2017年1月30日
ローム株式会社(本社:京都市)は、決済端末などのレシートプリンタ向けにLi-ion電池1セル電源で駆動する、新構造サーマルプリントヘッド「KR2002-D06N10Aシリーズ」を開発しました。サーマルプリントヘッドは、発熱と放熱を繰り返して感熱紙などのメディアに印字を行う電子デバイスです。決済端末用のサーマルプリントヘッドにおいては、これまでLi-ion電池2セル電源駆動が一般的でした。本製品は、蓄熱層であるグレーズ※1設計の最適化と特殊低抵抗発熱体を採用することにより、蓄熱性を向上。さらにセラミック基板とプリント基板を組み合わせた新構造の開発を行うことで、当社従来の2セル電源駆動品と比較して印加エネルギー効率を約20%向上させ、ヘッド部の小型化も行いました。これらの抜本的な構造と素材の見直しにより、1セル電源駆動でも従来の速度でこれまでと同等の印字品位が実現でき、機器の省エネ化と小型化に貢献します。
なお、本製品は2016年8月より月産2万個の体制で量産(サンプル価格600円/個:税抜)を開始しています。生産拠点はROHM Electronics Dalian Co., Ltd. (中国)となります。ロームは今後も高画質、高速印字、高効率化を実現したサーマルプリントヘッドのラインアップを拡充していきます。
サーマルプリンタは、インクジェットやレーザーのプリンタと異なり、静音で動作し、インクなどを使用せず、大きなトナーカートリッジを必要としないことから、主に物流・品質管理・医療用途などのバーコードラベルプリンタや、リテールプリンタなどのPOS (Point of Sales) レシートプリンタやFAXなどに使用されています。従来、サーマルプリントヘッドは、印字エネルギーと印字品質のトレードオフの関係から、印加電圧を確保する必要があったため、Li-ion電池2セル電源駆動品が一般的でした。その中でも決済端末などのレシート用途に使用されるサーマルプリントヘッドは、近年モバイル端末市場が成長傾向にあることに伴い、これまでの高画質と高速印字への要求に加え、省エネ化と小型・軽量化の要求も同時に高まってきており、1セル電源駆動品のサーマルプリントヘッドの需要が増えてきています。
「KR2002-D06N10Aシリーズ」は、印字の効率をあげるために特殊低抵抗発熱体と高効率蓄熱層を採用。さらにセラミックとプリント基板を組み合わせた2体構造にし、ON抵抗を最小限に抑えた高効率ICを使用することで、配線による印加エネルギー損失を抑えて効率向上を行いました。これにより、従来の2セル電源駆動品「KA2002-B35N10Aシリーズ」と比較すると印加エネルギー効率を約20%削減。アプリケーションの1セル電源駆動で省エネ化を実現します。
「KR2002-D06N10Aシリーズ」は、特殊低抵抗発熱体を採用することで、印加電力が下がっても、印字濃度だけでなく、2セル電源駆動品「KA2002-B35N10Aシリーズ」と同等の高い印字品位も同様に確保しています。
「KR2002-D06N10Aシリーズ」は、セラミック基板とプリント基板を組み合わせた2体構造を採用することにより、ヘッド部を当社従来比約20%の小型化を実現しました。2セル電源駆動から1セル電源駆動を実現したことにより、搭載のバッテリー数を削減でき、モバイル端末として小型化のニーズを満たします。
※印字電源電圧は充電直後の値です
随時ラインアップを拡充させていきます。
決済端末用レシートプリンタ、POSプリンタ(Point of sales)、モバイルプリンタ
2015年6月16日業界最高※の高画質と高速印字を実現する、新構造サーマルプリントヘッド技術を開発物流 / 医療用途プリンタでの高精度・微細印字に貢献
サーマルプリントヘッド(レシートプリンタ用)(PDF:366KB)
Li-ion電池1セル電源駆動対応のサーマルプリントヘッド「KR2002-D06N10Aシリーズ」を開発
独自のヘッド構造、新材料の採用により機器の省エネ化、小型化に貢献
2017年1月30日
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、決済端末などのレシートプリンタ向けにLi-ion電池1セル電源で駆動する、新構造サーマルプリントヘッド「KR2002-D06N10Aシリーズ」を開発しました。
サーマルプリントヘッドは、発熱と放熱を繰り返して感熱紙などのメディアに印字を行う電子デバイスです。決済端末用のサーマルプリントヘッドにおいては、これまでLi-ion電池2セル電源駆動が一般的でした。
本製品は、蓄熱層であるグレーズ※1設計の最適化と特殊低抵抗発熱体を採用することにより、蓄熱性を向上。さらにセラミック基板とプリント基板を組み合わせた新構造の開発を行うことで、当社従来の2セル電源駆動品と比較して印加エネルギー効率を約20%向上させ、ヘッド部の小型化も行いました。これらの抜本的な構造と素材の見直しにより、1セル電源駆動でも従来の速度でこれまでと同等の印字品位が実現でき、機器の省エネ化と小型化に貢献します。
なお、本製品は2016年8月より月産2万個の体制で量産(サンプル価格600円/個:税抜)を開始しています。生産拠点はROHM Electronics Dalian Co., Ltd. (中国)となります。
ロームは今後も高画質、高速印字、高効率化を実現したサーマルプリントヘッドのラインアップを拡充していきます。
<背景>
サーマルプリンタは、インクジェットやレーザーのプリンタと異なり、静音で動作し、インクなどを使用せず、大きなトナーカートリッジを必要としないことから、主に物流・品質管理・医療用途などのバーコードラベルプリンタや、リテールプリンタなどのPOS (Point of Sales) レシートプリンタやFAXなどに使用されています。従来、サーマルプリントヘッドは、印字エネルギーと印字品質のトレードオフの関係から、印加電圧を確保する必要があったため、Li-ion電池2セル電源駆動品が一般的でした。
その中でも決済端末などのレシート用途に使用されるサーマルプリントヘッドは、近年モバイル端末市場が成長傾向にあることに伴い、これまでの高画質と高速印字への要求に加え、省エネ化と小型・軽量化の要求も同時に高まってきており、1セル電源駆動品のサーマルプリントヘッドの需要が増えてきています。
<新製品の特長>
1. 1セル電源駆動でさらなる省エネ化を実現
「KR2002-D06N10Aシリーズ」は、印字の効率をあげるために特殊低抵抗発熱体と高効率蓄熱層を採用。さらにセラミックとプリント基板を組み合わせた2体構造にし、ON抵抗を最小限に抑えた高効率ICを使用することで、配線による印加エネルギー損失を抑えて効率向上を行いました。これにより、従来の2セル電源駆動品「KA2002-B35N10Aシリーズ」と比較すると印加エネルギー効率を約20%削減。アプリケーションの1セル電源駆動で省エネ化を実現します。
2. 印字速度を維持し、高い印字品位を実現
「KR2002-D06N10Aシリーズ」は、特殊低抵抗発熱体を採用することで、印加電力が下がっても、印字濃度だけでなく、2セル電源駆動品「KA2002-B35N10Aシリーズ」と同等の高い印字品位も同様に確保しています。
3. 当社従来品「KA2002-B35N10Aシリーズ」比20%の小型化を実現
「KR2002-D06N10Aシリーズ」は、セラミック基板とプリント基板を組み合わせた2体構造を採用することにより、ヘッド部を当社従来比約20%の小型化を実現しました。2セル電源駆動から1セル電源駆動を実現したことにより、搭載のバッテリー数を削減でき、モバイル端末として小型化のニーズを満たします。
(KA2002-B35N00A)
(KR2002-D06N10A)
<主要特性>
(dpi)
(mm)
(dots)
抵抗値
(Ω)
プラテン
Φ(Max.)
(mm)
(mm/s)
電源電圧
(VH)
電源電圧
(VDD)
コネクタ無し
(予備半田付き)
※印字電源電圧は充電直後の値です
随時ラインアップを拡充させていきます。
<アプリケーション>
決済端末用レシートプリンタ、POSプリンタ(Point of sales)、モバイルプリンタ
<用語説明>
セラミック基板は放熱性が高いことから抵抗体の発熱をすぐに放熱してしまうため、新製品は放熱を抑制するために、セラミック基板と配線の間に蓄熱層を設けることで、発熱体部の温度を適正に保っている。印字の濃度と品位に影響するとともに、適正な熱量の調整により省エネ化に効果がある。
<関連情報>
■ ニュース
2015年6月16日
業界最高※の高画質と高速印字を実現する、新構造サーマルプリントヘッド技術を開発
物流 / 医療用途プリンタでの高精度・微細印字に貢献
■ 新商品速報
サーマルプリントヘッド(レシートプリンタ用)(PDF:366KB)
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