あらゆる音源を再生可能なハイレゾ対応オーディオSoC「BM94803AEKU」を開発
業界初のハイレゾ対応オーディオリファレンスデザインも同時にリリース

2017年2月14日

※2017年2月14日ローム調べ

<要旨>

package

ローム株式会社(本社:京都市)は、従来のラジカセ、CDコンポから最新のBluetoothスピーカー、USB-DACなど、さまざまなオーディオ機器に向けて、あらゆる音源の再生を可能にするとともに、周辺部品や入出力インターフェースの制御・管理を行う、いわばオーディオアプリケーションの頭脳となる部分を1つにまとめたハイレゾ*1対応オーディオSoC*2BM94803AEKU」を開発しました。
BM94803AEKU」は、ロームグループが培ってきたASIC(特定用途向け専用IC)やマイコン、各種メディアデコーダなどの回路技術とソフトウェア技術により、最適化設計されたプロセッサチップにSDRAMを搭載、1パッケージ化した製品です。メディアデコーダが様々な音源に幅広く対応するだけでなく、ロームが20年以上培ってきたノウハウによる再生安定性(傷付いたCDの滑らかな再生、規格を外れたようなUSBの再生)をもたらすとともに、SDRAM搭載による小型化も実現しています。
また、このSoCをラインアップしたことで、業界初となるハイレゾ対応のオーディオリファレンスデザインも提供する事が可能になりました。リファレンスデザインは、オーディオSoCを中心に、ロームのアンプ、CDドライバなどで構成されており、オーディオデバイスと周辺アプリケーションのパフォーマンスを最大限に引き出します。さらに、専用ソフトウェアも提供することで、幅広い音源を安定して再生できるオーディオ機器の素早い開発を可能にし、音の作り込みに費やす時間確保に貢献します。
なお、オーディオSoC「BM94803AEKU」は、2017年1月より当面月産3万個の体制で量産(サンプル価格 4,000円/個:税抜)を開始しており、リファレンスデザインも同時にリリース(参考価格 70,000円/台:税抜)しています。
ロームは今後も、ハイレゾ対応デバイスのラインアップを拡充し、時代の高音質ニーズに対応していきます。

<背景>

オーディオSoCアプリケーションブロック図

近年、ハイレゾ音源に限らず、さまざまなオーディオ機器において、あらゆる音源(メディア・音楽ファイル)が持つ情報を忠実に再現することが求められています。
ところが、あらゆる音源に対応するためには、周辺部品をはじめ、CDやUSB、Bluetoothなど複数のメディアデコーダが必要になる上、それらを動かすためのソフトウェアも複雑になるため、開発工数が膨大なものになるという課題がありました。
ロームはオーディオ分野に対して、オペアンプなどの汎用ICに始まり、サウンド・プロセッサやスピーカアンプ、メディアデコーダなどのオーディオ関連ICをこれまで開発してきました。今回、頭脳となるオーディオSoCを開発し、リファレンスデザインを提供することで、オーディオシステム全体の高音質化と開発工数の大幅な削減に貢献することが可能になりました。

<新製品の特長詳細>

対応メディアリスト
メディア接続方式・音楽ファイル形式
CDCD-DA/MP3/WMA
USB/SDMP3/WMA/AAC/WAV
AIFF/FLAC/ALAC/DSD
スマートフォンAOA2.0 (Android)
iAP/aAP2 (iOS)
BluetoothA2DP/AVRCP/SPP/DID
PCAudio Class2.0 (USB-DAC)

1. ユーザーが求める、あらゆる音源に対応可能

従来のメディア(CD、USB、SD)から新しいメディア(スマートフォン、Bluetooth)、PC(USB-DACによる接続)まで対応すると同時に、音楽ファイル形式もFLACやDSDを始め、幅広い形式を網羅しています。

2. ユーザーが大切にしてきたメディアを滑らかに再生可能

新製品には、ロームがASIC、メディアデコーダの開発で20年以上培ってきたノウハウを組み込んでおり、例えば、表面に傷が出来てしまったようなCDでも滑らかに音飛びなく再生することが可能です。また、新興国などで数多く存在している、規格を外れたようなUSBメモリも読み込むことができます。ロームは、長年培ってきたノウハウによって圧倒的な再生安定性を提供し、オーディオ機器へ寄せられるユーザーの期待に応えます。

3. あらゆるオーディオ機器開発を強力にサポートするソフトウェアも完備

オーディオ機器に最適化設計されたオーディオSoCと、その性能を最大限に引き出す専用ソフトウェアをリファレンスデザインとして提供する事で、これまでオーディオ機器メーカーで必要とされていた開発工数を大きく削減し、迅速な機器開発、音の作り込み時間確保に貢献します。

4. CD-DSP、SDRAM搭載による小型化を実現

オーディオSoCは、従来別のデバイスとして実装する必要があったCD-DSP(CD用メディアデコーダ)や16MビットSDRAM(ラピスセミコンダクタ製)を搭載、1パッケージ化しています。これにより、実装面積が削減されるのはもちろん、デバイス間の輻射ノイズを気にする必要もなくなります。

<オーディオリファレンスデザインについて>

リファレンスデザイン外観

新製品のハイレゾ対応オーディオSoCを中心とした、ローム製オーディオデバイスの性能を最大限に引き出すリファレンスデザインです。
オーディオデバイスだけでなく、周辺アプリケーション(チューナーモジュールやBluetoothモジュール、CDドライバ)も実装しており、再生動作の実機確認をすぐに行うことが可能です。リファレンスデザインが迅速なハイレゾ対応オーディオ機器開発を可能にします。

<対応アプリケーション例>

  • Hi-Fiオーディオ機器
  • ハイレゾシステムコンポ
  • ラジカセ
  • Bluetoothスピーカー
  • USB-DAC

<用語説明>

*1) ハイレゾ音源
一般的な音楽用CDで再生される音楽はサンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16bitであるのに対し、ハイレゾ音源は、サンプリング周波数が96kHz以上、量子化ビット数が24bit以上のデータが一般的。つまり、ハイレゾ音源の情報量は通常の音楽CDよりも格段に多いため高音質を実現することができる。
*2) SoC (System on Chip)
一般に、システムの動作に必要な機能を集積したIC。ここでは音源からオーディオ信号を取り出し、出力する一連の機能をもつものを表す。

<ライセンス・商標について>

  • iPod/iPhone/iPad対応製品のご紹介には、Made for iPod/iPhone/iPadライセンシーであることが条件となります。
    iPod、iPhoneは米国およびその他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。iPadはApple Inc.の商標です。
  • SDはSDアソシエーションの登録商標です。
  • Windows MediaおよびWindowsは米国Microsoft社の米国およびその他の国での登録商標です。