令和 2 年度「第 68 回電気科学技術奨励賞」を受賞
「パワーエレクトロニクスの事前設計を実現させる
SiCパワーMOSFETの測定技術及び高精度デバイスモデルの開発」

2020年11月26日

ローム株式会社(本社:京都市)は、SiCパワーデバイスの設計シミュレーション技術「パワーエレクトロニクスの事前設計を実現させるSiCパワーMOSFETの測定技術及び高精度デバイスモデルの開発」において、令和 2 年度「第 68 回電気科学技術奨励賞」を受賞いたしました。

受賞

本表彰は、公益財団法人 電気科学技術奨励会が主催するもので、電気科学技術に関する発明、改良、研究、教育などで優れた業績を挙げ、日本の諸産業の発展および国民生活の向上に寄与し、今後も引き続き顕著な成果の期待できる人に対して、年1回行われています。令和2年度(第68回)は全17件(48名)の技術が表彰され、11 月 25 日(水)に学士会館(東京都千代田区)にて贈呈式が執り行われました。

<受賞内容>

「パワーエレクトロニクスの事前設計を実現させる
 SiCパワーMOSFETの測定技術及び高精度デバイスモデルの開発」

SiC(シリコンカーバイド)は半導体材料のひとつであり、現在主流の半導体材料であるSi(シリコン)に比べて、高耐圧かつ低損失なパワーデバイスを実現することができます。
SiCパワーデバイスを使いこなすためには、デバイスモデルを用いた回路動作の事前検証が重要になります。デバイスモデルはSiCパワーデバイスの特性を回路シミュレータ上で再現するもので、測定した特性を基に作成されます。従来のパワーデバイスの特性測定はその測定範囲に限界があり、デバイスモデルの精度に影響を与えていました。特にSiCパワーデバイスではその傾向が顕著でありデバイスモデルの改良が望まれていました。そこで、これまでとは考え方の異なる新たな測定手法を開発し、測定範囲を大幅に広げることに成功しました。その結果、作成されたモデルは高精度なものになり、広いスイッチング動作条件範囲でSiCパワーデバイスの動作を再現しています。このモデルを用いたシミュレーションによって、SiCパワーデバイスの動作を正確に予測することが可能になり、より精度の高い事前設計を行うことが可能になります。

本技術の詳細は下記をご参照ください。
https://ieeexplore.ieee.org/document/8094006

活用事例
https://ieeexplore.ieee.org/document/8781888
https://ieeexplore.ieee.org/document/9103049

本デバイスモデルはPathWave ADSモデルとして下記URLからダウンロードできます。
https://www.rohm.co.jp/products/sic-power-devices/sic-mosfet
https://www.rohm.co.jp/products/sic-power-devices/sic-mosfet-bare-die

ロームの研究開発の取り組み
https://www.rohm.co.jp/r-and-d

 

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