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"レース場から路上へ"フォーミュラEでのロームの技術が未来をつなぐ

07/15/2017

2014年9月に始まったFIA主催のフォーミュラE。歴史はまだ浅いが、徐々に人気が出始めている。F1とは全く違うレース展開、そして何より、環境に優しい技術を使っている点が注目を集めている一番の理由であろう。
フォーミュラEでは、リチウムイオンバッテリーを搭載した、持続可能かつ革新的で、環境に優しく、静音な電気自動車を使用している。そのため、USやモナコ、ドイツ、ロシア、UKなど大都市でレースが可能になっている。1周1~2マイル程の市街地の公道のサーキットを走るのも特徴のひとつだ。
 


 

フォーミュラEがNYに上陸

ヨーロッパやアジアでのレースが特に人気だが、今年ニューヨークでの初開催を前に、アメリカでの人気も高まってきている。ブルックリンでのレースは、自由の女神やローアー・マンハッタンをバックに、現代史におけるニューヨーク市内の5つの区域で7/15、16に行われる。
フォーミュラEチームのひとつであるVenturiと日本の半導体メーカーのロームが結んだ革新的なパートナーシップは、スポーツとテクノロジーのコラボレーションを象徴している。「レースから路上へ」は、レーシングシリーズの利点を示す際によく使用されるフレーズで、ロームはVenturi とオフィシャル・テクノロジー・パートナーになることで、レースのマシン、未来の電気自動車に技術革新をもたらすことを期待している。
フォーミュラEの各マシンに搭載されているバッテリーは、28kWhの電力をためて駆動源にしている。走行距離をのばすためには、車体重量に加えて、マシンの高効率駆動が課題となっており、各チームはバッテリーによって提供されるエネルギーを、最も効率的に使う方法を常に探している。
こうした中、ロームは2016年10月に香港で開幕したレース会場でVenturiとのパートナーシップを発表した。ロームのパワーデバイス製造部部長の伊野和英氏は、「ロームの技術がフォーミュラEに貢献できることを大変嬉しく思っており、サーキットの中で我々の製品の品質と効率の高さを証明できるのを楽しみにしている。」と語った。
 


 

ロームの最先端技術

ロームは、2010年に世界で初めてSiC MOSFETを量産し、現在もSiCを活用した新しいソリューションを次々と提供しているリーディングカンパニーだ。このシリコンと炭素からなるユニークな化合物は、結晶成長プロセスを用いて製造されており、スイッチング損失を抑えることで高電圧や大電流にも耐えることができる。また、高温環境下での動作も可能であり、様々な分野で次世代のエコデバイスとして注目されている。
今回、シーズン3では、Venturiのインバーターにローム製SiCショットキーバリアダイオードが搭載されており、これまで使用していたインバーターと比較して効率を1.7%改善し、2kgの小型化を達成した。さらに放熱系の小型・軽量化によりインバーターの体積は30%小型化することができた。Venturiのマシンにとっては、より小型に、強く、速くという革新を実現している。次のシーズン4のマシンには、より高効率化に寄与するSiC MOSFETが搭載される予定で、期待も高まっている。
 


VenturiのドライバーであるMaro Engel氏は、「ロームとのパートナーシップは非常に重要です。ロームがVenturiに提供しているSiCテクノロジーは、つくりだされた熱をうまく管理できるため、優れたエンジンパワーと最終的には良いラップタイムを得ることができます。」と語る。

VenturiのCTO Franck Baldet氏も、「自社のインバーターに優れたソリューションをうみだすロームのSiC技術を用いて、パワートレインを共同開発できることをとても誇りに思っています。フォーミュラEはパワーマネジメントが全てである。そしてSiCパワーデバイスのリーディングカンパニーとして活躍するロームとパートナーシップを結ぶことで、電気自動車のパフォーマンスを向上させていくことができます。」と、フォーミュラEのマシンにおいて、パワーマネジメントが成功の秘訣であることを語った。
 


 

環境に優しい未来へ

世界中の専門家は、フォーミュラEレースが電気自動車開発の手助けとなり、今後、自動車業界に変化と発展をもたらしていくと考えている。
ロームパワーデバイス製造部の伊野氏は、ロームとその技術の両面で、パワー・エネルギーマネジメントシステム開発に対して真摯なコミットメントを持ち合わせている。伊野氏は、「ハイブリッド車や電気自動車においてSiCパワーデバイスがさらに活躍の場が増えてくるでしょう。多様な産業、そして社会のより広い領域に対して、より経済的な技術を実現していくことで、エネルギー政策の転換において重要な役割を担っていきたい。」と語る。
最先端にこだわるパイオニア精神を持つロームは、これからも数々の先進的な製品を作り出していくだろう。ロームも一般的な自動車同様、フォーミュラEに自社製SiC技術を活用することで、電気自動車の可能性を示していくような役割を担っていきたいと考えている。
ビジネス、一消費者の立場からしても、SiCパワーデバイスが主流となることで、産業および社会の双方で利益を生むことになるだろう。