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ドイツ ニュルンベルクで開催の「PCIM(Power Conversion Intelligent Motion) EUROPE 2012」 にて最優秀論文賞を受賞

発表日:2012.05.17

2012年5月8日 ドイツ/ニュルンベルク/ヴィリッヒ-ミュンヒハイデ -ローム株式会社は、弊社が開発するSiCパワーデバイスに関する論文でPCIM Europe 2012において最優秀論文賞を受賞いたしました。
独創性・話題性・クオリティーを基準に、230以上ものハイレベルな候補論文の中から選考が行われ、ドイツ科学諮問委員会委員長 ECPE(European Center for Power Electronics e.V.)のレオ・ロレンツ博士より賞が授与されました。
PCIM Asia(2013年に上海で開催予定)への招待を含む最優秀論文賞は、ローム株式会社による論文 "Ultra low Ron SiC Trench devices" に贈られました。 この論文はPCIM Europe 2012で初公表され、その予稿集に掲載されています。


以下、論文より抜粋:

Ultra low Ron SiC Trench devices
本稿では、シリコンカーバイド(SiC)の次世代プレーナー型MOSFET、トレンチ型ショットキーバリアダイオード、トレンチ型MOSFETについて述べる。
SiCデバイスは、高耐圧のコンバータやインバータなどのアプリケーションにおいて、スイッチング損失を低減することができるという特長があり、注目を浴びている。現在、SiCのプレーナー型のMOSFETの量産が開始されているが、従来のSiCMOSFETには、寄生のPNダイオードに電流を流すと、素子のオン抵抗が増加するという問題がある。これは、SiC基板に存在する基底面転位を起点としてエピ層中の積層欠陥が拡張することで、電流が流れにくくなるためである。一部のコンバータやインバータなどの回路では、転流時にソースからドレインに電流が流れるため、実使用中にオン抵抗が上昇し、非常に大きな問題となる。今回、ロームは、寄生PNダイオードに電流が流れても、素子の劣化が起こらないSiC-MOSFETの開発に成功した。
SiCショットキーバリアダイオードは、スイッチング損失を大幅に減少できるものの、シリコンのPNダイオードに比較すると、順方向電圧降下が大きいため、導通時の損失低減が望まれている。電圧降下が大きい理由は、SiCがシリコンの10倍以上の絶縁破壊電界強度を有しているためであり、高い電界強度において低いリーク電流を維持するためにはショットキー障壁を高くする必要がある。新たに開発したトレンチ型SiCショットキーバリアダイオードは、トレンチ構造により電界を緩和することで、従来のSiCショットキーバリアダイオードに比べて、リーク電流を増加させることなく、電圧降下を下げることに成功した。
トレンチ型SiC-MOSFETは、プレーナー型SiC-MOSFETに比べて、オン抵抗を低くすることができる。しかし、ドレイン-ソース間に高電圧を印加した際、トレンチ底部でゲート酸化膜が破壊するという問題があった。新たに開発したダブルトレンチ構造のSiC-MOSFETでは、トレンチ構造底面での電界を緩和することで、オン抵抗を上昇させることなくゲート酸化膜の信頼性を著しく向上させることに成功した。


<ロームについて>
2011年3月期連結売上高は341,885百万円。従業員数21,560人。集積回路・ダイオード・トランジスタ・LED・抵抗器・タンタルコンデンサ・ディスプレイ・プリントヘッドやその他の電子部品などの幅広い製品の開発及び製造を最先端の製造拠点(日本、韓国、マレーシア、タイ、フィリピン、中国)にて行っています。ラピスセミコンダクタ(旧 OKIセミコンダクタ)/SyCristal AG/Kionixはロームのグループ会社です。


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