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特集:MEMS技術
センサー・フュージョンの新技術

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センサ・フュージョンの新技術

カイオニクスの新製品は、ソフトウェア開発が中心に

今日のモーションセンサー製品において、ソフトウェアの存在抜きに考えることはできない。特に携帯端末に搭載されるモーションセンサーを支えるソフトウェアは、かつてないほど重要かつ複雑になっている。今日のスマートフォンやタブレットPC、ノートPCといった端末には、加速度センサーやジャイロスコープだけでなく、地磁気センサー(デジタル方位計)、近接センサー、照度センサー、さらには圧力センサーやGPSなども搭載されている。たとえばマイクロソフトのWindows8®(Windows8®はマイクロソフト社の登録商標。)においては、これらのセンサーの搭載はオプション設定ではなく、必須となっている。これら複数のセンサーの組み合わせによって、端末内で高度なソフトウェア管理が求められる複雑なサブシステムがセンサー・フュージョンである。(図1)

カイオニクス社のセンサー・フュージョン
[図1]カイオニクス社のセンサー・フュージョン

センサー・フュージョンは、多くのセンサーからの情報や信号の交通整理だけをすればよいというわけではない。すなわち、搭載された一つひとつのセンサーデバイスが、単体で動作するよりも、システム全体として最適な機能を発揮できるように、データを処理し自動補正できることが必要となる。また、性能を犠牲にすることなく消費電力を可能な限り抑えることが非常に重要であり、センサー・フュージョンには各々のセンサーの消費電力を最適管理する機能も求められる。これこそまさに、カイオニクスが提供するセンサー・フュージョン・ソフトウェアの得意とするところである。

以前よりカイオニクスは、アルゴリズムを組み込んだ製品や、アプリケーションサポート力で知られてきたが、2年前より、親会社のロームからのサポートを受けながらソフトウェア・ソリューションの拡大に取り組んできた。現在、ニューヨーク本社のソフトウェア開発チームの拡充とあわせて、シリコンバレーにも経験豊富なエンジニアを集めた開発部隊を置いている。

Windows8®の認証を取得

これらの取り組みの結果、カイオニクスはWindows8®の認証を先日取得した。カイオニクスは今日現在、従来の製品ラインアップに加え、Windows8®認証センサー・フュージョンの提供ができる、Windows8®の最重要パートナーとして位置づけられている。この認証は、Windows8®の32ビット、64ビット品だけでなく、Windows7®の32ビットおよび64ビット品にも対応している。(図2)

Windows8によるセンサーソフトウエアの構成
[図2]Windows8によるセンサーソフトウエアの構成

カイオニクスのセンサー・フュージョンは、ハブ・プロセッサ・ソリューションとして認知されており、マイコン上で動作する。センサー・フュージョンは、加速度センサー、ジャイロスコープ、地磁気センサーを含む9軸プラットフォームをサポートするだけでなく、3つの異なるセンサーをひとつのシステム上で統合制御する際に重要となる自動補正の機能も備えている。

このハブ・プロセッサ・ソリューションは、カイオニクスが提供する新しいセンサー・フュージョンのほんの一部分にしか過ぎない。拡張性を備えたこのソフトウェア・ソリューションは、幅広い製品に搭載が可能であり、たとえば動作検知といった比較的シンプルなRTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)においても効果的に動作する。


ユーザーによるプログラミング可能なステートマシンを備えた、新しい加速度センサー

何年も前からカイオニクスは、画面の縦横検知、回転検知、タップ機能、落下検知その他、携帯端末上で必要とされる特定機能を作動させるためのアルゴリズムを組み込んだ加速度センサーを提供してきた。このたびカイオニクスは、従来の内蔵アルゴリズムに進化した柔軟性と機能性を与えた、革新的な新商品を発表した。(写真)

新商品のKXCNLは、デュアル・ステートマシン(ユーザーによるプログラミングが可能)を内部に搭載している。同製品は、基本機能である画面縦横検知をはじめとして、自由落下検知や歩数計測、タップ/ダブルタップ機能、パワーマネジメント機能などのより高度なアプリケーションを幅広く組み合わせることができる。また、複数のアプリケーションをダイレクトにスワップアウト(一時退避)させることができるため、設計者に新たなレベルの柔軟性と拡張性を提供する。カイオニクスは、ユーザーがこのフレキシビリティに的確に対応できるように支援しており、ユーザーはライブラリ中の希望プログラムがあらかじめ内蔵メモリに書きこまれた製品と書きこまれていない製品の両方から選択できる。希望プログラムが書きこまれていない製品については、ユーザーが自ら書きこんで使用することが可能である。

新商品のデュアル・ステートマシンは、チップレベルで複数のアプリケーションを同時に実行できるため、システムの主要なプロセッサの処理負荷を大幅に軽減すると同時に、省エネにも貢献する。

加速度センサー新製品「KXCNL」
加速度センサー新製品
「KXCNL」

引き続き、ソフトウェアが最終製品の開発のカギを握る

カイオニクスのセンサー・フュージョンおよび新しい加速度センサーKXCNLはいずれも、モーションセンサーのサプライヤーがユーザーの要求に応えるために日々重ねている技術革新の好例といえる。電化製品に搭載される数々のセンサーが複雑化する傾向は今後も続くため、ハードだけで携帯端末市場の求めるすべての機能を満たすことは、もはや不可能となっている。

カイオニクスのセンサー・フュージョンは、無類の柔軟性、拡張性及びパワーマネジメント機能を設計者に提供し、付加価値の高いモーションセンサー機能を備えた製品開発を実現する。他方KXCNLは、センサー・システム全体の構成要素のひとつとして、高い機能性とパワーマネジメント性能を備えた製品であり、長年、高品質のアルゴリズム搭載品およびアプリケーションサポートを提供してきた当社のユーザーの評価を、より一層高めるものであると確信する。(図3)

KXCNLのステートマシン例
[図3]KXCNLのステートマシン例

カイオニクスは、高い柔軟性をもった同社のセンサー・フュージョンおよび最先端の加速度センサーを通じて、今日市場で入手可能なソフトウェア・ソリューションの中で最も高効率かつ洗練された商品をユーザーに提供し、ユーザーの高機能な最終製品の開発を支援する。


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