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ロームのIoT市場向け センサモジュール技術

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電波新聞 ロームのIoT市場向け センサモジュール技術

はじめに

様々な業界において、新しい価値を生み出すためのIoT技術が注目されており、ロームは、IoTソリューションの構築に必要不可欠な、センシング技術と無線技術を活用したデバイスやセンサモジュールの製品化を早期から行っている。近年、IoTの認知度も急速に拡大し、実証実験を通して具体的な機器製品化が進んできており、ロームのIoT市場向けの取り組みと、その採用事例について紹介する。

ロームのIoT市場向けの取り組み

ロームは、センサデバイス、低消費マイコン、無線モジュール等の商品化を行っているが、IoT市場の拡大を加速させるため、アプリケーションに最適なセンシングデータ処理(アルゴリズム)を内蔵したモジュールや、無線通信と一体化させたモジュールの商品化を進めている。

ロームは、2009年にロームグループに迎え入れたKionix社(カイオニクス)のMEMS技術を活かし、加速度センサ、ジャイロセンサ等、物体の動きをとらえるモーションセンサ群と、温度や照度、カラー、気圧等の環境をモニタリングする環境センサ・インターフェース群を開発している。(図1)センサエレメントを制御するアナログ回路技術を融合し、シリコンへのワンチップデバイス化や、チップスタック技術により、小型パッケージでのセンサ商品の量産を実施している。

図1:ロームのセンサデバイスラインアップ
図1:ロームのセンサデバイスラインアップ

無線デバイスにおいては、グループ会社であるラピスセミコンダクタでのRF LSIの製品化とそれらを使った通信モジュール化を行っている。アンテナも含め高周波設計した通信モジュールは、電波認証も取得しているため、IoT向けに必要な無線通信部も安心して採用頂ける。また、2013年より、超低消費電力で無線通信ができるEnOcean通信対応製品の取り扱いも開始し、電磁誘導発電・光発電等と組み合わせた、環境発電型(電池レス)無線センサモジュールの商品展開を実施している。電池レスでセンサモジュールを駆動出来るため、電池交換のメンテナンスが不要となり、ソリューション導入が容易に出来る。(図2)

このように、センサや無線通信を一つの機能ブロックとしてとらえ、ユーザーアプリケーションに最適なセンサや無線を組み合わせたソリューションを提供できる体制を整えている。

図2:ロームの保有する無線通信技術
図2:ロームの保有する無線通信技術

採用事例

これらのローム製品のIoTソリューションへの採用事例をいくつか紹介する。

一つ目は、Next Drive株式会社製の世界最小クラスのIoTゲートウェイ「Next Drive Wi-SUN Cube」だ。(写真1)HEMS(Home Energy Management System)やスマートホームサービスの中枢としてセンシングデータを収集し、データサーバへ送信する機器である。小型・軽量かつ、本体をそのままコンセントに差し込むだけで設置する事が可能な電気プラグ型となっている。本製品をIoTゲートウェイとしたソリューションの提供も可能であり、周辺機器として、モーションセンサや環境センサ、USBカメラ等も準備している。Wi-SUN通信対応のIoTゲートウェイやソリューションが製品化される事により、HEMS市場においてのIoT化も加速する事を期待している。

このIoTゲートウェイにローム製Wi-SUNモジュール(BP35C0)を搭載した事で、スマートメータから送信される電力データの収集を行い、HEMSアプリケーションとして電力データを活用する事が容易になる。

写真1:NextDrive Wi-SUN Cube
写真1:NextDrive Wi-SUN Cube

二つ目は、ラトックシステム株式会社製品温センサだ。(写真2)日本酒作りの中で特に重要な麹・酒母・もろみの工程を、無線温度センサで管理するものであり、センシングと記録を24時間自動化する事で、杜氏の人材不足を補う事が出来ると考えられる。京都伏見の複数の酒蔵で、品温センサによる実証実験を行っており、伝統産業へのIoT技術導入の先駆けとなっている。本センサを使った、記録アプリケーションも同時に開発され、「もろみ日誌」として販売をスタートしている。クラウドにデータを収集し、PCまたはスマートホンでのモニタリング可能。設定範囲を外れた場合にスマートホンへアラーム通知を行う他、画像ファイルも管理ファイルにアップロードする事も可能で、日本酒造りのデータを見える化し、熟練の技を次の世代へ継承するための手助けが出来る。

品温センサの無線部にローム製Wi-SUNモジュール(BP35C0)を搭載した事で、樽のある建屋と事務所の建屋間でも無線通信が可能になり、配線敷設の手間がかからない等、導入のハードルを下げている。

写真2:品温センサ
写真2:品温センサ

Wi-SUN通信モジュール BP35C0

今回紹介したIoTソリューションには、ローム製Wi-SUN通信モジュール BP35C0の持つ特徴をうまく活用出来たアプリケーションといえる。ここで、BP35C0の特徴をまとおめておく。小型のゲートウェイへや、センサ機器への組み込みに最適なWi-SUNモジュールとなっている。

BP35C0の主な特徴(写真3)

  • Wi-SUN通信対応(日本のスマートメータとの無線連携が可能)
  • 無線周波数にはサブギガ(900MHz帯)を使用し、2.4GHz帯との干渉が少ない
  • 見通し800m程度の通信到達距離
  • 業界最小クラス 15mm x 19mm 面実装モジュールで機器の小型化に貢献
  • モジュールとして電波認証取得済

写真3:Wi-SUN通信モジュール BP35C0
写真3:Wi-SUN通信モジュール BP35C0

最後に

ロームは、従来からセンサデバイス、低消費マイコン、無線モジュール等の商品化を行っているが、IoT市場の拡大を加速させるため、アプリケーションに最適なセンシングデータ処理(アルゴリズム)を内蔵したモジュールや、無線通信と一体化させたモジュールの商品化を進めている。ソリューションをモジュールで提供していく事で、ユーザーのIoT導入を早期に具現化し、生産性向上や省エネ化など、社会に貢献できる製品を開発していく。