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ローム独自のLED技術 イルミネーションにまばゆい輝きを

12/10/2018

ロームでは、社会貢献活動の一環として、ローム京都本社周辺でイルミネーションを開催しています。20回目となる今年も、「まばゆい輝きに、こころ踊る瞬間。」をテーマに、12月25日(火)までの約1ヵ月間、約86万球の電球で冬の京都を暖かく照らし出しています。

今回は、ロームイルミネーション2018に加え、イルミネーションにも使用されているローム製LEDについて紐解いていきます。

 

ロームイルミネーション2018のみどころ

みどころのひとつは、毎年恒例となっている「大学生アカペラコンサート」。関西圏11大学のアカペラサークルから合計47チームが参加し、1日8ステージ、計94ステージを行う関西最大級のアカペライベントです。芝生広場には歌声とともにイルミネーションが移り変わる幻想的なステージが設けられ、学生の皆さんの歌声に癒やされる特別な時間を過ごすことができます。

また、今年は芝生広場のイルミネーションが新しくなりました。芝生にちりばめられた高さ約1mのLEDバーと、高さ6m×横12mの大型LEDビジョンによる「光のカクテルガーデン」が、波紋のように広がる光や、空間を流れていくような躍動感のあるイルミネーションを演出。音楽と呼応する美しいショーをご覧頂くことができます。

その他にも、毎年恒例のシンボルツリー「ヤマモモの木」や、幻想的な雰囲気をつくり出す「光のプロムナード」など、みどころたっぷりのイルミネーション。京都にお越しの際は、ぜひローム京都本社まで足を伸ばしてみてください。

 

まばゆい輝きを生み出すローム製LED

さて、イルミネーションで使用されているLEDですが、もちろんローム製のものが使用されています。

ロームでは、1973年にランプLEDを生産して以来、45年にわたって業界に先駆けた製品開発を行ってきました。イルミネーションにも欠かせないローム製LEDについて、LED製造部のエンジニアに話を聞きました。

ロームLEDの最大の強みは、徹底した品質管理と、素子を製造する段階から作りこみを行う一貫生産体制により、独自の製品開発を行える点だと言えます。組立工程で製造しやすいチップ設計や、超小型製品へのトレーサビリティ導入、車載品質に対応した工程管理など、LED開発にはロームの企業目的でもある”品質第一”の精神が活きています。生産技術や品質管理に重きを置くことで、小型化や高信頼性化などお客様のニーズにあったローム独自のLED提供が可能となっているそうです。

ロームの特長的な製品として、主に3つあげられます。

まずは小型・薄型化のLEDです。民生機器をはじめ、アプリケーションの小型化にともない、デバイスの小型化は常々求められています。ローム独自の生産技術により素子自体を小型化し、素子と基板をつなぐ金線を低くすることで、業界最薄の高さ0.2mmを実現しています。

次に、LEDの光度バラツキを大幅に低減し、光度の安定化に成功したLEDです。自動車のメーターや産業機器などLEDを並べて使用するアプリケーション向けに最適で、素子製造段階から徹底した作りこみを行うことで、お客様側で統一した光度に調整する必要がなくなり、設計負荷の軽減に貢献します。

そして、耐久性に優れたLEDもロームならではの特長です。自動車向けストップランプなど過酷な環境下で使用されるアプリケーション向けに、光度の経年劣化を防ぐため耐硫化性を飛躍的に向上させた製品を業界で初めて製品化しました。

さらに、自動車のクラスターで光漏れが起こらないように対策された小型LEDなど、お客様の要求とともにラインアップは年々増え続けています。

左:ローム製LEDのメリットを紹介する自動車用リアランプのデモ機
右:一貫生産体制の強みを活かし、豊富なカラーラインアップを保有

 

しかし、こうした製品開発は、はじめから上手くいっていたわけではありません。

今でこそLEDは長寿命で何年経っても明るさのムラがなく、安定した美しい光を保つことができるという認識が一般的になっていますが、特に屋外で使用される際の信頼性の向上に苦労したとエンジニアは言います。例えば、冬場の低温環境では、1年でLED素子が急激に劣化したり、高輝度の赤色LED素子が水分で暗くなったり、白色LEDが黄色に変色したりと、屋内で使用されていた時には起こらなかった現象が次々と発生しました。それでも、チーム一丸となって、ひとつひとつの現象と向き合い、改善していくことで、前述したようなロームならではの特長的な製品を実現できたそうです。

 

信頼性を強みに世界へ

今では、私たちの生活になくてはならないものになっているLED。自動車ではリアランプをはじめ、クラスターやアンビエントライト、産業機器では各種機器の表示パネルの数字表示やインジケータ、民生機器では機能表示など、あらゆる場面でLEDは使用されており、今後もさらなる需要増が予想されます。

「近年、特に自動車や産業機器市場で求められているのが”信頼性”です。ロームでは、”品質第一”を企業目的としており、一貫生産体制による信頼性確保が力を発揮できるポイントだと考えています。また、お客様の要求に対する細やかなサポートも欠かせません。今後は、日本はもちろん、海外において、信頼性やデザイン性などLEDの付加価値が重視されるアプリケーションに力を入れていきます。」とエンジニアは語ります。

半導体技術の中で、人々が最も身近に感じるLED。冬の醍醐味で、まばゆい輝きを魅せてくれるイルミネーションをはじめ、日々何気なく観ている、使っているものには、こうした半導体技術に支えられているものが沢山あります。ロームは、総合半導体メーカーとして、今後も先進的な製品づくりを進め、社会に貢献していくことでしょう。