出展レポート

ロームはTECHNO-FRONTIER 2016に出展いたしました。
TECHNO-FRONTIERはメカトロニクス・エレクトロニクス技術の発展と普及を支援する、アジアを代表する要素技術専門展示会です。
IoTとSiC・パワーデバイスをメインに産業機器分野への省エネ/高効率化、高速化、小型化に貢献する、アナログとデジタル技術を融合させたキーデバイスを中心に出展。また、ブース内ではエンジニアによるプレゼンテーションも行われました。
連日多くの来場者が訪れたロームブースの模様をご覧ください。

HEV・産業機器向け降圧DC/DCコンバータ

SiCパワーデバイス・制御IC

ローム イベント担当がレポート!

ブース内にてエンジニアプレゼンテーション・ミニセミナー、ランチセッションを実施いたしました。
連日多くの来場者にご参加いただき、大変好評を博したロームならではのプレゼンテーションを
お届けいたします。

エンジニアプレゼン1

業界最小ONパルスで制御可能!高耐圧DC/DCコンバータ

プレゼンテーションの冒頭に、厳しいCO2削減目標を背景に、特にEUでは48Vマイルドハイブリッドシステムの採用が増える傾向にあること、48Vシステムでは48Vバッテリから3.3Vへ直接降圧する要求が高まっていることが報告されました 。それに対して、既存のほとんどのDC/DCコンバータICは、この条件に対応する非常に短いスイッチオン時間を実現できないという課題も提示されました。この課題に対し、ロームが開発した同期整流降圧DC/DCコンバータ「BD51180TL」は20nsという業界最小の最小オン時間を実現して、48Vマイルドハイブリッドシステムの直接降圧要求に対応できるICであることが説明されました。

また、評価ボードを使った実演も行われました。入力電圧を上昇させるとスイッチオンのパルス幅がどんどん狭くなり20nsを示し、さらにスイッチング周波数が2.1MHzという高速でこのオン時間を実現したことが説明されると、多くのお客様が驚きを隠せない様子でした。

講演担当者の一押しポイント

従来のDC/DCコンバータICでは、48Vマイルドハイブリッドシステムでの3.3Vへの降圧は2段階にならざる得ませんでした。「BD51180TL」は、これを1段で実現するので、効率の向上が図れるのはもちろん、実装面積は半分になります。また、48Vシステムでは、最大入力電圧として60Vが要求されています。「BD51180TL」は65Vの入力が可能で、2.1MHzのスイッチング周波数で3.3Vに直接降圧できます。この製品は、海外も含め多数のメディアに取り上げられ、多くの問い合わせをいただいています。

エンジニアプレゼン2

高耐圧モータに向けたロームのトータルソリューション

電気機器の電力消費においてモータが占める割合が一番高く、4割以上にもなります。プレゼンテーションでは、モータの消費電力を削減することの重要性と、それに対するロームのモータ駆動ソリューションと取り組みが説明されました。モータ駆動に関する基本デバイスとして、個別トランジスタ、ゲートドライバIC、コントローラICのラインアップを揃えており、加えてゲートドライバとトランジスタがモジュール化されたIPM(Intelligent Power Module)、およびIPMにコントローラが内蔵された制御回路内蔵IPMも用意しているのは、多様なアプリケーションに対応し、トータルなソリューションを提案するためであることを強調させていただきました。各製品の開発方針として、モータの低消費電力化を促進することを念頭に置いていること、トランジスタおよびIPMについて、さらなる損失低減を目指した次世代品を開発中であることを発表いたしました。

講演担当者の一押しポイント

モータの電力消費を削減することは省エネの鍵になります。そのためには、各デバイスの最適化と全体として省力化を向上させるソリューションが必要です。例えば、IGBTにはPFC向けにスイッチング特性を重視したタイプ、インバータ向けに短絡耐量を規定したものなど、用途に合わせた有用なラインアップが揃っています。ただ、エアコンのAPF(通年エネルギー消費効率)を考えると、定常時の損失が少ないPrestMOS™がIGBTより効果的であるといったケースがあります。用途と達成目標に最適なデバイスとアプローチ、つまりソリューションの提案が重要だと考えています。

ミニセミナー1

半導体メーカーからみたEMC・熱設計の実際

※一部内容を編集しております。ご了承ください。

近年の大きな課題になっているEMCと熱設計をテーマに、30分という短い時間でしたがポイントと対応策を可能な限り盛り込みました。

EMCに関しては、特に車載環境でのEMC対応が重要になります。昨今の自動車は電装品の増加が著しく、ECUを始め各種センサ、ドライブレコーダなどの映像機器、無線などに加えてスイッチング電源の利用が増えていることが理由です。基礎的なことですが重要なポイントとして、ディファレンシャルノイズとコモンモードノイズに関する特性と対処の説明を行いました。またスイッチング電源に関しては、部品や基板レイアウトを含めた対策事例が提示いたしました。

熱設計に関しては、小型化、高機能化、デザイン性の高まりにより放熱/排熱が厳しくなり、さらに留意が必要になることを課題として提示いたしました。半導体部品は、放熱設計が不十分な場合には寿命が短くなるのは当然で、熱暴走を起こし破損することもあり得ます。そのための検証には実際の温度測定が必要になりますが意外と難しいため、TjおよびTaの測定に関する考察と注意点を説明しました。さらに、表面実装部品の裏面の半田濡れ状態、および実装基板の層数とビアが熱抵抗に与える影響についても説明いたしました。

講演担当者の一押しポイント

セミナーの中でも説明しましたが、ロームはEMCと熱測定、各々の専用ラボをもっており、測定や対処法のノウハウを蓄積しています。また、近年は実測に加えてシミュレーションが重要な役割をもつことから、シミュレーション用のモデルの開発を進めています。
EMCと熱設計は本来、もっと時間をかけて説明すべきテーマなので、別途セミナーを開催しています。直近は7月に開催予定です。無料ですので、是非ご参加ください。

【セミナーのご案内】
7月末 車載セミナー『車載電子機器におけるLSIの熱設計手法』開催(名古屋)

セミナー開催のご案内は弊社HPまたはロームメールマガジンにてご案内致します。

ミニセミナー2

IoT時代のWi-SUN規格の利活用について

IoTにおいて主要な無線技術の一つであるWi-SUNについて、規格と無線としての特徴、市場とアプリケーションに関する情報提供と、Wi-SUNの基本とアプリケーションの展望を端的に理解できるセミナーを目指しました。また、ロームは、Wi-SUNの普及とIoTの促進に全社をあげて取り組んでいることをお話しさせていただきました。

Wi-SUNは、スマートメータのBルートへの採用に始まり、HAN(Home Area Network)用Wi-SUNプロファイルが先ごろオープンになり、Wi-SUNの活用範囲が急速に広がっていることが近況として報告いたしました。技術面からは、Wi-SUNは無線LANなどの2.4GHz帯と比べて電波が届きやすく他の機器からの干渉も少ないという点、通信速度が1Mbps以下で低消費電力であることなどを説明いたしました。将来の展望として、Wi-SUNがマルチホップ方式にも対応することから土壌監視などセンサを利用した広域センサネットワーク構築への利用が見込まれることをお話いたしました。今後促進するHANへの対応として、HANプロファイルと国内電波法認証を取得したWi-SUN対応モジュールを開発していることを公表いたしました。

講演担当者の一押しポイント

ロームは、Wi-SUNの普及に全力投球しています。また、IoTに必要な三要素である無線、センサ、マイコンのすべてを提供することができます。ロームのWi-SUNモジュールは、業界トップクラスの受信感度を誇るラピスセミコンダクタのML7396B、マイコン、そしてアンテナを内蔵しています。国内電波法認証取得済みなので、無線開発のリソースがなくても簡単にWi-SUNを機器に搭載することができます。ウェブサイトから開発に必要な資料とソフトウェアを提供していますので、是非、Wi-SUNモジュールを試してみてください。

ランチセッション

ロームの最新SiC・パワーデバイスと応用アプリケーション
実用化が進むSiCデバイスのための回路設計

4月20日の技術シンポジウムにおいて、「SiCデバイスの最新技術動向」と題したランチセッションが開催されました。弊社のLSI開発本部パワーマネジメントLSI商品開発部パワーソリューション開発課長の福本憲一と、大阪大学大学院 教授の舟木剛氏が講演を行いました。200名の募集に対し満席状態で、近年の省力化要求に対応する鍵となるSiCパワーデバイスに対する関心の高さが伺えました。

弊社福本は「ロームの最新SiC・パワーデバイスと応用アプリケーション」とテーマで、「SiC・パワーデバイス技術と制御技術の融合」、「最新SiC動向」、「応用事例」、「今後の展開」について講演させていただきました。「SiC・パワーデバイス技術と制御技術の融合」では自身の経験を踏まえ、最先端のパワーデバイスの性能を引き出すのは容易ではなく、それに対して多くの時間とコストがかかっている状況を問題視し、最先端のパワーデバイスの性能を最大限に活かす制御技術を確立する必要性を強調しました。そして、この点に関しロームは、パワーデバイス技術と制御技術を両輪としたソリューションを提供することで、誰もが簡単にSiCパワーデバイスを使いこなせるようになることを目指す、と述べました。

大阪大学大学院教授 舟木氏の講演は「実用化が進むSiCデバイスのための回路設計」という題目で、「SiCデバイス」としてSiC MOSFETおよびパワーモジュールの構造と特性、そして「回路設計」という括りでSiC MOSFETのゲート駆動回路、パワーモジュールのスイッチング特性とスナバコンデンサの効果、動作電流検出に関する内容でした。SiCデバイスに関しては、プレーナ型MOSFTEと新世代のトレンチ型の構造と特性、それぞれのパワーモジュールの特性の違いが説明されました。また、それを踏まえたトレンチ型MOSFETに適するゲート駆動回路、パワーモジュールのスイッチングサージ電圧抑制スナバコンデンサが紹介されました。舟木氏においても福本と同様に、最新パワーデバイスを使いこなす制御技術の必要性が示されたのは、非常に興味深いことだと思います。