞」を受賞 |
2012 | ミツバ様より「品質優秀賞」を受賞 |
2012 | 富士通テン様より「品質優秀賞」を受賞 |
2013 | Continental様より「Supplier Quality Award 2013」を受賞 |
2013 | General Motors様より「GM Supplier Quality Excellence Award」を受賞 |
2013 | TOYOTA広瀬工場様より品質管理活動表彰「優良賞」を受賞 |
2013 | クラリオン様よりQCD改善活動において「優秀賞」を受賞 |
2013 | パイオニア様より「最優秀サプライヤー」に認定 |
2013 | ホンダロック様より品質・サービス面の取組みが評価され、「優良感謝賞(特別賞)」を受賞 |
2013 | 日立オートモーティブシステムズ阪神様より感謝状「品質改善賞」を受賞 |
2014 | General Motors様より「GM Supplier Quality Excellence Award」を受賞 |
2014 | TOYOTA広瀬工場様より品質管理活動表彰「優良賞」を受賞 |
2014 | 三菱電機コミュニケーションネットワーク製作所様より、長期にわたる不具合ゼロ達成を評価され、「優秀取引先表彰」を受賞 |
2014 | 三菱電機株式会社名古屋製作所様より「品質優秀賞」を受賞 |
2015 | Continental様より「Supplier of the Year 2014 Best Performance within Category Discretes and Standard Ics」を受賞 |
2015 | DELPHI様より「Pinnacle Award for Supplier Excellence」を受賞 |
2016 | Continental様よりSupplier of the Year 2015「Best Performance within Category Broadliner Electronics」を受賞 |
2016 | General Motors様より「GM Supplier Quality Excellence Awardを受賞 |
2016 | TOYOTA広瀬工場様より品質向上活動表彰「特別功労賞」を受賞 |
2016 | アルパイン様より「BEST SUPPLIER OF ALPINE ELECTRONICS MANUFACTURING OF EUROPE LTD」を受賞 |
2016 | カルソニックカンセイ様より品質・サービス面の取組みが評価され、「特別賞」を受賞 |
2016 | デンソー様より、トランジスタ・信号用途部門における電子部品品質評価制度にて5年連続最優秀「品質優良仕入先」と認定 |
2017 | Continental様より「Supplier of the Year 2016「Best Performance within Global Category Discretes」を受賞 |
2017 | TOTO様より2016年度サプライヤー評価において「パートナー優良賞」を受賞 |
2017 | アスモ様より2016年度品質向上活動が評価され、「品質優秀賞」を受賞 |
2017 | スタンレー電気様より2016年度搬入品質が評価され、「品質優秀賞」を受賞 |
2018 | TOTO様より2017年度サプライヤー評価において「パートナー最優良賞」を受賞 |
2018 | スタンレー電気様より2017年度搬入品質が評価され、「品質優秀賞」を受賞 |
2018 | パイオニア様より「優良サプライヤー賞」を受賞 |
2019 | PST様より「品質/納期優秀賞」を受賞 |
2019 | スタンレー電気様より2018年度搬入品質が評価され、「品質優秀賞」を受賞 |
2020 | General Motors様より「GM Supplier Quality Excellence Awardを受賞 |
2020 | トヨタ自動車様より「品質感謝状」を受賞 |
2020 | 住友電装様より「品質優良賞」を受賞 |
2020 | スタンレー電気様より2019年度搬入品質が評価され、「品質優秀賞」を受賞 |
2020 | ミネベアミツミ様より「品質貢献賞」を受賞 |
2021 | キャノン中山工場様より「品質優秀賞」を受賞 |