パワーとアナログのシナジーで生み出す新たな価値

パワーエレクトロニクスの進歩は止まらない
パワーとアナログの相乗効果でさらなる高みへ

  • 先進的パワー技術と高度なアナログ技術のシナジー
  • 新時代のパワーデバイスに向けた、新時代の制御IC
  • GaN系パワーデバイスで、中電圧・低電圧領域の性能を底上げ
  • 集積化でパワー&アナログの効果をさらに際立たせる

先進的パワー技術のシナジーと
高度なアナログ技術

 大電力、高電圧で扱うパワー技術は、電力や信号の波形を自在に操るアナログ技術と相補関係にあります。
 最先端のパワー技術と高度なアナログ技術を合わせて使うことで、電源システムの制御精度は一層高まります。また、最新のパワー技術に秘められた潜在能力を最大限まで引き出すには、高度なアナログ技術を駆使した制御用ICが欠かせません。
 パワー技術とアナログ技術の進化がシンクロすれば、そこにはイノベーションが創出する素地が生まれ、電力・電源システムの目覚ましい高効率化や小型化が期待できます。
 高度なアナログ技術を蓄積し、なおかつSiCなど新材料も活用してパワー技術の革新に取り組む半導体メーカーは、多くありません。ロームは、電力・電源システムでのイノベーション創出を後押しできる数少ない半導体メーカーであると自負しています。
 クルマの電動化や自動化、さらにはIndustry 4.0の下で進むものづくりの情報化、再生可能エネルギーの有効活用など、パワーエレクトロニクスの飛躍的進化を求める応用が増えています。
 パワーとアナログの進化を単にシンクロさせるだけでなく、双方をすり合わせてシナジー効果を引き出せば、さらなる高みを目指せるのではないか。また、こうして作り上げたソリューションを、1モジュール、1パッケージに集積すれば、もっと高性能化、小型化、使い勝手や信頼性の向上ができるのではないか。そんな一歩先の未来を見据えた可能性を追求し続けています。そして、圧倒的な半導体ソリューションを、電力・電源システムでイノベーションを生み出そうと挑んでいるお客様に、いち早く提供していきます。

先進的パワー技術と高度なアナログ技術を融合させて、様々な社会課題を解決する電力システムの進化に貢献

新時代のパワーデバイスに
向けた、新時代の制御IC

 既にロームは、パワー技術とアナログ技術を高次元で融合させたソリューションを数多く開発し、市場投入しています。その一端を紹介します。
 まず、高電圧条件下での高速動作が可能なSiC-MOSFETの特長を最大限まで引き出す、SiC-MOSFETの駆動に最適化したAC/DCコンバータ制御ICを開発しました。これまでも工場で用いる設備監視用モニタや冷却ファンに高効率な電源を供給する用途に活用されてきました。今後はIoTやエッジコンピューティングなどに向けた電源の効率化といった分野も検討されていくでしょう。
 Industry 4.0のコンセプトの下、ものづくりの現場においてIoTシステムが活用されるようになりました。そして、より高度な情報活用をすべく、センサで取得したデータに、生産現場で高度な処理や変換を施すエッジコンピューティングを行うケースが増えています。現場に高性能なコンピュータを置くためには、半導体を駆動する低電圧直流電力を供給するための電源システムが欠かせません。日本の工場では200V、米国では230V、欧州やアジアに拠点を置く工場では380V〜690Vという高電圧の3相交流電力を、製造装置や工作機の駆動用に使っています。こうした工場内の高電圧交流対応の給電設備から半導体を駆動する電力を作り出す高効率なコンバータが求められています。
 SiC-MOSFETを使って、こうした大電力を扱うコンバータを構成すれば、飛躍的な高効率化や小型・軽量化が期待できます。ところが、これまでその性能を最大限まで引き出す制御ICがありませんでした。既存の制御用ICの多くが、利用実績が豊富で需要が多いSiパワーデバイスの特性を引き出すことを前提として開発されていたからです。
 そこでロームは、従来のSiベースのインバータ回路で一般的に使われていたPWM制御に替え、低ノイズで電力の高効率化が可能な擬似共振方式の制御ICを開発。SiC-MOSFETの高性能をより際立たせることに成功しました。擬似共振方式は、高度なアナログ技術を保有するロームだからこそ採用できた技術です。既存の制御ICとSiC-MOSFETを組み合わせた場合よりも、電力の変換効率を最大6%向上(50Wクラスの電源時)させることができます。同時に、Siベースのソリューションでは必須だった放熱用部品(ヒートシンク)が不要になり、小型・軽量化も実現しました。
 コンバータの構成に利用するSiC-MOSFETとして、日本や米国の工場内給電設備に対応する1200V耐圧品と欧州やアジア向けの1700V耐圧品の両方を製品化しています。そして、それぞれを擬似共振方式のAC/DCコンバータ制御ICと組み合わせた評価ボードも用意しています。これによって、世界中の工場で使うコンバータの効率化、小型化に貢献していきます。今後のさらなる性能向上を見据えて、スイッチング周波数の向上なども進めており、パワー技術とアナログ技術のより高レベルでの融合を図っていきます。

パワーとアナログを融合させて、新材料パワーデバイスの潜在能力を引き出したソリューションを提供

GaN系パワーデバイスで、
中電圧・低電圧領域の性能を底上げ

 また、ロームは、SiCと並ぶ注目の新材料であるGaNをベースにしたパワーデバイスの扱いを強化する準備も進めています。これまでロームは、150V耐圧の領域に向けたGaN HEMTの研究開発を進めてきました。2018年にGaN Systems社と協業を開始し、650V耐圧のGaN HEMTにも研究領域を拡大しています。GaN Systems社とは、GaNパワーデバイスを共同開発するとともに、その特徴を生かした応用開拓を進める予定です。より高い耐圧が求められる用途にはSiCを、高速動作が求められる用途にはGaNを適用し、それぞれに適した制御用ICを合わせて開発することで、最適なソリューションをお客様に提案していきます。
 GaNパワーデバイスは、650V領域では無停電電源装置(UPS)やソーラーシステム用インバータへ、150V領域ではワイヤレス給電システムやACアダプタなどへの応用が想定されています。いずれも、既存のSiパワーデバイスを用いたシステムよりも高い周波数で動作させることで、さらなる高効率化と小型化を実現します。そこでは、GaNデバイスに最適化した高速動作に最適化した制御ICが必要になります。ロームは、独自の超短パルスの制御技術である「Nano Pulse Control®」など、高度なアナログ技術を投入し、GaN HEMTの高性能を引き出すソリューションを開発しています。

集積化でパワー&アナログの
効果をさらに際立たせる

 複雑な回路、高度な回路の性能向上、さらには小型・軽量化やBOMの削減を目指すうえで、モジュール化/ワンパッケージ化技術は極めて有用です。また、こうした集積化技術は、信頼性、使い勝手を高める手段にもなります。ロームは、ユースケースや搭載するデバイスの特徴に合わせた数多くのモジュール化技術を保有しています。パワー技術とアナログ技術のシナジー効果を引き出したソリューションをモジュール化し、最先端の技術をより多くのアプリケーションで利用できるようにしていきます。
 ロームは、1700V耐圧のSiC MOSFETを内蔵したAC/DCコンバータICを開発しました。1700V耐圧のSiC MOSFETと、SiCに最適化した疑似共振方式の駆動用制御ICを1パッケージ化したものです。Siベースのソリューションよりも、効率が最大8%向上し、その分発熱も抑えられました。Siベースでフライバックと呼ばれる回路構成でコンバータを作るには、AC/DCコンバータICを1個、MOSFETを1個、ダイオードを2個、チップ抵抗を3個、さらに大きな放熱フィンが必要でした。開発したSiC AC/DCコンバータICならば、たった1個で同等機能・性能を実現できます。
 また、研究開発の段階ではありますが、ハイサイド側とローサイド側のGaN HEMT、ゲートドライバIC、さらにはハーフブリッジ回路の構成に必要な3個のコンデンサを集積した小型高効率モジュールを開発しています。
 ロームは、パワーとアナログの強みを融合させた、どこにもまねできない圧倒的性能を持つソリューションを作り出し、最も使いやすい形に仕上げて提供いたします。未来のイノベーションを支援するロームにご期待ください。

GaNデバイスと周辺チップを集積した
モジュール製品を開発中

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