SiC。それは、46億年を旅した半導体

眠れる性能を呼び覚ましたのは、研究者たちの情熱でした。

それは、天然で見つかることは稀で、太陽系が誕生した46億年よりも前の隕石中からわずかに見つかったSiC(エスアイシー)という物質。やがて人工的につくれるようになり、半導体として優れた性質を持つこともわかってきましたが、極めて加工が難しく、パワーデバイスの量産化は世界中の研究者の誰もなしえない難業とされていました。

ロームがSiCパワーデバイスの量産化に着手したのは、1990年代のことです。高品質なSiCウエハ(半導体素子をつくるための材料)の入手も難しく、設備が整った環境が無い中で、実験のために全国の研究機関を行脚する日々。しかしロームの研究者はあきらめませんでした。世界経済が悪化するなかでも精力的に研究開発を続け、加工の精度を高めるとともに独自の検査手法を築き、ラインの改良を重ね、ついに2010年、世界で初めてSiC-DMOSの量産化に成功しました。それは、より良い社会を願う研究者たちの情熱が生んだ、小さな奇跡の瞬間でした。
これからもロームの挑戦は終わりません。SiCパワーデバイスのリーディングカンパニーとして、更なる品質の向上を図るとともに、さまざまな分野で研究を進めています。

SiCパワーデバイス

SiCパワーデバイスとは

SiCとは、ケイ素(Si)と炭素(C)の化合物。結晶をつくるのに極めて高い熱が必要なうえ、固く、加工が困難といわれています。SiCパワーデバイスは、従来の半導体に比べてはるかに効率よく電力を変換でき、変換時に発生する熱も少ないため、劇的な省エネ化や冷却機構を含めた機器の大幅な小型化が可能。
特に大電力の変換に適しているため、現在は産業機器、EV、メガソーラー、家庭用エアコンなどの分野で導入が進み、その性能の高さを実証しています。

SiC-DMOS(2010) フルSiCモジュール(2012) 世界初量産
世界をリードするロームのSiC

2010年にSIC-DMOSを世界初量産したあとも、SiCパワーデバイスの技術力で世界をリードするローム。
2012年には、ショットキーバリアダイオードやMOSFETなど内蔵するパワー半導体素子を全てSiCで構成した"フルSiC"パワーモジュールを世界で初量産、そして2015年にはチップ基板表面に溝(トレンチ)を形成し、その側壁にMOSFETのゲートを形成したトレンチ構造のMOSFETを世界で初量産するなど、高い技術力で世界中に展開しています。

MOSFET
高品質・高信頼性デバイス

独自の垂直統合型生産体制だから実現する
高品質・高信頼性デバイス

「品質を第一とする」を企業目的に掲げるロームでは、SiC生産においても垂直統合型の生産体制を確立しています。2009年には欧州最大のSiC単結晶ウエハメーカであったドイツのSiCrystal社をロームグループの一員に迎えました。ウエハから金型、リードフレーム、パッケージの製造まで全てのプロセスをグループ内で独自に開発することができる体制を整え、高品質なデバイスを安定供給することが可能となっています。

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